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カテゴリ:コラム・えっせい
マナイタに直撃された足の親指。朝薬を貼り替えるときかなり腫れていたから、薬をきれいに拭き取らずに重ね付けで包帯した。
夜、包帯のままお風呂に入った。右足を浴槽の向こう端へ突っ張って、左足を乗せた。お湯の上に包帯巻いた足先が出ている。 思えばケガするのはいつも左足だ。身体の左側を怪我するのは、ご先祖さんの祀り方が悪いからだという。右側は、自分の心がけが悪いそうだ。 ご先祖さんといっても大勢あるから----と考えて、ハタと気が付いた。4年前子供の無い叔父が死んだとき新しくお墓を建てて、祖父母と戦死した叔父の名前も一緒に刻んだ。五輪塔にしなければならない程昔に死んだ人達だけど、九州にあるというお墓はとっくに無縁墓になっているし、賑やかな方がいいだろうと戒名を並べた。 その時、父の戒名は刻まなかった。父のお墓は大阪にある。でも25年お参りしていない。「そうや。お父さんだけ除け者にしてるわ」 左足は、外反母趾の手術して失敗で、曲がり難くなった。膝は、関節が磨り減ったから骨髄液移植で軟骨を作る"アメリカ式最新手術”をして貰って、やっぱり曲がらなくなった。まだある。産まれて6ヶ月目に左大腿骨骨折し、病院の治療で危うくビッコになるところだった。 骨折している腿に木切れを括りつけてあるだけでなんの治療もせず、ハダカでベッドに転がされていたのを、「かわいそう」と祖母が抱いて帰り、柔道の先生に「エイッ」と繋いで貰ったから正常になったのだそうだ。もっとも、生後6ヶ月でご先祖さんを祀るなんて人はまずないだろうけど。この治療の後遺症が”夜尿症”で、小学校五年まで時々失敗した。 「お父さんのお墓、お参りしてこんならんなあ」 としみじみ…… と思っただけで、いつ行こうという気もない。 ご先祖さんをきちんと祀っているのに左側の怪我ばかりするという人、いたら教えて------ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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