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テーマ:楽しいNY生活(436)
カテゴリ:恋愛
週末土曜日親友の買物に付き合った。
理由はその夜にブラインドデートがあって着ていく服を探したいからということだった。親友の声は久々に弾んでいた。夏に芽生えた恋が終わり、久しぶりのデート、それも彼女のお姉さんとその友達の従兄弟とのブラインド・デートということで皆がワクワクしていた。 買物に行く途中、彼女のアパートに立ち寄った。その時、 「彼は知らないけど、私は彼の写真をメールして貰ったの。見てみる?」 「勿論よ!」 開いたメールに添付された写真に写るハンサムな男性。それが彼女の相手だった。 「きゃ~、すごーくカッコいいじゃない?今までの元彼たちよりもカッコいい!!」 そう私が言うと、彼女は、 「私のタイプなの!もう緊張してドキドキよ~」 といつになく落ち着き無くそわそわして、ラップトップを扱う手まで震えさせながら答えた。 今度こそ、素敵な彼女に合う相手でありますように・・・ そう願わずにはいられなかった。相手は未婚、子なし、35歳の男性。零れる笑顔からはトム・クルーズを思わせるような白い歯がキラリと光っていた。 少し寒いけれど、歩いて目指すお店に向かった。途中、数件のブティックに寄りいろいろ探す彼女はこう言った。 「この時間がいいのよね。」 本当にそうだ。初デート、それもブラインド・デートとなると会うまでのトキメキはそれを経験したことのある人ならわかるだろう。とにかく不安と悦びと色んな感情が混ざったそんな気持ちになるのだ。 彼女が探していたのは黒のセーター。ふと立ち寄ったお店で大人っぽいセクシーなセーターを見つけた。試着してみる彼女が女の私にさえとてもセクシーに見えた。セクシーだけれど大人の雰囲気をもかもし出す、そんなセーターを彼女も気に入ったようだった。 「妹はタンクトップを着ろっていうけど、初デートでそこまで行くといかにもって感じで嫌なの。」 「私もそう思うわよ。うん、このセーターで正解!」 そう言うと私までがデートに行く様な気分になったような気がして、思わず彼女がセーターの下に着るお揃いのタンクトップを買ってしまった。 買物の帰り、ランチを食べている時に彼女のデート相手から電話が入った。彼女の顔が一瞬でぱーっと赤くなり、体全体がオンナと化していた。ホントにこういう時間がオンナをキレイにするんだなと私はただただ感心するばかり。笑い声の絶えない電話を切って彼女はこう言った。 「たとえデートが上手くいかなくても、『今』がホントに楽しいの♪」 私がそうやって目一杯お洒落してデートに出かけたのはいつだったっけ? キラキラと輝き、オンナの香りを解き放つ彼女がちょっぴり羨ましくもあった。 「今夜帰ってきたら連絡するわ。」 「明日の朝でいいわよ。報告してね!」 そう言って私達は別れた。 翌朝、約束通り彼女から電話が掛かってきた。間入れずに、 「もう彼とは二度とデートしないわ!」 とちょっと眠そうな、けれどちょっと怒ったような諦めたような声が電話口から聞こえてきた。 「約束のバーには来ていないし、午前1時半になって『どうやって帰るの?』って言うだけよ。その後、すぐタクシー捕まえて帰ってきたけど、タクシーの運転手もそれ見ててすごーく怒ってた。私の方がなだめるのに大変だったわよ。でもね、マンハッタンまで15分よ!信じられない!」 彼女の気持ちは痛いほど良くわかった。デート場所のホーボーケンはマンハッタンからパスという地下鉄でたしか一駅。けれど真夜中過ぎに乗るのはちょっと恐い。でも夜中ならマンハッタンまではホントすぐに着く。そして普通の女の子だったら、一言「送ってって」というだろうけれど、彼女はそんな事言わない人なのだ。 「ハンサム君だったのに、残念ね。」 30歳過ぎて独り者にはそれなりの理由がある。彼の理由はわかるような気がした。そしてふと自分はどうかと考えてみた。わかったような、わからないような・・ でもその前に、会う瞬間まで指折り数えて、その人のために目一杯お洒落して出かけるデートに出かけることが始めの一歩。そしてその一歩がなかなか踏めずにいる私。 ずーっと言い続けてきた出会い系サイトに登録しようと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 6, 2005 04:50:04 AM
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