新華タイムズ(中国新華社日本語情報)によると、
青海省などを原産とする冬虫夏草の価格は近年、急激に値上がりし、３０年前の１０００倍以上にまで跳ね上がった。業界関係者は急速な経済発展に伴う滋養剤ブームが、限りある冬虫夏草の価格上昇を助長していると見ている。
冬虫夏草とは、チベット自治区や青海省の海抜３０００～５０００メートル地帯にのみ自生するチベット高原独自の有名薬材だ。
現在、市場で取引されている中級の冬虫夏草５００グラム（およそ１５００本）の平均価格は３５００元前後で、２００６年同期に比べ、３～４割も値上がりしている。冬虫夏草専門店オーナーの王さんは「生活レベルの向上に伴い、人々の健康に対する関心は高まり、滋養剤ブームを引き起こしている。こうしたブームが冬虫夏草の価格上昇を招いている」という。だが、冬虫夏草はその量に限りがあるため、今後も値段はさらに上昇すると見られ、問題となっている。
冬虫夏草の価格は年々値上がりしていると話す同氏。１９７０年代は国が１０００グラム当たり２１元で買い上げていた。価格が上昇し始めたのは１９９０年以降という。特に２００６年１２月以降は価格が３～４割も値上がりし、わずか１ヶ月足らずで１万元以上に跳ね上がった。これは、春節（旧正月）の到来を控え、高級贈答品として冬虫夏草の人気が高まったことによる。
広東省・広州黄埔税関のまとめによると、２００６年に広州港から輸出された冬虫夏草は量・価格ともに増加し、１キログラム当たりの平均輸出価格は５０００ドルに達していたという。
巨大な消費市場の影に、冬虫夏草の資源は激減している。業界関係者は、冬虫夏草の開発や保護を重点的に行い、採取、供給、販売の各分野における管理を強化し、資源の持続可能な利用を実現しなければならないと訴えている。
（編集翻訳 西山奈央子）
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冬虫夏草は、万病に効果のある「妙薬」として伝えられているだけに、中国医学の専門家は「現在の高騰ぶりは、その価値をはるかに超えたものだ」として、消費者に理性的な対応を呼びかけている。
このブログでも伝えた(８月３１日記事)が、今年７月には、四川省の村で冬虫夏草をめぐり、チベット族同士の大規模な衝突が起き、死傷者が出たとの情報もある。
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