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カテゴリ:心配です
1ヶ月ほど前から歯が痛かった。きりきり痛いというのではなく、噛むと痛い。インプラントの歯の隣か、インプラントの歯が悪くなったのか判らない。インプラントは、時々専門の歯科医で点検と消毒をしなければ、黴菌が入るとタイヘンなことになるということだ。
私の住まいH市から30キロ圏内には、インプラントの専門医がいない。 電話帳で調べると、一番近くて約60キロ地点に1軒あった。シオに車で連れて行ってもらった。駅前で、ダイエーの前だというのに、歯科医院どころかスーパーも見当たらない。駅を通り越して2キロも行き、ターンしてゆっくり戻り、医院をみつけた。隣の家より石段5段も高い。客商売で道路から昇って入る店は流行らないというが、歯科医院はお店ではない、か。電話で「ある」と聞いた駐車場がない。東側の少し離れたところに大きな駐車場があった。フェンスに歯科医院の看板が貼り付けてあったので、車を入れた。 医院の歯科助手に「こっちの駐車場に入れました」と言うと、「違います。うちの駐車場はあっちです」と言った。「←駐車場はあっち」という看板ぐらい出しておけばいいのに。 診察を待っているお客は、中年の女の人が一人だけ。診察室から出て来た人と入れ替わりにその人が入って、20分も待った。食堂と医院は、空いているところはダメというが、予約制だったら空いているのか流行っているのかわからない。壁に貼った紙に、先生の名前が三人書いてあった。親子三代の歯医者らしい。 呼ばれて入った診療室には、先客はいなかった。若いドクターだった。部分と、歯全部のレントゲン写真を撮って、「奥の歯が割れています」と言った。 「こっち側、インプラントではないですか?」 「自分の歯ですよ」 インプラントの歯がいたんだのだと思っていた。毎日自分が管理している口の中でさえ、どの歯が本物か偽者かわからないのだから、パスワード忘れるぐらい当たり前か。 「抜きます」 被せて隣の歯とくっつけてある金属をガーガー切って、落ちた歯を見せてくれた。縦半分に割れていたけど、銀を被せた下の歯が、何故割れたのだろう? 血まみれだが白くてしっかりした歯に見える。先生は麻酔注射を3本打って、残った根っこをモギギと抜いた。すすぎ水が真っ赤だった。血止めの詰め物をして更に綿を噛ませ、「お風呂とアルコールはやめてください」とセンセイは言った。 「別の歯を入れていただくまで、どれくらいかかりますか」 「明日洗いに来て貰って、おわりです。傷が塞がって骨ができたら、インプラントが入れられるか検討してみましょう」 一番奥の歯を拵える技術はないみたいだ。 13年前インプラントをするまで、作った奥歯を手前の歯に繋げて固定してくれたセンセイがいた。何処のセンセイだったか忘れたけど、違和感が無くて使いよかった。 医院を出ると11時半。 「お寿司食べよか」とショータン。血止めの綿を噛みながら「食べられへん」と言う。最初気がつかなかったダイエーが斜め前にあった。道路から奥へ引っ込んでいるからわからなかったのだ。何を買うというのでもないが入る。ショータンはお造りと巻き寿司を籠に入れた。マツゲンの巻きよりだいぶ細くて60円も高い。私はふわふわのパンを入れた。 「いつまでも噛んでんと、綿ほかせや」 吐き出すとぼってり血を吸っている。ティッシュにくるんでゴミ箱へ捨てた。車の中で、まだ血の味がするので、カンゴフに貰った綿をまた噛んだ。 麻酔が切れて夕方痛み出したので、頓服を飲んだ。綿を替えても替えても、夜の9時過ぎまで血は止まらなかった。しっかり生きていた歯だったんだ。割れたのをくっつけることは出来なかったのだろうか? なんだか、空いていた歯医者だったなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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