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カテゴリ: ピアノレッスン番組
5月31日、NHK教育テレビ「スーパーピアノレッスン」の日がやってきた。本日で、モーツァルト「幻想曲」ハ短調 K.475も第3週目、つまり本曲の仕上げの回である。しかも、本日はテキスト58~59ページといったたった2ページのみのレッスンだ。「これはどう考えても放映時間が余りそうだけど、どうするのだろう?アントルモン先生が全曲通して弾いてくれるのかな」とあれこれ考えているうちに、その答えはすぐに分かった。
つまり、最終2ページのレッスン後、幻想曲全体にわたっての復習と称し、この曲を演奏するにあたってのワンポイントを掲示しながらレッスン風景のダイジェストが放映されたのであった。うむ、これは今までのレッスン曲たちには無かった新たな試みである。 というわけで、とりあえずテキスト58~59ページ「Tempo primo」部分のレッスンに入ることにしよう。レッスンの開始に、アントルモン氏はこの曲について「たぐいまれな名曲」と讃えている。私もこの曲を実際にに練習してみて、技術以上に全体にわたる表現面でかなり苦労させられており、ひとつ間違えれば聴き手に退屈感を与えてしまいそうではないか、と大いなる課題をかかえたままだったりする。と、まぁそれはさておき、各小節の注意点についてあげることにする。青字は先生の注意点、括弧内の黒字は私なりのコメントである。 【Tempo primo】 ・172小節:ここはアダージョ、8拍子のごとく弾かないように。そして弦楽器奏者がひと弓で3音弾くように弾くこと。 (スタカートにスラー表示がある部分。一息で3音を粒良く丁寧に弾きたいがそれが難しい) ・174小節:3,4拍目もっと大きくフレージングして(という意味かどうかは定かではないが) (1音1音を独立して弾くのではなく、大きな流れのなかで弾いてという意味に解釈したのだが、自信なし。) ・178~179小節:強弱はしっかりと。178小節3拍目からラレンタンド始めるのは誤り。このフレーズは最後の小節まで続いているのだ (前小節のフォルテ箇所からはっと陰影をつけるようにピアノにしたい箇所。最終小節にむけてどうしてもテンポを遅くしてしまいたい進行だが、これは大いに気をつけねばならない点だろう。) ・180小節:3拍目の休符はきちんと切って (ペダルでじんわりと音をつなげたままになりそうな箇所ゆえ、ここはピシッと切ろう) ・181小節:ペダル無しで弾くこと (最終小節、フォルテで右手が駆け上がっていく箇所。音を濁らせず一気に上りつめよう) そしてアントルモン氏は総評として「出来るだけシンプルに演奏して欲しい。全てから音楽の中に書かれているのだから、集中して音楽を感じ取って。楽譜の表示にも気をつけて。そして曲全体の調和を守って欲しい」といったメッセージを生徒さんに語られた。つまり、曲の進行上、どうしても感情過多になりがち、あくまでも古典派な曲であることを忘れずに、と解釈してみた。 さて、その後前回までの復習として、レッスンダイジェストが流れたので参考までに。 ・1~6小節:全体のバランスを考えてフレーズをつくる(アダージョの冒頭) ・15~18小節:和声上の効果を高めるため、強弱を工夫する(アダージョ ト長調転調前の部分) ・23~26小節:ここではブレーキをかけず、先に進む感じを出す(アダージョ ニ短調転調前の部分) ・107~110小節:右手が旋律を歌うとき、左手は控えめに(アンダンティーノ 左手同音連打部分) ・130~131小節:ドラマチックな表現も乱暴にならないように(ピウ・アレグロ冒頭) 全体:演奏がロマン派的になりすぎないように気をつける。力まずに謙虚な気持ちで厳格に演奏する。 と、こうして幻想曲 ハ短調の演奏ポイントをしっかり学んだ(つもり)だが、それを活かすも殺すも自分次第。もうしばらくは日々練習しながらコツをつかんでいきたいと思っている。とても良い曲だとは思うのだが、シンプル・・・シンプル・・・このシンプルがなかなか難しい。 ちなみにこの日のモーツァルト小話は熱気球の話。当時、飛行実験がヨーロッパ各地で話題になっていたらしく、モーツァルトの手紙にも書かれていたといった話であった。「人生の1/3を旅行で占められていたモーツァルトにとって夢な乗り物だった」という結びであったが、あぁ、高所恐怖症な私には非常に縁遠い乗り物だ。 そして、アントルモン氏の演奏は予想どおり全曲通して、であった。個人的には多少ペダルが多いかな、テンポの揺れが結構多いかな、等といった点が感じられたのだが、改めて幻想曲の表現の難しさを思い知ったような気がしてならない。 さて、来週からはピアノソナタ ハ短調 K.457。今週まで学んできた幻想曲 ハ短調と共に出版された作品だとか。ヘンレ版の楽譜でも、幻想曲は14番a、ソナタハ短調は14番bと掲載されている。幻想曲に続き、こちらのソナタも私は練習経験ゼロなので、譜読みもドキドキ状態。・・・あぁ、、弾けるのだろうか・・・ それにしても、これほど体力・精神力を使うテレビ番組も、いやはや、久しぶりである。もっと気楽に見れば良いのに、ついつい力んで見過ぎのような気がしてきた。このあたりに私の不器用な性格が表れているようである。 ---------------------------------------------------- 本日のピアノ練習メモ ●新しいピアノのテクニック(上) #18~19 ●全調(長・短調)4オクターブスケール(両手・左手のみ) ●ブラームス51練習曲 #07,#08 #07:両手・左手のみ各練習。(リズム変奏含む) #08:アルペジオ練習。両手・左手のみゆっくりテンポで丁寧に。 #18:4-5指トリル練習。 ●クラーマー=ビューロー60練習曲 #12 #12:ゆっくりテンポながら進行に慣れつつあり。同音連打を丁寧に。 ●バッハシンフォニア #01~05 #01~04:ノーミスで弾ければ1回ずつ。ミスした場合は再復習。 #05:通して数回。(まとめ段階) ●モーツァルト「ピアノソナタ ニ長調 K.311」 全楽章:各楽章の荒削りな部分を丁寧にさらって。第3楽章中心に練習。 ●モーツァルト「幻想曲」ハ短調 K.475 通し練習後、まだまだピウ・アレグロ部分を中心に練習。 ●シューマン「クライスレリアーナ」#01 #01:あいかわらずペダル踏み位置に悩むこと多々。乱暴な音になりがちな主題はとにかく丁寧に。中間部、まだまだテンポが揺れすぎ。右→左をもっと滑らかに。 ●シューマン 子供の情景から#01,02,03,07,08,09 01知らない国ぐに:ノーミスで弾ければ1回。ミスした場合は再復習。 02珍しいお話:ノーミスで弾ければ1回。ミスした場合は再復習。 03鬼ごっこ:スタカートがまだ粗くムラがある。まだまだ弾きこみが必要だ。 07トロイメライ:ノーミスで弾ければ1回。ミスした場合は再復習。 08炉ばたで:進行には十分慣れたので、表現面を要検討。 09木馬の騎士:ノーミスで弾ければ1回。ミスした場合は再復習。 ●シューマン ウィーンの謝肉祭の道化から#04,#05 04インテルメッツォ:十分に弾きこむこと。 05終曲:とにかく楽譜にかじりついて弾くレベルを脱するまで頑張れ。(明確な苦手箇所がまだ出てこない) ---------------------------------------------------- 本日のおさらい(ノーミスで弾ければ1回) ●クラーマー=ビューロー60練習曲 #08,#11(指運動代わりにブラームス51番後に1回ずつ) ●バッハインヴェンション #01~05 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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