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Aug 26, 2005
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カテゴリ: 視聴レポート
8月25日夜から26日未明にかけて関東地方を激しく襲った台風11号だが、26日、朝6時に起きて慌てて窓を開けてみると、「雨があがってる!」。ほっと一安心である。あぁ、神様は私を見捨ててはいなかった、とまで思ってしまった私は、いやはや、単純そのもの。何故、そんなに喜んでいるのか、というと・・・

前日の日記でも掲載したとおり、今日はヤマハ所沢店で「ショパンを弾こう~バラード編」のセミナーがあるのだ。しかも、午前中の講座ゆえ、電車を1時間近く乗り継いで行かねばならない私にとっては、台風にしつこく居座られていては行くに行けないところだったのである。というわけで、台風こそ去ってくれたものの、交通機関の遅れを心配しながら慌てて出た私は、なんと開始の1時間前に現地に到着してしまった。まぁ、早い分には良いか。

さて、この日のセミナーの概要をちょっぴり紹介しておこう。

【セミナー名】ショパンを弾こう「バラード編」
【受講日時】2005年8月26日 10:30~12:30
【開催場所】ヤマハ所沢店
【講師】下田幸二さん(解説) 高橋多佳子さん(ピアニスト)
【概要】ショパン作品解説や研究でもお馴染みである下田幸二氏がショパンのバラード各作品についての楽曲分析や作品由来などについて詳細に解説。更にピアニストの高橋多佳子さんによるバラード1番,4番の演奏。



■バラードってなに?

まずは「バラードってなに??」から始まる。皆さんはバラードの言葉の由来、ご存じだろうか。下田氏による解説によれば、バラードのもとはラテン語の「ballare」、つまり「踊る」に由来するらしい。そしてその始まりは、中世フランスの吟遊詩人たちによる舞踏歌であり、それらには3拍子や6拍子といった舞踏のリズムと共に恋愛の要素を織り交ぜた詩が特徴でもあった。ここに、バラード誕生の重要要素として「舞踏」と「詩的要素」がある、ということなのだ。ショパンのバラードにおいても拍子はすべて6拍子系であることはいうまでもないが。(また、中世においては、物語風の「詩」の形式としてもまた「バラード」と称している。)

更に下田氏は古来のバラードに関して説明は続く。

■ショパンバラードの由来解説

やはりこの講座で最も重点を置いているのは、ショパンのバラードに関する解説だろう。まずはショパンのバラードの由来解説から話は始まる。ショパンはポーランドの詩人であったアダム・ミツキエヴィチと交流があり、各バラードも彼の詩に影響を受けて作られたという説が一般的らしいが、ショパンはその点について一切記述を残していない(一部、シューマンの証言があるらしいが)。

ということでショパンのバラードとミツキエヴィチの詩を結びつける一般論は以下のようだ。
第1番:劇詩コンラード・ヴァーレンロッドから
第2番:シフィテシ(ちなみにシフィテシとは湖の名前である)
第3番:オンディーヌ(これはシフィテシ湖に住む妖精を意味しているとか)
第3番:上記の説またはハイネの「ローレライ」
第4番:3人のブドゥリス→下田氏としては別のイメージがあるらしい

(各詩に興味がおありの人は、別途文献を探してみるのも良いだろう)

■ショパンバラードの各作品の分析

第1番~4番各曲に関して、特に第1,3番を中心に楽曲分析が行われた。さすがにこの場で細かな解説を掲載するには、時間的余裕がないため、割愛させて頂くが、ショパンがいかに多声音楽の影響を受けているか、そして、序奏や主題が曲中の各所に「様々な形として」登場することを理解し、それを意識して弾くか、しっかり学ばせてもらった。また、普段から「楽譜どおりに弾くことが先決」と思ってしまっている私であるが、譜面をもっともっと奥深く掘り下げて読むことが必要であることも思い知らされた。

つまり、和声の原理を利用して、曲中に微妙なニュアンスをつけることで曲により豊かな表情がつく、ということである。ここは楽譜にフォルテ!と書かれているから、ただその部分を強く弾けば良いってものではない・・・考えてみれば当たり前なことではあるが、改めて人から言われると本当に自分は理解できているのか?と不安になってきた。

だいたい和声の勉強なんて、ほとんどしてないではないか、私。

また、バラード第4番はこれまでほとんど熱心に聴くことがなかったのだが、第1主題が様々な形に変化していく、まるで変奏曲のようなバラード4番にすっかり魅了されてしまった。それにしてもこの第4番、まさしくショパンのエチュードの各要素を含む集大成ではなかろうか。Op.25-12大洋のエチュードのようなうねり、Op.25-6のような3度の動き、あぁ、まずはエチュードをこなさないとこの曲にはとてもとても手が出せそうにない。

そういえば一見難解そうなショパンのパッセージには、ある一定のパターンがあるので、そのパターンさえ頭に入れてしまえば難解なパッセージも臆する無かれ、これには納得である。


■高橋多佳子さんのバラード演奏

高橋多佳子さんといえば、1990年のショパン国際コンクールで第5位に入賞した女流ピアニスト。こうして間近で演奏を聴くのは、これが初めてだったりするのだが、スラックスのカジュアル姿で登場した高橋さんは、その風貌こそ可憐で華奢なのに、演奏はとてもストレートで格好良い。今回はバラード第1番と第4番を演奏されたのだが、バラード第1番といえば演奏者によっては妙に重々しく濃厚なバラードになってしまうのに、彼女の音は実に爽やか。間近で見た特権?、時々演奏中に左足をポーンッと動かすのが(軽く蹴り上げるような)かなり印象に残ったりも。

セミナー後には楽譜とCDにサインまで頂いてしまった(私はあいかわらずミーハーである)。とても気さくで温かく可愛らしい高橋さんに魅せられたひとときであった。

【関連文献】
ショパン全曲解説
ショパン全曲解説(下田幸二 著)
(ピアノ曲を含むショパン作品の解説書。残念ながら楽天ブックスでは現在品切れ中)
ショパン : バラード集/パデレフスキ版第3巻(PWM社日本語ライセンス版) (PWM/JAP) 〔YMM〕
ショパン : バラード集/パデレフスキ版第3巻(PWM社日本語ライセンス版) (PWM/JAP) 〔YMM〕
(セミナー時、使用した楽譜はパデレフスキー版のバラード集)


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

さぁ、家に帰ったらショパン三昧!!・・・・・というわけにはいかなかった。時間がなかったこともあってか、とりあえず翌日、実家に帰って弾くつもりである「ハッピーバースデー変奏曲」の練習、そして疲れをいやすためにアルゼンチン舞曲だけを弾いて本日のピアノ練習はおしまいになってしまった。

だというのに、いつもの練習以上にどっぷりとピアノに触れたような気分になれたのは、やはりセミナーのおかげだろうか。

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本日の試し弾きまたは期間限定練習
●ハッピーバースデー変奏曲(期間限定)
弾きこみ段階。こうなったらミスした際にどうリカバリするか、考えようなんて思ってしまう自分の甘さに・・・更に憂鬱。(だ、だって翌日はこの曲を親の前で弾こうと思っているから)

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本日の息抜きタイム(メイン練習の合間に息抜きを)
●ヒナステラ アルゼンチン舞曲から #02
02粋な娘の踊り:ハッピーバースデー変奏曲で憂鬱になった気分もこちらで復帰。テンポを落とし気味であればそこそこ弾けるようになってきた。よしよしこの調子で練習だ。






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Last updated  Aug 29, 2005 12:59:27 PM
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