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朝のニュースによれば,今日は7並び(2007年7月7日)ということで,ヨーロッパなどでは縁起がいいと結婚式を挙げる人が教会に殺到しているとか。
どうもロマンティックな伝説や数字の魔法は,私にはぴんと来ない。 七夕で思い出すものと言えば, 絡新婦(じょろうぐも)の理/京極夏彦 そしてスガシカオの比較的最近の曲に『7月7日』(【PARADE】収録)というのがある。 いつも私は,眠るたびに自分はそこで一度死んでいるのだと思っているのだが, かろうじて,例えば研究という一連の流れと具体性のある行為を通して,昨日の眠る前の自分と,今日の目覚めた後の自分とを同一化することが出来ている。 でもこういう歌詞を書かれると,ふと,自分が途切れていることを思い出してしまうので,実はこの曲はあまり聴かないようにしている。 生まれてから今日で9450日,それと同じ数の自分が内に埋葬されている。 でも木本植物が“死んだ自分”によって支えられているように,私もそうなんだろうと思ったりする。 “夜に食い殺されてしまう”と彼は歌うが, 夜の闇は余計なモノを隠してくれるけれど, 同時に全ての境界を溶かしてしまって, 夜の端っこに頼りない境界を示して見せてくれるのは小さな星だけで, だからその僅かな光さえ存在しない,茫洋とした曇天の七夕は人を憂鬱にさせるのでしょうか。 東京の7月7日は梅雨の真っ只中だから,大概曇天のような気がするが。 そう言えば,星が好きで,天文学者になりたいと思った自分も居たように思う。 こうしてふと現れる自分の亡霊に,懐かしさや嫌悪や戸惑いを感じて,妙な気分になる。 本当に明日は来るのか, いつか昨日と繋がらなくなる朝が訪れるんじゃないだろうか。 プリミティヴな恐怖を喚び起こされる, 美しい曲です。 でもやっぱりあんまり聴きたくないかなぁ…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 7, 2007 06:39:42 PM
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