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カテゴリ:事故
大晦日の午後。門の外に置いていた大きな“金のなる木”の太い幹が霜で曲がっているので、玄関ドアのところまで移動させようと思った。大阪の母の家のベランダで15年も元気でいたのに、こちらはだいぶ寒いのだろう。
瀬戸焼きの植木鉢は、いやに重かった。一歩横へ右足を出した時、左脚が溝蓋の角に引っかかった。アッ。横ざまに、ドッテーンと転んだ。回転レシーブ。道路の方を向いて両足の先が上がっている。鉢は、私の頭の右上で横になっている。 コタツの前の座椅子から立つときより素早く立ち上がった。なんて重たいんだ? 此処へ置いたのは私だけど。どこも打ってないか? 腰。肩。…頭は、いつも打たないようにうまく転ぶ。……大丈夫みたいだ。見ると、金のなる木は根こそぎ鉢の外へ飛び出している。よっぽど底を強く叩いたようだけど、鉢は割れていない。木を鉢に植え直してもう一度、慎重に鉢を持って20センチ上がって庭へ入り、もう20センチ高い玄関ポーチまで運んだ。 あ? 右足の親指が少し痛いようだ。 門扉の外に折れた幹や葉っぱが散乱したけど、そのままにして家へ入った。台風で鉢が転んでも割れても触ったことのないショータンは、大晦日でもテレビのお守りしかしない。 「いま、大きな植木鉢持って転んだ」 「ケガしたんか?」 「足の先に鉢落としたみたい」 「救急病院へ行くか?」 うちには世界一の家伝薬があるのに、ショータンは病院が一番だと思っている。 「うちの薬つけとく」 親指は、見たところ大したことはなさそうだった。薬を綿花に伸ばして巻きつけ、ラップで覆って包帯した。 そのあと、煮しめ造り。夕飯前にお風呂に入って新しい薬をつけた。 夜中。足の小指が痛いような気がしたけど、朝までなにもせず寝ていた。 元旦。御節料理とお酒とお雑煮で新年を祝い、さて薬を取り換えようと包帯を取ってみてびっくりした。親指が真ん丸に腫れて、指の付け根が黒くなっていた。やっぱり鉢は足の上に落としたのだ。最近はよく転ぶ。転倒虫になったんだ。転んだ時は(これからはもっと注意しよう)と思うのだけど、そんなに注意して暮らしてはいない。 昼過ぎてから、小指がじわじわと痛くなってきた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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