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2002.07.31
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気になる
 5月11日 
 義父は、呼びかけてもわからないみたいだ。痰がからんで呼吸が苦しそうになるたびに看護婦さんに来てもらうが、「○○さん。痰をとります。ごめんなさいね」と声をかけてから痰の吸引をするのが、本人はもう痰がたまっているということも、チューヴを突っ込まれているということも、わからないようだ。鳩尾ぐらいまでチューヴを入れられるのは、意識があったら苦しいだろう。見ているのが辛い。
 昼前、母は私のために巻きスシを持って来て、言った。「胸を開いて、肺の方へ入った牛乳を調べはるねんて」「誰が、言うてはるのん」「お医者さんが言うてはった」「そんなことしはれへんわ」
 看護婦さんに注意されていたのに、自分が勝手に牛乳を飲ませたために苦しがっているのだと、ずっと気になっているのだ。誤飲した牛乳も吸出しているのなら、チューヴは肺まで達しているのか? 痰とり容器には、赤黒いものが半分ぐらい入っている。母は、容器の中の液体の成分を推測する。
「赤いのは血やなあ。チューブが、のど傷つけてんわ。黒いのは、ススやと思うわ。70年余り、タバコ吸うててんもんな」
 母の家は、新築で入ってまだ15年だが、壁も天井も襖も、煙草のケムリで黒くススボケている。玄関入った正面の壁は、掛けた額の下だけ白い。「タバコも私が無理に飲ましたん違うよ。牛乳かて、私がコップに入れようとしてたら手ェ伸ばしてひったくるようして自分で飲んでんから…」
 ベッドに寝ているのに、ずいぶん長い手だ。
「レントゲンかけても、牛乳は写れへんもんな」
 家にいても、自分の失敗に自分で言い訳したり慰めたりしていたのだろう。
「牛乳は、もう大方吸出しはったから、心配せんでもええて」
「そうやろか?」
2002/07/31 21:32:04

忘れて…
 5月10日
 日記の日付がずれている。この前の『だんだん』は5月13日となっているが、6日ごろのことだ。10日の深夜に「危ない」と姪から電話があって、約43キロをクルマを飛ばした。昼間開いている駐車場は閉鎖されていて、どこから入るのか判らない。くるりと病院の周囲を一周して横手へ戻ったら、非常口らしいドアから女の人が出て来た。「ここから入れますか」「入れますよ」
 入ると守衛室があって、暗い廊下の向こうはロビーだった。椅子の一つに守衛さんが座っていた。東棟へは、どう行くのですかと訊いてみた。「あっちです」座ったまま、無愛想に返事する。仮眠していたのを起こしたのだろうか? まあ、病院で愛想の良い返事が戻ってくることはないだろうけど。
 病室には母が一人でいた。義父のベッドの横の椅子に腰掛けてベッドに凭れ、居眠っているのか泣いているのか祈っているのか、じっとしている。「朝、牛乳飲んだらまた肺の方へ入ってしもたんやて。そいで、息がでけへんようになった」
 3日前も水を誤飲して危なかったのだ。「お水をも飲ませてあげるのでも、必ず看護婦を呼んでください」と言われていたのに、忘れていたのだろう。しかし、急変するという容態でもなさそうだ。私がついているからと、夫に母を家まで送って貰うことにした。二人が出て行って五分もしてから夫だけが病室へ戻って来た。「家の鍵、忘れたんやて。出口まで行ってから言うねん」家まで行ってからでなくて良かった。


2002/07/31 20:20:42





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Last updated  2002.07.31 21:32:04
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