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カテゴリ: ピアノ練習あれこれ
ここ数日憂鬱な日が続いたので、それを和ませてくれる何かはないだろうか、と部屋の楽譜の棚を眺めていると、全音のソナタアルバムが目にとまる。全音のソナタアルバムはハイドン・モーツァルト・ベートーヴェンの各作曲家によるピアノソナタが数曲抜粋されたものであり、ソナチネアルバムを終えた者が次に手にとる楽譜としても定番だ。子供の頃からピアノを習っていた人ならば、多分、小学生か中学生あたりで弾いているのではないだろうか。
■ソナタアルバムで肩の力を抜いて 全音のソナタアルバムは1と2の分冊であり、私は1しか持っていないのだが、2の方が難易度が高め(ベートーヴェンの月光や悲愴の他、のだめカンタービレにも登場したモーツァルトのソナタK310も掲載されている)だ。一方、1はソナタに馴染んでもらうがために組まれた楽譜なのかと感じさせる、とっつきやすい曲が並んでいる。例えば、譜面をめくって最初に現れるハイドンのソナタハ長調、これは確かソナチネアルバムにも掲載されており、一時期東京電力のCM曲としてもよく流れた曲だったり。たまにこういう曲を弾くと妙に和んでしまう。 モーツァルトのソナタハ長調K.545、これはソナタ初心者の定番曲?といわれるくらいに馴染み深い。ド~ミソ シードレド~、うむむ、肩の力が抜けていくような・・・。いやぁ、モーツァルトのメロディは素直すぎるくらすに素直なので、力んでいた己の気持ちをほぐすにはとても良い効果があるらしい。モーツァルトの曲が様々な意味で人間に良い影響を及ぼす、胎教音楽だといわれるのが、とてもよくわかるような気がする。 しかし、同じモーツァルトでもK331、つまりトルコ行進曲付きの変奏曲あたりになると、さすがに「うーむ、気持ちよく弾ける」という訳にはいかず、久々にトルコ行進曲のオクターブ旋律にオタオタ。まぁオクターブ旋律はまだ良いとしても、オクターブ分散、あれはいまだに苦手である。あれさえ無ければ・・・と昔はよく思ったものだ。 さぁ、続いてベートーヴェンのソナタ。ト短調Op.49-1はソナタといってもかなり短曲なので、あれまぁといっている間に弾き終えてしまう曲だが、このあたりの曲はベートーヴェンに馴染む第一歩としては良さそうだ。月光や悲愴、熱情あたりになると、とにかく各楽章も長く、難易度もグッとアップするので精神的なリハビリにも向いていないのだ。 ■あれ、肩の力が抜けたらついつい・・・ と、こうして肩の力をほぐした自分は、ついつい欲張ってショパンのエチュードOp.25-2あたりに手を出してみた・・・とオチ付きであった。最近の子守唄代わりの音楽はずっとショパンのエチュード集だったのだが、「あっ、この曲ならばもしかして苦しまずに弾けるようになるかも」と思わせてくれたのがOp.25-2である。 そう、この曲ならば、シューベルトの即興曲Op.90あたりを弾いているレベルで弾けそうな曲。逆にシューベルトの即興曲よりも譜面もかなり容易なので、とにかくショパンのエチュードを弾いてみたい、という人にもオススメな1曲である(といっても、技量面以外においてはそんなに容易ではなさそうだが)。 こうしてあれこれ弾いているうちに、気持ちのモヤモヤは徐々に晴れていたのであった。 ---------------------------------------------------- 本日の練習メモ(定例) ●ハノン #29~#35 #29-30を続けて繰り返し4回。#32の1-2指運動、更に#33の1-2-3指運動、#34の1-2-3-4指運動を数回繰り返す。#35の1-5指くぐらせ運動、悪戦苦闘と思いきや、ハノンによる指定テンポをみると予想よりも遅いことに気づき、指定テンポ上限で弾いたところ、すんなり弾けていた。ほっと一安心。とてつもなく高速なテンポを要求されることがあるハノンだが、指にかなりの負担をかけるような練習曲にはやや遅めのテンポが指定されていることに今更気づいてどうする。 ●ツェルニー30番 #01~#21の奇数番曲練習 本日からは1日毎に奇数番・偶数番曲の練習で。その代わり、1度クリアした曲でも気になる箇所が現れた場合は細かくフォローすること。 #01~19の奇数番曲は、ノーミスで弾ければ1回ずつ。ミスした場合は繰り返し弾いて指慣らし。 #21、左手音階部分も無事にクリア。あとは音ミス無しで弾けるよう、通し練習を繰り返すこと。 ●バッハインヴェンション #01~#08 #01~#07はノーミスで弾ければ1回ずつ #08、本日も左手を丁寧に弾く練習。やはり後半になるにしたがってテンポアップしてしまいがち。 ●ドビュッシー ベルガマスク組曲から「プレリュード」 プレリュード、実家で弾いた時はかなり哀れな状態だったのに、こうして自宅で弾けばそこそこ弾けるというのはかなり悔しい。しかし、まだまだ弾きこみが足りないのだということで、通し練習を繰り返す。右・左手の弾き分けはクリア。 ●ショパン エチュード Op.10-4 本日もスローテンポで練習を繰り返す。 ---------------------------------------------------- 本日の息抜き ●ソナタアルバム1から抜粋 ハイドンハ長調、ニ長調 モーツァルトK545,K511,K331 ベートーヴェンOp.49-1,Op.49-2 以上 ●ショパン エチュード Op.25-2 これを息抜きに入れるのはまだ定期練習に組み込むかどうか悩ましいため。とりあえず譜読みを。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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初めまして。
心に響くタイトルに惹かれてやって参りました。 日記等々も拝見しましたが、すごいの一言・・・(^o^) 私もたまにはソナタを弾いてみようかな。という気持ちになりました。 (Nov 17, 2004 11:32:12 AM)
ふゆのほしさま
ソナタアルバムって超有名な曲ばかりですよね。 月光の第3楽章なんぞを弾くといっぱしのピアニスト気分、てなもんでね。 今回の日記は、なつかしい!ということで楽しかったです。 毎日の練習曲のメニューを拝見しています。大変だろうな、ノーミスで弾くということを自分に課してらっしゃるのですよね。ふうむ、尊敬! ところで、前回、モシュコフスキーの話があったので少し書いておきます。というと、弾いたことがあるんだろうと思われてしまいますが、実はほとんど経験がありません。モシュコフスキーの練習曲というと、日本では、20の小練習曲、15の練習曲、16?の技術的練習曲でしょうか。特に15の練習曲は、特にショパンエチュードの準備に最高!なんて書かれているので、ついフラフラとお金を出してしまう。私もそうでした、あ~あ。 ショパンのピアノ曲をサロン向きと考えている向きがあるなら、これらの練習曲集はその準備段階として最高なんでしょうね。でも、「ふゆのそら」さんのように既に相当のテクニックをお持ちなら必ずしもこだわらない方がよろしいのではないでしょうか。30番の後に、40番、50番、クラーマー、グラドス、モシュコフスキーですか。さらにその間に、ツェルニー「毎日の練習曲」「60番」、ブラームス「51の練習曲」「ピッシュナ」「ドホナーニ」なんてのもあって結局一生練習曲に追われてしまいますよね。 で、モシュコフスキーを選ぶ理由は、ショパンエチュードの前段階に最適、曲数が少ないので案外楽をできそうだな、楽譜を見ても音符の数が多くない、といったところでしょうか。で、結論は…、やっぱりよくわかりません。 クラーマーを是非! ←しつこいなあ。 (Nov 17, 2004 09:05:08 PM)
モーツァルトK545は。一楽章、右手はどうにかいいのですが、左手はいまだにもつれます。
私もときどき、ソナタアルバム一巻、見直してみようかなと思いました。 それでは、また。 (Nov 17, 2004 09:07:01 PM)
ほんとピアノ弾くといやなことも吹っ飛びます。
ふゆのほしさんは電子ピアノで練習されてるんですね。僕もそうです。ヘッドホンで。うちも実家にアップライトの〈誰も弾かない〉ピアノが置いてあって、僕のたまの里帰りを首を長くして待っています。生ピアノはほんと響きが豊かですよね。体で音を受け止めるというか、あの感覚とタッチの問題から言ったら、いくら本物に近くなったとはいえ、電子ピアノでは物足りない。 夢は自分の家に生ピアノを!できたらグランド・ピアノ!と言いつつも安月給に夢は夢のまま。。。 (Nov 17, 2004 09:14:07 PM)
ひゆわさん
ようこそいらっしゃいませ(^^) 練習日記は、意志の弱い私が挫折せぬよう、毎日の 練習を形として残しておくためにうだうだ書いてしまって います。多少読みにくい箇所もあると思いますが、 まぁ同じ曲を練習する人には少しでも参考に・・・なれば・・・ ってならないですね(^^;; >私もたまにはソナタを弾いてみようかな。という気持ちになりました。 あれやこれやと曲を練習しているとどうしても煮詰まって しまう時があるので、 そんな時、ソナタは一服の清涼剤のような感じです。 いや、それで逆にハマッてしまうことも多々ありますが。 (Nov 18, 2004 08:29:35 AM)
みっとんさん
月光3楽章、私の場合さすがにあれをサラッと弾き直す・・・というわけには(^^; 逆に「昔は弾けたのにどうして弾けないのだー」と横道それてその練習に没頭することが多々あります。 >大変だろうな、ノーミスで弾くということを自分に課してらっしゃるのですよね。 「ひとりで練習」には緊張感がどうしても欠けてしまいますよね。自分に「ノーミスで」と指命を与えるとかなりの緊張感をもつことができます。結局、ミスしたら再び何度も練習する羽目になっていますが(^^; モシュコフスキーについては、15の練習曲が割と定評があったため、以前から少し気になってはいました。ところが、ここのところショパンのエチュードを少しかじるようになって、ツェルニーだけを基礎練習にしていた頃よりは、逆に手の柔軟性が少し戻ってきたかなと感じていたり。リハビリ中に、いきなり全速で走り出してしまったような形になってしまいましたが、これは嬉しい誤算です(^^;; 実は私、練習曲好きなので、一生何らかの練習曲を弾くことにはあまり抵抗はないのですが、やはりむやみに手を出すよりも、自分の技量不足を補えるような練習曲をきちんと探さなければならないですね。先生がいれば、ある程度手引きしてもらえるのでしょうが、現在は自分で判断しなければならない点が難しいです。 クラーマーについては近日中に楽譜を見てみますね。 みっとんさんはかなりピアノ歴が長く、しかも様々な難曲をこなしていらっしゃると思いますので、「こんなところで何つまずいてるんだー」と、是非カツを入れてやってくれれば嬉しいです。 そういえば、ピアノ教室では最近ツェルニーを練習曲として採用しない教室も結構見受けられるらしいですね。やはり、単調な曲の流れが生徒にうけないからでしょうかね。 (Nov 18, 2004 09:02:56 AM)
tyeesさん
>モーツァルトK545は。一楽章、右手はどうにかいいのですが、左手はいまだにもつれます。 tyeesさん、ま、まさかかなりのアップテンポで弾かれているのでは・・・ でも私もソナタアルバムをひもといてはみたものの、いきなり美麗な音楽を奏でたという訳にはいきませんでした。「あー、これ懐かしい。やっぱり名曲だなぁ」なんてニコニコしながら弾くだけで、結局は自己満足な音楽の時間、となってしまいました。 でも、こういう時間もたまには必要ですよね。 最近、眉間にしわをつくってばかりでしたので(^^; (Nov 18, 2004 09:09:50 AM)
レイン・キャットさん
>ふゆのほしさんは電子ピアノで練習されてるんですね。僕もそうです。ヘッドホンで。 この練習が続くと、なんだか気持ちまで閉鎖的になりませんか?おまけに最近は耳の調子までなにやら悪かったりします(涙)。決してそんなに大きな音で弾いている訳ではないのですが・・・ それだけに生ピアノを弾くと、目の前がパーッと開けるような感じですよね。昔は生ピアノで練習するのが当たり前だったのに、と思えば思うほど、いやはや、せつないです。 >夢は自分の家に生ピアノを!できたらグランド・ピアノ!と言いつつも安月給に夢は夢のまま。。。 うちも同じですよ(涙) まず、家を買わねばグランドはおろか、アップライトも置けません。ピアノ貯金をしているつもりですが、その前に家を買う貯金をしなさい、って言われそうですね(^^;; おまけに、防音工事もかなりの額なのでしょうね。って、まだ買うめどもつかないのに、何を言ってるのでしょう、私。 (Nov 18, 2004 09:17:01 AM) |