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カテゴリ:コラム・えっせい
和歌山の三段壁の土産物屋の前を素通りしようとしたら、「飲んで行ってください」とオヤジさんが湯のみを差し出した。お茶と思ったら梅昆布茶だった。横からおばさんが、「これも食べてみてください」と、なにやらお箸で挟んで出す。掌に乗せてもらって食べた、割と美味しかった。
となると、素通りするわけに行かない。店の中へ入った。お土産は、ホテルでも何処の店でも同じだ。ホテルで買えば一割り引きだしナーと考えていたら、察したのか「一割引かせていただきます」 じゃあと、試食したホタテとスジコの佃煮を買うことにした。裏の家へのお土産とうちの分と二つ。 「商売じょうずやなあ」 翌日、裏の家へ持って行った。お酒の好きそうなムコどのが、「ありがとうございます」と嬉しそうに受け取った。 さて、袋から出してみると、なんだかカチンコンとしている。長い長いこと冷凍してあった感じ。食べても固い。 三日でイヤのなって、小瓶に出したのも冷蔵庫に入れたまま。一週間ほどして「そやそや」と出して食べた、前よりもっと固くなっていた。色もなんだか悪い。やっぱり古いやつやってんな。 また冷蔵庫に仕舞って、数日して出したらうす黒くなっていた。 で、とうとうゴミ袋へ。何年前の佃煮や? 昨年か? 一昨年か? いやいや、きっと三年前の佃煮だったに違いない。 裏の家のムコドノは、食べたかなあ。捨てたかなあ。お土産はやっぱり、貰った方が困るよな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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