【本】『「若者の読書離れ」というウソ 中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか』
サブタイトルの「中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか」に関するページが多めです。 『「若者の読書離れ」というウソ 中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか』 飯田一史 平凡社新書 平凡社 2023年「若者の読書離れ」というウソ 中高生はどのくらい、どんな本を読んでいるのか【電子書籍】[ 飯田一史 ] 文庫ラノベ市場で客離れが起こった理由や、読書量の遺伝的な影響について行動遺伝学の視点で書かれた部分など、第一章が特に興味深かったです。 また、出版不況の本質は、雑誌需要と可処分所得の減少だとか、TikTokでの本紹介動画は高校生女子には影響を与えたが、中学生や高校生全体の読書量を押し上げたとは言えない、というのは意外でした。 全体的にこの本が、若者や、普段から本を読まない人に寄り添う視点で書かれていたことが、印象に残りました。 「高校生や大学生は少なくとも日本人全体と同じくらいは本を読んでいるし、小中学生は大人よりもはるかに読んでいるし、過去最高に読んでいる。にもかかわらず本好きの大人という少数派が、子ども・若者に対して、大人全体の平均以上の読書量や高度な内容の本の読書を望むのは、ハードルが高すぎる。」(p.248) 「大人も平均すれば月2冊も書籍を読んでいないのだから、「平均的な大人」はたいした読解力もないし、歯ごたえのある本も好んでいない。わかりやすい本が好きな人のほうがマジョリティなのである。」(p.249)