シンセン湾には大規模な工業地区や、小規模な工場などがたくさんあります。
ここシンセンの海岸沿いは港湾地区もあれば風光明媚な海岸もあり、多くの海水浴場があります。
　近年、一部の海水浴場では近くの市街地から排水される河川による汚染で、海水浴ができなくなっているところもあります。
　ひどいところは、海水につかると体の皮膚が赤くなったり、かゆみがでたり、明らかに海水が何らかの汚染物質で汚れ、人体に影響がでています。よってこれら市街地からの河川の河口に近い海水浴場は客が来なくなり、食堂や、海の家は閑古鳥が鳴いています。
　シンセンでは有名な海水浴場があり、小梅沙、大梅沙などホテルや、海の家、レストラン、マンションなどがひしめき、シーズンではイモ荒い海岸になるほどです。道路は渋滞し、海岸では座るところを確保するのも大変です。
　このような海岸沿いに工業地帯もあるため、工場等から流れ出る汚水の排水が環境局から禁止されているようで、その対策として海岸から３９ｋｍも沖合いまで排水管を１０億元かけて敷き設して、深海海底に汚水を流す計画です。この地点は香港海域から２０ｋｍのところです。

　私の疑問は海岸近くで工業汚水を海へ垂れ流すことに関しては良いのですが、なぜ１０億元（約１２０億円）もかけてわざわざ海の底へ汚水を流すのか不思議でなりません。
　本来ならばどこかに汚水の処理場を作りそこで無害化した排水を海へ放流するのであれば納得するのですが海岸沿いへの環境汚染を避ける為遠洋海底へ流す発想が理解できません。

　汚水を適切に処理して排泄するとのことですが、きちんと処理したのなら何も海岸から３９ｋｍも離れた場所に流す必要は無いと思いますね。
　これだけ離れていれば無処理の汚染水を流しても誰も気づきませんし当面は薄まり環境汚染による被害はありませんが地球環境を汚すことには変わりまりません。

　広州には大きな珠江があります。この川は広州からシンセンへかけては川幅が数キロになり且つ、水流も多い為今まで工場廃水や家庭排水が未処理で排出されてきましたがすぐには影響が出ませんでした。
　しかし、長年にかけて汚染され香港近くでも重金属汚染は深刻です。
広州では浄化を進めており多少は改善されていますが、まだまだすべての市内の下水処理を行わない限り改善はできないでしょう。

　シンセンの遠洋海底への投棄など実現しないことを祈るばかりですね。