想定外 8
根掛かり状態は解消されず,仕方なくラインを切断。リールさえ正常なら,ストッパーをONにして無理に引っ張り,細いハリスだけを犠牲にして仕掛け本体を守ることができるのだが,今回はそれがままならない。この日は浮き下をこまめに調整するとちょっと深くしただけで根掛かりしてしまい,ラインごとカットを何度か繰り返したので,消耗が激しかった。浮き・コマセ袋・仕掛け・オモリをセットで失うのだから堪らない。予備の浮きをすべて使い果たし,とうとう最後の1つになってしまった。それでも一縷の望みをつないで,セットし直す。どうせ時間が分からないのだから,トコトン粘ってみようと思った。いつの間にか陽は高くなり,防寒着を着こんだままでは暑くさえ感じられるように。「ヤバイな。まさかこの時期にスズメバチが来たりはしないだろうな・・・」悪い予感は的中。コマセブロックの袋に,黄色い悪魔が飛来!コマセのオキアミを狙ってスズメバチがやってくることは以前の釣行記にも書いたが,夏場に限られていた。それでも,いつもならツールボックスにハチ用の殺虫スプレーをしのばせてあるのだが,今回はナシ。海釣り用の準備をしていたとき,何年か前に購入したスプレーが出てきたのだが,なぜか中身が空っぽになっていた。10月ならなくてもダイジョーブだろうと高をくくったのが失敗だった。ちなみに,このとき,カートやリールも一通りチェックしたのだが・・・。追い払おうとしたら,コマセが付着した防寒着を狙ってくる。こいつら,ヘタに逆らうと命さえ危ない。完全に戦意喪失。そそくさと荷物をまとめ退散。帰りも,以前の2倍くらいの労力を要した。車に戻って時計を見たら,午前9時半。スズメバチさえ来なかったら,もう少し粘れたのに・・・。久しぶりとはいえ,たった1回の釣行でこれほどまでに想定外のトラブルに見舞われたケースは前例がない。出会い頭のイナダとヒラメがgetできなかったら,悲惨極まりないことになっていただろう。次回に捲土重来を期す!とはいうものの,フェンスと有刺鉄線の存在は重い・・・。