genki’s room

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• 趣味のひと

  ２０日の朝。「降る降るいうて、ちっとも降れへん」　と言ったら、「降ったやないか、ゆうべ」とショータンは目を三角にした。「へええ。何時ごろ？」「夜中。１時半ごろ」　１時半はまだ起きていた。三時前に２階へ行くとき階段の窓が開いていたので閉めたけど、雨はまだ降っていなかった。「あんなにばしゃばしゃいうてたのに、知らんのん!? そこらの窓、おれがみな閉めてんで」　おかしいなあ。ショータン寝ぼけてたのか？　「外、見てみいな。濡れてるやろ」　濡れている。細い雨が降っていた。　で、一日雨なのだと思っていたのに、２０日の昼間は傘要らずの天気。夕方に鉢の花にだけ水をやった。２１日の午前２時。　少し降っているらしい、優しい雨の音がしていた。　　一日、雨。うちの塀の角に、赤いノウゼンカツラがかたまって咲いた。雨に濡れている写真を撮った。パソコンに取り入れたけど、あんまり雨の雫は見えない。150枚も写真が溜まっていたので、整理に４時間かけた。まだおわらない。yahoo のHP更新したいけど、もう時間がない。なのに、趣味人倶楽部（しゅみっと・くらぶ）というサイトにまた参加してしまった。キョロ(・・ Ｕ三Ｕ　・・)キョロ　(＿△＿;)ウゲ! (＿□＿;)グハ!どうする？２２日の午前２時。雨。-----------

  2008.06.22

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• 暑い日

  　暑い。あついあついアツイ。　東西南北の開口部を開けても、風が無いから暑い。扇風機が要る。　一つ、階段下の物入れにあるけど、一番奥の隅だから、出すことを考えただけで暑い。クーラーは電気代が勿体無いから、真夏に１日数時間しか使わない。「山へとりに行くか？」　山菜ではない。うちの扇風機はみんな山の小屋に仕舞ってある。物入れから出すよりはその方が楽だ。運転するのはショータンだし。　山の小屋へ行った。　梅のおじさんがまだ草刈していないから、うば百合が10本、大きな蕾を付けていた。ほたるぶくろも咲いていた。小梅の徒長枝を切ったり、入り口前の草を毟ったり。扇風機を４台、軽トラに積んだ。運転以外には、ショータンはカミクズを燃やすだけの用事。　ショータンが車を下の道端へ持って行っている間、燃やす紙くずの小さな山をひょいと見ると、見覚えのある青い封筒が二つ乗っている。（え？）　拾ってみた。やっぱり市役所からの封書。大阪の家へ留守の間に来ていて、昨日わざわざ郵便局へ貰いに行った老人無料パスだ。電車かタクシー券を毎年５千円分くれるのだが、今年はハシモト知事がけちったお陰で３千円分になった。助手席の座布団の下に置いてたのに。　ショータンが坂を上って来た。「なんで、これほかしたん？」「燃やすねん」「まだ中身入ってるのに」「なんで、出しとけへんねん」　あとで……というのはショータンには通らない。中身を出してバッグにしまった。　扇風機、１台はキッチンに。１台はリビングに。１台は応接室に。１台は、私の部屋へ持って行こうと階段の上がり口に置いた。　夜、持ってあがろうと思ったら無い。持ってあがってくれたんや。ショータン気がきくゥ。二階へあがったけど、私の部屋にはない。　？？　ショータンの部屋にちゃんと置いてあった。クーラーがあるのに。　私のはやっぱり、階段下の物入れから出さないと……　　

  2008.06.19

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• やれんで

  　怖いといえば------　昨日の溝掃除のときですが、鉄製の溝蓋をめくって溝の縁に置いていたんです。ズラッと並べて、こう、べたべたと。　Ｔさんの奥さんが自転車を押して来たと思しめせ。　自転車を置いて、「お父さん」と呼びました。　手振りで、自転車を溝の向こうへやってくれと言うんです。歯茎出して笑いながら。　なに言うてんねん!?　そんなもん、持ち上げてひょいと溝を跨いだらしまいやん。　アホかいな。他人が見てるから甘えてんのんかいな。　　　　　　アホや。　お父さんはスコップを置いて、自転車を道路の方へ移動させてやりました。ショータンだったら、「勝手に行けや」と言うところです。私はそんなこと言わせませんよ。勝手にやりますから。　　子供は中学生と５年生ぐらいで、４７、８かなあ歳。例のおシャベリおばはんです。バカブスガフフの飼い主です。　いや、こんなママが子供育てているのって、コワイと思いませんか？　こないだの歩行者天国のbaka、宿題はみんな親にやって貰っていたそうです。

  2008.06.16

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• 凡てのことは人次第

  　ブログ族の[災害への関心]は、びっくりするほど低い。　今日、町内の溝掃除だったけど、「ここの堤防が切れたらイチコロですね」と話していた。　地元人だという隣りの人によると、「堤防が出来るまではよく水害があって、一度７メートルも高い国道まで浸水し、船で学童を運んだ」ということだ。　家を買うとき、全然気にしてなかったが、ここは活断層が走っているそうだ。延命装置を付けられて死ぬのも困るけど、泥水に呑まれて------泥水を飲んでというか----死ぬのもイヤだ。　といって、対策は別にない。死ぬまで災害には遭わないと思っているしかない。　寺田虎彦は、「被害は、減らすも増やすも人間次第だ」と言った。岩手・宮城の地震被害は、まさしくそのようだ。ずたずたの道、落ちる道。土石流を防ぐ工事をしていた作業員が、土石流にやられた。べしゃんこになった宿屋は、一組だけのお客が生き埋めになった。　来月、福島までの旅行を決めているけど、災害とぶつかったらオワリだなとふと思う。天災でなくても、火事もあるし人殺しも走っている。心配したらきりがない。　今日は被害者の数がかなり増えた。昨日の「判らない報道」は、何の為だったのか……

  2008.06.15

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• から騒ぎ

  　午前中、テレビ局は各社一斉に「地震ニュース」でした。　同じものをみんなでやる必要はないでしょうに。重大ニュースなら、NHKに任せておけばいいのです。　民放の社長（か？）、出しゃばってイヤらしですいね。　いくら延々とやっても、「地震の大きさマグニチュード６強、死んだ人二人」でした。　夕方になって、「震度7.2。死亡3人」と訂正されましたけど、朝日放送は24時のニュースでもまだ「マグニチュード６」のままでした。判らないのなら、やめておかなければいけません。首相が救助の指揮を採っていたそうですが、県の知事や自衛隊のエライさんがすればいいのではないでしょうか？　　それにしても、地震にびっくりして外へ飛び出し、通りかかった車に跳ねられて死ぬなんて、運の悪い人もいたものです。この先大勢の人に、いつまでも語り継がれることでしょう。　　とにかく、よその国の地震被害救済どころではないのではありませんか？　車離れが進むのに道路造りの思案ばっかりしてないで、災害に潰れない住宅や土地の補強や開発をすべきです。ぼんやりしてると、また台風や地震がきて、いろいろと潰れますよ。新潟や東京、ご用心ご用心ですよ。　

  2008.06.14

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• 鳥の子

  　朝。庭にいると、すごい爆音がした。　セスナ機が２機、低空を飛んでいる。後から３機並んで来て、その後ろにまた２機。自衛隊の練習か？　慌ててデジカメを取りに家へ入り、出てくると、北へ方向を変えて、後ろの２機が小さくなるところ。（なーんや）　昼前。庭にいるとサギの子が「キチキチキチ、キチキチキチ」と啼いて飛んで来た。後ろから３羽。そのまた後ろから２羽……、鷺編隊だ。飛行機の真似。殿（しんがり）は雀。デジカメを取りに入る間もなく、何処かへ行った。鳥の子も遊ぶんだ。　昨日は４羽でカラスを追いかけていた。その時も、後ろからスズメが付いて行った。　人間が真似るのは、いじめ。詐欺。自殺。親殺し。子殺し。　

  2008.06.13

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• それより先に

  　このところ、ずーっとレンタル掲示板の整理をしている。　Ｈコメントを消そうとしたら「メールアドレスとパスワード」を要求される。とっくにオフにしたメールアドレスを書いたってこっちへ着きっこない。メールアドレスを変えようと思ったら、それより先にログインが必要になる。ログインしたいのに、パスワードが違うと言う。　　　毎日、いろんな事件がある。　遊歩道殺傷事件の犯人（半人）は、近年一番のバカだ。「誰でもいい。殺したかった」なんて、なんだ？　折角のことなのに、悪いヤツに的を絞って、誰かが「そらみろ」と言うとか拍手してくれるとかのニンゲンをやっつければいいのに。まあ、いいことをしようと思ってやったんじゃないから、「いいのに」はないわなあ。　親が可哀想。でも、オヤの育て方、かなり悪かったようだ。　こんなハンニンでも、また精神鑑定するんだろうな。責任能力があったとかなかったとか……。やったことが悪かったら、悪者に間違いないのだけど。　こういうタイプのニンゲンが増えているのは、日本の教育制度が悪いからだ。それの改善も出来ないで、首相問責だ無視だ解散だ総辞職だそれがどうした、などと遊んでいる。それより先にあれをやるべきだ。あれをやるには先にこっちから……。　政治家に、世の中が良くなるようなことなにか、出来るのだろうか？　　こんなところへ、諸悪の根源 狐is me が出て来てなにか言ってたけど、むかつくねえ。

  2008.06.11

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• ちーがいました、ちーがいました

  　狐is me さんがやった”改革”は、改悪だった。「人件費が浮く、諸経費が不要になる、消費税が取れる」なんて強引に民間へ押し付けた郵政事業は、消費税が取れるどころか赤字で四苦八苦ということだ。最初から判っていたのに。　老人医療問題も、あの人の所為でブーイングの嵐。大体、老人にかかる医療費は、1/3（1/2か）は医者の不正請求だろうに、医者からの請求方法を速やかに変えればびっくりする程少なくなる筈だ。なる！　「７６歳以上は早くくたばれ」方針にしたのに、延命装置はまだ使っているそうだ。あの延命装置の発明は、最悪だった。　「低所得者は健康保険料が割安になる、なっている」とますぞえさんはきっぱり言っていたけど、割安になっていたのは高所得者だった。「７６歳以上は早くくたばれ」ではなくて、正確には「貧乏な７６歳以上は早くくたばれ」なんだ。それなら黙って、７６歳以上には全然効かない薬を渡せばいいのに。　とにかく、健康保険をいじくっているyatu全員新人と総入れ替えしないとねえ。　昔、「違いました違いました、舟のかげ」というあそびがあったっけ。遊びなら、何度でも簡単にやり直せるけど。　　

  2008.06.05

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• ボ－シのカス

  　昨年、五つ帽子を作った。どれもいまいちだったので、一昨日帽子を買いに行った。　デザインはいろいろあるけれど、みんなぶかぶか。女は髪を結ったりふくらましたりするので、わざと大きめに作ってあるらしい。　最近の女性は髪など結ってない。帽子メーカーは、女性のヘア・スタイルを見ないで作っているのか。　結局、また自分で作ることにして、買わなかった。　一昨日裁断して縫いかけたのは昨日出来た。------後ろ前に被ればかっこいい。　昨日縫い始めたのは今日完成した。-------まあ、こんなもんか。　今日、三つめのを作った。部屋中、糸くずキレ屑だらけ。糸くずは簡単に作れる。　今日は寒くてソックスを穿いている。糸くず裁ちくずをソックスにくっ付けて、家中に落として歩いた。。　ショータンが叫んでいる。「ボーシのカス、撒いてんのかぁああ!?」-----------------------------------------------------　この記事アップしたのに表示しない。もう一度送信し直します。

  2008.06.03

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• ヒトのフリ

  　地下鉄の電車に乗った。　前の座席に年配の婦人が腰掛けていた。　花柄、フリフリのワンピース。地色がグレーがかったベージュ、花模様は茶色。スカートの左側がお尻の下にたくし込まれて、裾ラインがひどく曲がっている。ヒール５センチぐらいの靴。膝に置いた黒い大きなカバンを抑えている手の中指と薬指に指輪が。　髪は栗色に染めて、きちんとセットしてある。何故こんなに詳しく観察できたかというと、やや俯いて目を閉じていたから。何故観察したかというと、眉間に太い縦皺がくっきり三本あったからだ。洋服より靴より、眉間の縦皺が目立っていた。よっぽど不満のある生活をしているのに違いない。( >_o

  2008.06.02

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• もうちょっと

  　２５日の日記「勝手にセンデン」に、このページのヘンなコマーシャルのことを書いたら、翌日だったか、「包茎」も「わきが」も消えていた。あの包茎の写真は面白かったのに。　　日本のテレビ・コマーシャルは、なんでああ面白くないのだろうか。　私が作ったら、こうなる。　保険　　おばあさんが、受話器を持って話している。　　おば「３０００円では、ムリですか？」　保険会社の女社員「２８００円でもＯＫですよ。人生完了祝い金２００万円をお付け致しますと、月々の掛　　け金は、３８８０円です」おば「えー？　３８８０円もォ？」　おばあさん、受話器をボトンと落として倒れ、死ぬ。社員「大丈夫ですか？　もしもし？　もしもし？　もしもーし」　おばあさん動かない。画面下にテロップが流れる。「一日でもお早いご加入を、お待ちしております」　家　若い男性と女性と子供３人が踊り（ニュー・ダンス）ながら、青年の前を通り過ぎる。「あったかハイムが待ってるよ…」　少し見送って、青年も５人の後をついて行く。阿波踊りをしながら。　　　　　

  2008.06.01

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• ご苦労さん

  　トップ中央にあるリンク画面の「これでいいのか」、メールアドレスがダメになった時から更新していなかった。長いこと放っていたのでログインできなくなって、「関西ドットコム」に４本メールを送ってようよう復活できた。　で、早速「料亭・吉兆」のことを書いたら、おニャンキーさんも吉兆話題だった。　まるで違う見解。できごとに対するヒトの感じ方とは、面白いものだ。　ついでに、その上の「歌・思い出」も更新した。　　行きつけの美容師さんが言っていたけど、「パソコンは他人のホームページを覗いて回っているだけ」だそうだ。「それはご苦労さんなことですね」「え？　ホームペジ作ってはるヒトの方が、ご苦労さんですよ」

  2008.05.30

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• なんでも偽装時代

  　マルキン醤油というのは、かなり古くからあるように思う。　最近気がついたのだが、この醤油、妙にだだ辛い。色の付いた塩水みたい……と思うのは私だけだろうか？　キッコーマンはブランド醤油だけど、「濃い口」が薄口みたいな色の時がある。「薄口」を半年ぐらい掛かって使っていると、見た目「濃い口」になる。　それで、地醤油の高いのを買ってみた。１リットル４８０円の和歌山は田辺の「美味」という名の醸造醤油。まず、マルキン醤油とはニオイが違う。しかし、醤油のいいニオイとはまたちょっと違うような。舐めてみた。味が付いている。仕上がった味というより、普通の醤油に後でアジを付けたような感じ。　お漬物や大根おろしに掛けると美味しいことは美味しい。しかし、偽装醸造の感じもする。で、私も美味醤油を作ってみた。安いマルキンに味の素を入れ、砂糖を少々。舐めた。あっ。変らないじゃないの。高い「美味醤油」と。（これは高い醤油やで）と思って使うことにしよう。　　

  2008.05.27

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• おばあさん

  　大阪では、お手玉のことをおじゃみという。どうしてか、理由は知らない。　おじゃみは頭の体操にいいらしいので、作ることにした。　昔、集団疎開でおじゃみが流行った。４、５人の子が家から持って来ていて、グループに分かれて遊んだ。おじゃみの中に入っているものはそれぞれ違っていて、お米、小豆、大豆、小石、籾殻、などあったが、小豆が一番使い良かった。　お米を入れても良かったけど、今年は堤防に草藤がいっぱい花を咲かせたので、あの種がよさそうだと思いついて、堤防へ採りに行った。　階段の無い急斜面を、「ヨイショ。ドッコイショ」と登った。　まだ花が咲いていて、実は青い。サヤが黒ずんで来ないと種も柔らかい。　向こうの方からおばあさんがゆっくり歩いて来るのが見えたけど、採り始めた。なにか採取していると必ず誰かに、なにをしているのかと訊ねられる。　おばあさんが近ずいて来た。「なにをしてはるんですか？」ほら。「これをおじゃみに入れようと思いまして……」「ああ。なるほど、それはいいかも知れませんねえ」「まだちょっと早いんですけど」「そうですね。まだ早いですね」　　ヒマそうな人だ。「どこから来られたんですか？」「私はあっちの坂の上から歩いて来たんですよ」「ああ。あの、寂しい所？」「いいえ。寂しいことはないですよ。おくさんは、この辺の人ですか」「私はすぐそこです。ここは10年前に大阪から越して来たんです」「ああよかった。私も９年前に大阪からこっちへ来たんですけどな、来んかったら良かったと思ってますねん。あそこは村の中で、いつまで経ってもヨソ者扱いですわ」「ああ。村の人は、大阪の人みたいなお付き合いは出来ませんわねえ」「そうです。難しいですよォ。私のそばで、平気で私の悪口言うんですよ」　９年住んで馴染めないとは、寂しい人だ。クサフジの種はまだ採るのは早いから、階段がある所まで話を聞いてあげることにして、一緒に歩き出した。　大阪で４０年余り既製服の卸問屋をしていて、年を取ったから田舎でのんびり暮らそうと思ったのだと言うことだった。「あんまり山の中は困る、田んぼや畑があって駅に近い所をと不動産屋さんに言うて、探して貰って、小さな家を買いましてん」「お嫁さんと暮らしてはるんですか？」「いいえ。私は１人。１人で暮らしてます」「私の母は大阪で、１人暮らしです。９６歳」「そうですか。私は８４歳です」　結婚したとか別れたとか死なれたとかは言わないから、ずっと１人の人なのだろう。「大阪は介護施設が多いので、１人でも安心でしょう」「毎日、１時間来て貰ってます。お掃除や買い物してくれる人に」「けど、高くつくんでしょう？」「いいえ。年金から払える程度です」「そうですか。私は他人さんに家の中ごそごそされるのキライですから、身体が動けんようになったら、ケア病院へでも入ろうと考えてますねん」「でも、早くから申し込んどかないと、急には入れませんよ」「トモダチが、神戸に知った施設があるから一緒に行こう、言うてますねん」「保証金が高いんでしょう？」「あるだけ持って来てください、いうんです」「私の友達は、もう３５年ほど前ですけど、保証金３００万円のホームへ入って、３ヶ月めにベッドから落ちて死にました」「それねえ、お金全部渡してしもたら、半年以内に死ぬそうですよ」「そうらしいですねえ。守口の駅前のホームは、入居金が６千万円で、死んだら家具全部ほかしておシマイです。入居する時に部屋の大きさに合わせて買うたま新しい家財でも。ホームは、保証金が無くならんうちに、死なされるということですよ」「ああ、死なはった人の家財道具ねえ。うちの近所にも山と積んで捨ててありましたわ。キレイな整理タンスとかテレビや冷蔵庫。市役所がトラックに積んで持って行きました」「家財なんにも無いのも寂しいですけど、まだ新しいのがほかされるのも寂しいですねえ」　　おばあさんは遠くから歩いて来たというのに、割と元気に歩いている。「どこも悪くはないんですか」「はい。今はね。ここへ来たとき、庭にセメン塗ってもうたら急にアシが痛くなって、布団抱えて『イターイ、イターイ』言うて３日泣いたんです。だーれも助けてくれませんでした。ぼつぼつ歩けるようになって、お医者さんへ行こと思うてこーんなのろのろ歩いてたらね、後ろで『ヨソモン、チンバになった』言うて笑うんですよ、近所の人」「へえ。そんなんですか」「お金さえ持ってたらええと思うてましたけど、お金持っててもあかんなあと此の頃つくずく思いますわ」　階段のところまで来た。「ではさよなら。話聞いてもらって、ありがとうございました」「はい。またお遭いしましょ」「お気をつけて」「おおきに。おタクさんも」　と別れた。　口やかましいショータンでもいる私は、あのおばあさんより少し幸せかなあ。　

  2008.05.26

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• 勝手にセンデン

  　ここのブログ、勝手にへんなコマーシャルが付いている。　女のアシ。男のアシ。　「包茎手術で悩みを吹っ飛ばす」-----　包茎で悩んでるヒト、多いのかなあ。　「わきがの悩みはもうさよなら」-----　わきがで悩んでるヒト、その辺にはいないけど。　この写真、なに？　ホッソイ曲がった脚。手かと思った。ミギヒダリ、長さが違う。　「包茎治療」の「包茎には三つのタイプがあります」に、面白い写真がある。

  2008.05.25

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• かじはにほへと

  　昨日、山の仕事場へ行った。　鶯があちこちで鳴く稽古をしていた。　すごーく上手なのがいた。カセットラジオは置いてあるけど、カセットの空テープが無いので録音しなかった。昨年の丁度今頃、長谷寺へ行ったら、バードウオッチングのグループが来ていて、鶯の声に録音機を向けていたなあ。あの長谷寺の鶯より山の鶯はずっと上手い。　小梅、今年は花が沢山咲いたのに、実は１２個しか無かった。やっぱり栄養失調らしい。　ほたるぶくろのピンク、紫、白を植えたのに、一本も無い。梅のおじさんが雑草と一緒にガーっと全部刈ってしまうからだ。　ウバ百合が前庭と上の斜面に十本ほど生えていた。　これも、花が咲く前に刈り捨てられてしまう。　　三時過ぎ、家の近くまで帰って来たとき、ショータンが「あれなに？」と言った。「どれ？」　アゴで指す方を見ると、川向こうの学文路（カムロ）の下辺りに黒い煙がもうもうとあった。「火事ちゃうか」「あ。火事やね。家燃えてるわ」「燃えてるな」「写真、撮りに行こか」「カメラ持ってるのん？」「ケイタイ電話で」　まっすぐ帰って来た。　２階へ上がったけど、コヤギ歯科医院の建物が邪魔をして見えなかった。以前は学文路寺までよく見えたのに。やっぱり３階増築しないとダメだな。　４０分も経ってから、火事のニオイが２階までして来た。まだ消えてないとしたら、全焼かなあ。　　-----------------------------------------------　　今朝の朝刊に、火事の記事が出ていた。　「午後三時ごろ、運転手岡本唯司さん（58）方付近から出火、木造２階建て住宅125平方メートルのうち、２階部分約60平方メートルが焼けた。次女（25）が煙を吸って病院に運ばれたが、命に別状はないという。橋本署が出火原因を調べている」　半分も焼けてなかったんだ。　付近から出火とは、どういうこと？　三時ごろは夕食の支度の時間ではないし。就寝中ではないオトナの女性が、なんで煙に巻かれたんだろう？　怪しい火事……「昨日の火事、なんかニオウね」「もうニオえへん」　

  2008.05.24

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• 点検後

  　２２日朝　昨日掃除してくれたおかげで、前の差し歯がポロリと落ちた。　マンションのエレベーター点検と同じだ。触らなければなんともないのに、かまうと必ずおかしくなる。飛行機の点検もそうみたいだけど。　まだ誰も来ていないドアを開けたばっかりの歯医者（コヤギ）へ行った。診察券を出したけど、水っ屁（水の中で屁）の受付嬢は長々と電話していた。「はい。----はい。------はい。-------はい」　小さな小さな声で、「はい」しか言わない。なんの電話？　やっと済んだ。「昨日お掃除して貰ったら、また落ちました」　ニッとして抜けた所を見せてやった。「予約の方が大勢おられますので、お待ちいただけますか」「はい」。　なんだ。予約の人は自分が誰の次か判らないのだから、一番に入れてくれてもいいだろうに。融通の利かないチョイバカっ子。　何番に挟んでも判らないのに、結局、予約の人が途切れるまで待たされた。　センセーは昨日のセンセ。　抜けた箇所を見て、「もしかしたら、土台が割れてるかも知れません」と言った。「これは、昨年の暮れにこちらで作って頂いたんです。昨日レントゲン撮ってもらいましたけど…」「ああ。そうですね。うーん。大丈夫みたいですね。これで付けておきます」　　差し歯をくっつけて、「このままで、暫くお待ちください」と向こうへ行った。貼り付けたのを、指で押さえていた。最初付けて貰ったとき、「このままで、暫くお待ちください」と言われたのでこのまま待ったら、翌日取れた。２度目、「このままで、暫くお待ちください」だったので言うとおりにしていたら５日目に取れた。３度目、「このままで、暫くお待ちください」と言ったけど指で押さえていた。３ヶ月保った。　センセーが戻って来て、「押さえなくていいです」と言った。たかが２年ほど医者やってて、自分の考え押し付けるんじゃねーよ。こっちは患者５０年やってるんだ。で、舌で押さえていた。　帰って、「予約の人が途切れるまで待たされた」とショータンに言った。「お前の好きな今度歯科は、おれが予約で待ってたのに、飛び入りを先に中へ入れた。それで、気が悪いから歯医者変えたんや」「予約なしの人は、痛い痛い痛いか、前歯が取れた人やもん、先にするのが当たり前やん」「そうか」「今度先生は６０歳ぐらいやもんね。患者が解ってはる。商売がわかってはる。学校出たてのセンセーはあかん」「そうかなあ」「そうや。カルテも見てへんねん。この歯、半年前に自分のとこで作った歯やいうのも解らんと、土台が割れてる、言うて…」「なかなか、安心出来る歯医者がないな」　掃いてほかすほどいたはずの歯医者、何処へ行ってしまったのだろう？

  2008.05.23

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• やっぱりか

  　２月に予約していた歯のクリーニングに行った。　５日前から調子の悪い歯が一本ある。　クリーニングに掛かる前に、歯科衛生士に言っておいた。「これですか？　これ？　ちょっと叩かしてもらっていいですか？」　断らなくてもいいよ。最近は何処へ行っても若い女も男も同じようなことを言う。　　「これ、お包みさしてもらっていいですか？」　　「ここ、掛けさしてもらっていいですか？」まあ、これはいいけど……　丁寧に磨いているつもりなのに、まだ「磨き足りませんネ」という。　１００人が１００人、そんなにキレイに磨いているのだろうか？　神経質なトモダチが、「歯槽膿漏」になったことがある。３０分ずつ１日４回磨いていた。「『どうして歯槽膿漏になったのですか？』と訊いたら、磨き過ぎで、エナメル質を剥がしてしまったせいだと言われた」ということだった。　何度聞いても完全には出来ない磨き方の指導をして貰ってから、先生が来た。「インプラントの隣の歯が痛いんです」　コンコンと叩いてみた。さすがセンセ、「叩かして貰っていいですか」とは言わなかった。「レントゲン撮ってみます」　「こちらへ」と助手に案内されたレントゲン室のものものしいこと。ここ10年ほど４軒の医院へ行ったけど、３軒は治療台に座らせたまま撮影していた。開業して２年経ったか経たないかの医院なのに、なんで？　資金の都合で、古い機械を入れたのか？　　放射線防護服を着せられ、ゴムみたいなものを噛んで、固定位置に顎を乗せて撮ってもらった。　治療台に戻って、出来上がったレントゲン写真の説明を聞いた。「このインプラントの根元に骨が出て来ています」　（え？　根元にホネ？）「まだ大丈夫ですけど、１５年前にされたものですから、そろそろやり直しの時期かも知れません」「えー？　一生使えると聞いて植えて貰ったんですけど」「歯茎の状態や手入れのよしあしで、やり直さなければならない人もあるんですよ」　（ほんまかいな）　昨年来た時、「上手なインプラントですねえ」と感心して見ていたのに。怖がってインプラントをして欲しいという人がほとんど無いもんだから、一度したヒトならやり直しもするだろうと踏んだんだな。植えた歯根のネモトに骨が出てるって、どういうこと？？　　どうも、怪しい歯医者だよ。やっぱりカネカネホシイシャか？　結局、「隣の歯は大丈夫です。きちんと磨いて、様子をみてください」だった。被せてあるプラチナを外されなくて良かったかも……　

  2008.05.21

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• 今日も…

  　廊下の、西の小窓のカフェ・カーテンが破れた。レースの模様のないところが、引っ張るとミシミシッと言って裂ける。西日ってスゴイ。　カフェ・カーテンは特殊模様なので普通のカーテンより高い。普通のカーテンを買って来て仕立てることにした。　ついでにあれもこれもと縫うものを出した。また部屋の中がいっぱい散らかった。　階下のトイレに置いてある文庫本が、面白い箇所になったので持って出て読んだ。　ロイ・ヴィカーズの、以前映画になった「二重像」という短編だ。１９５３年度の作品なのに面白い。　　夏の旅行のプランを３日がかりで立てた。福島まで、往復５日としたら、１日めが長距離だと運転手が文句を言うのでもう一泊増やした。　一軒ずつ予約を入れた。５日目の群馬県が予定した３軒とも満室だという。場所を変更。　今度は６日目のホテルまでの距離が長過ぎるという。　またホテル探しだ。　で、カーテンは全然縫ってないし、部屋は散らかったままだ。　忙しい忙しい。

  2008.05.19

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• 当たればバンザイ

  　いつも安いガソリンスタンドが、１リッタ１５５円になった。　いつも高いところと同じだ。　ショータンは私の軽トラで大阪の医院へ行って、「安いところをみつけたから」と満タンにして帰って来た。　用品雑貨の店が改装特価をやっていたので、ショータンの肌着やスニーカーを買った。　　今日、４人で共同生活している老人たちのドキュメントを見ていたら、１ヶ月の生活費が80万円だと言っていた。百万円で1年暮らさなきゃ------な。「75歳以上は中国産輸入食品を食べて、当たったら百万円あげます」ということにすればいいのに、ますぞえさん。　農家が田畑を遊ばしていたら、１ケ所につき10万円の罰金を取る。　天下り管理職はクビにして、空いた田畑で米や麦やサトウキビを作らせる。　これくらいやってよ、ハシシタさん。　

  2008.05.17

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• なんにち

  　いつも家伝薬を使っているＳさんから纏めての注文があった。宅急便の送料が勿体無いから家まで届けて欲しいという。私「今日は日曜日ですから、明日……」Ｓ「火曜日は、留守にします」私「はあ。水曜日は、うちの都合が悪いですわ」Ｓ「そしたら、１５日。午前中にお願いします」　ということだった。　水曜日の朝早く、大阪の家へ行ってクスリを注文の数だけ容器に入れて包装した。　急いだけど、11時20分にやっと出来た。　先方へ着いたのは11時39分。　閉まっていた。（まだ午前中やのに、なんで待たれへんのやろ）　持って来いだの何日だの何時だのと自分の都合ばっかり言って、もう２度と配達なんかするもんか！　　次の日、ショータンが、「持って行こうか」と言った。「行きません」「なんで？」「自分の都合ばっかり言うヤツに、ムリに使こて欲しいない。送料が惜しいいうて、配達料はどう思てんのん!?」　ショータンの車で行って貰ったらお昼は外食になる。でなければ、ガソリン代千円払うのだ。「１５日に、と言うてはったと思うで」「１５日は法事の予定やったけど、１２日に変更になったんです。Ｓさんは水曜日の午前中、言うてはってん」　今朝、「大阪のお医者はんへ行くから、あっちの家へ行くか」とショータンが言った。行けばいっぱい用事はある。水曜日に持って帰ったのを荷造りして発送してやるか、と車に乗せた。　なのにショータンは、Ｓさんの家まで行った。やっぱり閉まっていた。「何遍も来ることないのに」「おれが来てんねんから、お前が文句言うことないやろ」　大阪の家へ行ってショータンは電話を掛けた。「ああ。今帰って来はったんですか。え？　昨日待ってはりましたんか。済んまへん。ほな、今から行きますワ」「また行くのん!?」「おれが行けへんいうんやったら文句言うたらええねん。１５日やった、いうてはるやないか」「月曜日や火曜日や言うてたのに、なんで、１５日いうのん!? ウチは水曜日と聞いた」「強情やなあ。思い違いは誰でもするねん」　Ｓさんの家へ行った。「水曜日の午前中に来ましてん」「すいません。ややこしいこと言いまして」　Ｓさんはメモ帳を見て、「１５日午前中と書いてます」とにこにこして言った。　結局、ショータンにガソリン代５千円払った。　　　水曜日はナンニチ？　　

  2008.05.16

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• 経宴

  　２００８．５．１４　　　長生きの楽しみ　　義父の７回忌。　義父は長生きだったので、たった二人しかいない姪も足が悪くてもう来て貰えない。姉と私と、姉の娘だけが行くことになっていた。　予定の日、姉が都合悪くて、急遽日にち繰上げになった。　母の家へ行くと、姉が声を荒げて母に文句を言っていた。「いちいち指図し－な、言うてるやろ」「指図してへん」「してるワ。お茶淹れよと思たら『お茶淹れ』、雑巾持ったら『そこ、ちょっと拭き』、言うやん。一遍ずつ言わんでもええッ」「言うてへん」「言うてる。昔から言うてるねん。自分が言うてること、解れへんのん!?」「言うてへん」　姉は私を見て、「『お茶淹れて』と違うで。『お茶淹れ』『そこ拭き』やで。命令するねん。自分でけへんねんやったら威張らんでもええねん。ヘルパーさんが布巾洗ろてたら、『石鹸つけて、タワシでこすらなあきませんで』言うねんて。イヤがってはるねん」「へえ。こないだウチが布巾洗ろてたら、『そんなもん洗わんでええ』言うたよ。『なんで？』言うたら、『使い捨てや』て。なんで、布巾使い捨てにせんならんのん。おかしいこと言うわ」「そうやろ。そいで、ヘルパーさんにはタワシでこすれ、言うて……。言うことがころころころころ変るねん」　母は、私たちがなにを言っているのか唇の動きを真剣に見ていたが、やおら立ち上がって食器棚へ行き、引き出しから小箱を取り出した。補聴器のスペア電池だ。「電池なんか、関係ないねん」　電池を入れ替えている母を眺めながら、姉が言った。「こないだ補聴器屋さんへ連れて行ってんけど、いろいろテストしはったら『私はテストしてもらいに来たんと違います。ええ補聴器を買いに来たんです』言うねんで。『補聴器は壊れてません』言うて、売ってくれはれへんかった」「あかんのんは耳やろ？」「そうやん。耳が壊れてんねん。そいでも自分は普通や思うてんねん。介護の査定に来はった時もな、『なんでも出来ます、言うたらあかんで』言うといたのにな、賢こぶっていろいろ喋るねん。『聞こえません。わかりません』って言えへんねんよ。しっかりしてたら、毎日は来て貰われへんのに」　私が百貨店で買って来た特製饅頭の箱の包装紙を取って、「ご仏前」を乗せて仏壇へ持って行こうとした途端、「ホトケさんに供えて来て」と母は言った。　　お坊さんのお経が済んで、姉がお茶を淹れようと立ち上がったとき母は、賢ぶった顔で「キー子さん。お茶お出ししてや」と言った。「また命令するっ」　お坊さんが母の方に向き直ると、母はすぐに訊いた。「あの、洋裁してはったおばあさん、お元気でっか」「洋裁してはったおばあさん？」「なんて言わはりましたかなあ。ナカイさんでもなし」「カワカミさんですか」「いや。カワカミさんやないですわ。村のオハカのそばの……私より５つぐらい若いヒト」「アラキさんですか」「ああ。アラキさんアラキさん」「あそこの娘さんはまだお元気ですけどな」「おばあさんは？」「とうに死なはりました。娘さんが八十八ですよってに」「ほな、私より年上でしたんか、おばあさん」「九十四で死なはりました。もう、８年前です」「そうでっか。娘さんはまだ、洋裁してはりまっか」　何が訊きたいんだろう。親しく付き合いしていたのでもないそんな人のこと……「もうしてはりません」「そうでっか。おばあさん一人で育てはった娘さんやったのに、お嫁にも行かんと二人で暮らしてはりましたなあ」「いや。一遍嫁いて、後家さんになって戻ってはったんですわ」「そうでっか。ああ、そうでっか。わたしまた、ずっと嫁かずやと思てました」　それがどうしたんだ？　お坊さんがありがたい話を用意して来てる筈なのに、自分が惚けていないことを知ってもらいたいのだ。　経机のお供えを指差して、「そのお饅頭、分けて持って帰って貰いなさい」と私に命令した。　私が箱ごと持ってキッチンへ行くと、姉は「箱ごとがええ」と箱の蓋をセロテープで止めて、百貨店の袋へ入れた。１個150円もするお饅頭で12個だけど、まあいいか。　お饅頭の袋を持ってお坊さんが帰ったあと、母はキッチンへ来て自分の椅子に腰掛けた。「お饅頭、持って帰ってもうた？」「はい。全部」「全部？　えー？　なんで、全部渡すのん」「食べるんやったん？」「隣の人に二つ持って行ってもらおと思ててん」「そんなん貰うたら迷惑しはる。なんかお供えせんならんと気ィ使いはる」「マミとこのお舅さんにも５つほど持って行って貰らおと思うてた」「誰が持って行くのん？」「毎日会うのやろ？」「会えへん。お舅さんはＪ区。わたしとこはＴ市」「そう。なんや。折角持って来てくれたのに、全部あげたとは、惜しいことしたなあ。おじゅっさんにはお経料のほかにお車代お食事代と４万円も包んだのに」　ほんとだ。ボーズ丸もうけ。1個150円ものお饅頭、私も食べたことない。母　「あんたら、お寿司取って食べ」マミ「ハンパな時間やから、要りません」母　「あんた、食べるね」私　「食べへん」母　「食べ」私　「いらん」母　「折角来てくれたのになにも振舞わんかったら、私の立場ない」　お昼、私は保存赤飯チンして、姉はカップラーメンで済ました。内輪だけだから無駄はしないのだと思っていた。　　タイミングがずれたら、振舞いはなんの意味もない。「次は13回忌やから、私はおれへんよ」　言わなくても判ってる。あと6年もと言ったら、103歳じゃないの。楽しみにしていたらしい７回忌だけど、親類もみんないなくなって侘しい法要だ。お葬式は推して知るべしである。「それより、お母ちゃん晩のおかずあるのん？」　姉が訊いた。「ない」「明日の牛乳も無いやん」「そうお？」「買うて来とくわ」「別に、牛乳飲まんならんということはない」「晩御飯は？」「カップラーメンでも食べとく」「お寿司とって、残ったら晩に食べるつもりと違うのん？」　と、私が言った。「お寿司、買うてこうか？」「ほな、商店街の魚屋さんに安いお寿司売ってるから、買うて来て」「安いお寿司？」「巻き200円。鉄火240円」　いつも仕出しを頼むお寿司屋さんは、巻き寿司でも一本480円だ。上にぎりは1500円。　私はさっさと帰って来た。終戦の翌年死んだ私たちの父は、3回忌も7回忌も13回忌も37回忌もしてもらえなかった。　　やっぱり、お寿司は母が食べたかったのだ。みんなと一緒に。　　

  2008.05.14

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• ホシの湯。（うそ）ツキの湯

  　４月２１日　高山のホテル　　２階と９階に大浴場があるという。９階は展望と露天風呂で、「月の湯　星の湯」と案内してある。夕飯前だから、２階の浴場へ行った。　洗い場は畳敷きだった。前にテレビで見たことがある。（へええ。まあ、ハナシの種やわ）と入った。先客は２人。窓が無い。いや、窓はあるけど、景色がない。窓の外で水の落ちる音がしている。ただの水溜り。それだけのこと。　温泉場のお風呂は、山や海が見えなければいけない。　夕食は和食。　お客はかなり多い。テーブルの上に、一人前用のコンロが乗っている。お品書きを見た。　------飛騨牛しゃぶしゃぶ、とあった。ああ。ダメだ。折角の牛をダシガラにして食べるなんて……　次々と料理は運ばれて来るけど、しゃぶしゃぶが出来たころ満腹になった。　肉を食べていたら、焼き魚と煮物の鉢が出た。ご飯が来た時、ショータンは「これ、全然箸つけてませんから、下げてください」と焼き魚と煮物を返した。センバキッチョーでなくても、これは誰でも文句なく食べられる。ご飯は盛りきり一膳だけ。まあ、お櫃で出されても、お代わりはしないけど、むかし「ああそれなのに」の替え歌に、「一ぜェんめしとは情なや…♪」という兵隊さんの歌があった。　楽しみにしていた肉は、八割残した。　食堂にも窓が無かった。　テレビを観て、１０時半ごろ９階の「月の湯　星の湯」へ行った。外国人が大勢いた。脱衣場の衣類の脱ぎ方が日本人と違う。子供までが外国語を喋っていた。　露天風呂へ行った。１人、あとから入って来て、黙って私の横に浸かった。普通なら挨拶をしてちょっと話もするのだが、日本語が解らなそうだから黙っていた。上を見ても、月も星もない。もう１人来た。会釈して、斜め前に身体を沈めた。これは、日本人か、な？　中国人かな？「なんにも見えませんね」　と空を指差して言った。「ン？」という顔をした。「ムーン　エンド　スター　ナッシング」　二人ともにっこりした。　　

  2008.05.11

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• ダブルのお部屋

  ４月２１日　４月旅行記、最初の日のを書いて「続」にしたまま２週間も経ってしまった。　北陸中央自動車道を早めに降りたところまでだった。　高鷲で降りた途端、桜だ。あっちのもこっちにも。高山をよくご存知の人が教えてくださったのは、うそではなかった。景色を楽しみに旅に出たのに、カーナビはなんで、つまらない景色の所ばかり走らせるのだろう？　「ひるがの高原/お花畑」の看板があった。「ひるがの高原へ寄って」　とショータンに言った。高原のお花畑はまだ見たことがない。カーナビ嬢って、「この先約５００メートルを左です。その先右です」なんてことばっかり言って、全然情緒が無いんだから。まるで機械みたいなヤツだ。この辺りは高原が多い。冬はスキーのお客さんがいっぱい来るようだ。「あ。いまの矢印-----あっちへ曲がるんやて」　近くまで来たらゆっくり走らないと、矢印を見逃す。ショータンはかなり行き過ぎてターンした。でも、わからない。駐車場もないし、お花畑らしい処もない。「もうええわ。帰りで……」　やっぱり、いつもと同じことに。　大きな水車があった。横に少し小さいのが三つ並んでいた。手前の建物に、「飛騨の蕎麦」と書いてある。「粉挽いて、作ってはんねんわ」　水車の前に車を停めて、写真を撮った。信州へ行っても信州蕎麦は食べなかったし、昨年飛騨へ来たけど飛騨蕎麦は食べてない。「こんな時間に蕎麦食べたら、また夕飯食べられへんもんな」　ホテルの夕飯は、飛騨牛が出ることになっている。　予定の時間に、ヒダプラザホテルに着いた。高山だから山の中に建っていると思っていたのに、町の中だった。ホテルの玄関からアメリカ人らしいカップルが出て来て、町の方へ歩いて行った。ボーイが迎えに来て、カバンを受け取った。JTBの予約メールのプリントが要るかと訊いたが「結構です」と言ったので、車の座席に残した。　フロントで、ショータンがチェックインしようとしたら、年配のフロントマンが、「恐れ入ります。そのお名前ではご予約頂いておりません」と言う。「あ。私の名前やった。やっぱり、予約メールあった方がいいですね」「はい。お持ちでございましたら……」　ボーイが、ショータンから車のキーを預かって、車へ取りに走った。「はい。確かに」　年配のフロントマンは、メールを確認して、にっこりした。「ベッドお願いしてたんですけど」「はい。ダブルのお部屋、お取りしています」　部屋は７階だった。エレヴェーターを出て、廊下の一番奥へ案内された。「こちらになります」　なんだか小さい部屋……と思ったら、ダブルベッドだった。ダブルのお部屋と言ったら二間続きだと思ったのに。「こんなん？」「フロントの人、ダブルの部屋、言うてはったやん」「ダブルベッドとは言うてはれへんかった」　片側は壁にピッタリ付けてあるから、そっちへ寝ると足元へ降りなければならない。　不服だったが「まあ、ええか」と言った。「丁度サクラが満開で、よかったですねえ」　ボーイが慰めるように言ってくれた。窓から桜がいっぱい咲いている丘が見えた。　ボーイが去ってから、問題に気付いた。「ウォッシュレットが壊れてるわ」「便座冷たいし、水も出ない」　ショータンは、どうなっているのか見に行った。「こんな部屋、あかんやないか」　私がフロントへ電話した。「ウォッシュレット、故障してますよ」　ボーイがとんで来た。調べて「ほんとですねえ。申し訳ございません」と言った。「こんなお部屋しか無いんですか？」　「いいえ。ございます。ご面倒おかけしますが、あちらへ移って頂きます」　手早く荷物を纏めて移動した。８階。今度はまあまあの広さの部屋で、ツイン・ベッドだった。予約確認の電話の時、「足が悪いからベッドの部屋お願いします」と言ったのにダブルベッドにするし、あのフロントマンの頭は機械か。引き換えて、自分の一存で部屋を変えてくれたのは、ただのボーイじゃないな。フロントの主任かな？　若いけど。　　　　　

  2008.05.09

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• 分相応・不相応

  　昨夜も早く寝た。　夜中にお菓子を食べないでいたら、体重が４５グラム減った。　電気も使わないし、なんと経済的なこと。　ショータンは昼食抜きにしているのに全然減らないから、とまた食べ始めた。　減らないといえば、糖尿病患者、糖尿病予備軍。　体重も血圧も正常値らしい不苦ダさんにしてみれば、さぞかし鬱陶しいことだろう。「保険料が高い」「医療費が払えない」「年寄りいじめだ」と不服を言っても鼻の先で「フ、フン」と笑うしかないナ。　　病気は自家治療する私だって、勝手に病気している人たちと同等の保険料というのは損だと思う。病気多種のショータンに言わせれば、「病気しないのはトク」だって。マジナイで治すんじゃないよ。家伝薬を作って治すんだから、保険料免除でもいいと思うけど。　　生活保護を貰っていた人が死んだ。90歳を過ぎた親が役所から「埋葬代」２万円貰った。火葬代と参列者の無いお葬式が４万円かかった。お骨は川にでも撒けばいいのに、10万円でお寺へ預けた。計算がおかしい。　私の友達が亡くなった。「ご香典ご辞退」のお葬式だった。参列者は多かったけど、会館のなんだか寂しいお葬式だった。普段着の小さな遺影で、戒名もなかった。私だったら10万円で戒名つけて花いっぱいで音楽入りの演出が出来るけど、誰も私に頼みに来ない。　　5000円で、戒名つけてさしあげますよ。　　　

  2008.05.08

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• 一掃は難しい

  　　　　いっぺんに夏になった。　合い物衣類はそこそこ出ていたけど、とうとう夏物と冬物を入れ替えた。　１日目……片付かない。夜中の１時過ぎまでやった。　２日目……布団も押入れから引っ張り出したから、だんだん散らかる。布団カバーや毛布の洗濯もした。毛糸の服も布団圧縮袋に詰めてカンカチに圧縮した。　３日目……起きたとき、疲れていた。　庭のサンザシとバラがちょっと病気。剪定したり薬を撒いたり。雨がパラパラ。　部屋はまだ片付かない。買い物に行った。　ショータンが言った。「半分、ホカセや！」　　（注・ほかせは、放かせ----捨てろ）

  2008.05.05

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• ９６歳の見解

  「ガソリンまた値上げで、えらいことやねえ」　新聞をめくりながら、母が言った。「消費税を上げた方がええ、というヒトあるよ」「消費税はあかんわ。ワタシら車には乗れへんけど、買い物はするもんな」「そうやなあ」「１ヶ月だけ下げたんはな、跳ね返りでもっと高こうするためやってん。ほんまに悪い人や、あのヒトは。故意図巳さんもえげつない人やったけど、腐苦ダはんも世の中知らんなあ。道路道路いうて、道路なんかそない作ったかて、ガソリン高いのに誰が走るのん。道路が増えたら電車の駅がすたれる。鉄道が潰れる。ものが高こうなったら皆が買えへん。景気がどんどん悪うなる。ケチケチ政策した昔のヨシムネと一緒や。　そういうたらうちのヘルパーさんなあ、ニンジンの古いのん絶対に使わへんで。新しいのんから新しいのんから使いはる。どの人も…… 　　アベさんは割りとええこと言うてはったけど、みなに寄ってたかって辞めさせられてしもた。　塩素ガスで自殺する人、ジミントー員の邸でガソリン自殺した方がええと思うわ。な」「うん」「だいたい、郵政会社から入る税金はどうなってるのん!? 人件費も諸経費も助かって、税金が入るから、いうて民間にしたんやろ故意図巳さん。　農家に補助金なんかやらんと、空いてる田んぼは米作らして、畑は麦や大豆作らさなあかん。役所の人が、河原でも堤防ででもサトウキビを作ったらええねん。死刑やなんやとワイワイ言うてんと、囚人に山の中や無人島で畑仕事さしたらええなん。６０年や８０年ぐらいの懲役刑にしてな。ほんまにアタマの悪い人ばっかり集まって、仕様が無いなあ」「貯金の利子は、せめて１パーにせんとあかんねえ」「ああ。貯金の利子な。最低、３パーセントやないとあかんわ」　

  2008.05.02

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• ９６歳の見解

  　　　「また元気になってしもて、ごめんな」　新聞の折込チラシにマジックで丸を付けながら、母が言う。「自分でお箸持って食べられたら、なんぼでも生きとって」「トイレにも行けるしな」「ともだちのお母さん、『立たれへん』いうて寝てはったけど、『おむつするよ』言うたら歩けるようになってんと」「そうや。いつまでもおむつなんかしてられへん。病気は治ろと思うたら治るもんや」「退院して来た時より肥えた？」「肥えた肥えた。５キロも増えたよ。好きなもん食べてるから」　と、横のレンジ台の下に並べてある缶のお菓子を出す。「お姉ちゃんがいっぱい買うて来てくれた」　せんべい。クッキー。カリン糖。「これ、美味しいよ。これも美味しい」　自分でカリカリボリボリ。「病院で入れ歯が合わんようになってたけど、歯医者さんへ行ったらうまいこと合わしてくれはった。６００円」「ふうん」「ツーちゃんは、合わへん入れ歯で２０年暮らしてる。息子にお金取られて、孫養うてるから。息子だけ放り出したらええねん、いうたらな、こないだ夜中にトイレへ行って倒れてたら、息子が見つけて救急車呼んで呉れて助かったんやて。お金があると言いなや、言うたってるのに、息子も嫁さんも、ツーちゃんのお金狙ろてるねん。病気した時に困るのになあ」「お母ちゃんも、保険料あがった？」「知らん。上がったんと違うか。腐苦ダはんが悪いから。塩素ガスで自殺してるヒト、多いやろ。腐苦ダはんが悪いねん。おばあさんが殺されてるのん、腐苦ダはんが刺客をほうぼうへ行かしてるとワタシ、思うわ」￥・・。

  2008.05.01

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• 岐阜の桜

  　　　　母が風邪をひいたらしいので、明日行ってきます。　　岐阜の桜は、yahooの「アルバム３」の”日本の景色”へアップしました。写真の上でクリックすると、もっと大きくなります。お時間があれば御覧ください。　　昨日は大勢のご訪問頂きまして、ありがとうございました。　明日は早いので、日記の続きは明日にします。写真もまだあります。入れ替えます。　どなたさまもごめんください。大阪弁では、「ゴメンヤス」です。ヤスは「ます」ではありません。　

  2008.04.27

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• 飛騨の高山

  　　　4月21日　　昨年回り切れなかった高山へ、今回はJTB宿案内から予約した。　最初13、14、15日と予定していたが、口コミページで「高山の桜は20日過ぎがいいですよ」と教えてくれた人があったので、21、22、23にと変更した。　16日から19日まで雨で、21日は快晴。気温も快適。費用は珍しくショータンが全部持つと言っていたけど、先日、ミッチーが旅行費用20万円くれた。最初からミッチーに貰うつもりだったんだ。　　　高速へ入ってからナビをセットする方がいいと言うのに、せっかちのショータンは出発して10キロも行かないうちにコンビニの駐車場へ入ってセットした。私の嫌いな声のナビ嬢で、「およそ○キロ先を左、その先を右です」などとごちゃごちゃ案内する。　２月、雪で渋滞した鈴鹿峠にも、もう桜はあまり無い。名古屋から東海北陸自動車道へ。　中央アルプスは富士山みたいに雪峰だが、やっぱり桜の花は見えない。「今年は全国的に早かってんわ」「花見いっぱいしたのに、まだ桜いうてんのん？」　景色に関心の無いショータンは、お天気というだけでご機嫌。「昨年は、飛騨川に沿って北へ走ったんや。高速出た方が景色ええと思うわ」　ナビの案内通りに行ったら到着は14時27分だ。温泉に浸かって夕飯まで一眠りのつもりのショータンは、「えー？」と不満そうだったけど、「インターチェンジ２つぐらい手前で降りたら安いし」と言ったら「そうか」と得心した。-------続------

  2008.04.26

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• とりあえず写真

  　23日に帰って来ました。　桜満開で、写真いっぱい撮りました。でも、まだ整理していません。　前の分の整理をして、「花と景色」を更新しました。　旅は疲れます。　夜は早く寝ています。　今夜から、少し旅行のことを書きます。　写真は「斜めの家」ダレもいなかった筈なのに、足の無い人が…　赤や青の怪しい光も…

  2008.04.26

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• けったいや

  　　　ショータンが一生懸命観ているテレビをちょっと見たらサッカーだった。　ニッポンが蹴った途端、「ゲーム終了」になった。「なんや。蹴っただけでオワリ？」「フフフ。ケッタイやなー」　　　写真の整理、してもしてもいっぱいあるけど、月曜日から２泊３日の高山・愛知旅行です。　また写真が増えます。　３月、４月１５日からと予定しました。高山に詳しい人が「２０日過ぎのほうが桜がきれいです」と教えてくださいました。今週は雨、雨で、延ばして正解でした。　でも、この辺の桜も全部終わってしまいました。高山の桜はあるのでしょうか？　　　ショータンの目当ては温泉と料理ですけど、私は景色が好きです。

  2008.04.19

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• 多勢に無勢

  　　　　子供の頃、なにかイタズラをしたら「あんたみたいな子はもう要らん。あんたは橋の下で拾うた子やから」と叱られた。　橋の下には乞食が住んでいた。橋桁にムシロを掛けただけの簡易小屋に。　「橋下流」と新聞に書いてあると、そのムシロ小屋を思い出す。橋の下は川が流れる-----ゴミも流れていた。汚わい舟がいた。　橋下と書いてハシモトとは、ちょっと読み難い。　ハシシタさん、昨日泣いていました。今日は言いすぎたと言を撤回していました。　ムノー市長連相手に孤独奮闘だから泣きたくなるのはよく判る。でも、みんなのことを考えているハシシタさんが、自分のことしか考えていないシチョ－連に謝る必要はありません。叩いてもまだ埃の出ない人が、ホコリだらけの人にアタマを下げることはないのです。　「経費切りつめ」に反対したohサカシチョーが、「ウラガネがありました」とオジギしていましたけど、よく恥ずかしくないことです。　　後期を長寿と言い変えて貰った老人が、「健康保険料いきなり年金から天引きとはひどい。いつ、こんなことを決めたんだ？」と嘆いていました。　「ユーセー」「コーセー」と叫んでいたヤスクニbakaが決めたんですよ。あの時、こうなることは予測出来たのに、なんで解らなかったんですか？　あの時、集めた年金が行方不明になっていたこともヤスクニbakaは知っていたのに、頬被りしていたんですよ。ろくなことしないソーリだったんです。　　国の情勢がよく判らないのなら、選挙になんか行かない方がましです。　　　「空気が読めない」という言葉、最近よく耳にしますけど、世間が読めなかったら、オワリです。大阪のことを真剣に考えている知事さんをツツイテるシチョーもおわりになってください。シッポ切りならぬアタマ切り、ハシシタさんしてください。　　

  2008.04.18

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• 後期やがては末期

  　　「ブログの一覧」を見て驚いた。　「手作り大好き」「お花見」「幼稚園や家でのこと」「国際恋愛」「マラソン」「バレーボール」「赤ちゃんが欲しい」「妊婦さん集まれ」「子供の成長」「どんなテレビ見ました？」「最近はまっている食べ物」「ダイエット」「おしゃれ大好き」「好きなお笑い芸人」「いいもの見つけた」「芸能ニュース」「今日行ったお店」「ラーメン」「今夜の晩ご飯」「食べた物の画像♪ 」「どんな写真を撮ってるの??･･･ 」「アニメ」「アクセサリー大好き！ 」「お買い物日記 」「鬱病 」「☆コレが欲しいのよ！☆ 」「ディズニーリゾート大好っき！」「 エッチで恥ずかしい話好き！」「 結婚準備から結婚式まで 」「タロットについて」「なつかしい思い出」「 休日の過ごし方」---------　なんと平和な国だこと。国のこと、政治のあり方を考える人など全然いない。　「気になるニュース」を見てみた。 「某宗教法人の旗」「マンゴー・太陽のタマゴ」「飛び出すテレビ現る！」「惜別・大阪くいだおれ 」「秋田県協組まずいと認定？稲庭うどん」「AYUSEKOZUEガーリーな魅力満載の･･･」「りんかん（支局員）の業務日報」「楽しさの環境　シアワセの条件」「Perfume、エスキモーピノのイメージ･･･」「自殺真相は謎、都はるみのパートナー」 　こんなことが気になるの？　 公のことや暮らしのあれこれを真面目に心配しているのは少ない。「死刑執行に拘る鳩山法務大臣」「北京五輪聖火リレー」「裁判員制度に思う」「 時事問題評論」「新型インフルエンザ水際対策」「届かない保険証 」「あせっている小沢代表？」「民主党は舛添厚労相を問責できる訳がない」「オリンピック聖火リレー妨害」「小泉元首相・大事ななんとかの風」「 映画「靖国」上映中止と街宣車」　今日の新聞のトップに、「生活保護通院費　大幅制限」とあった。　災害現場からの輸送など４ケースと限定し、身体障害者や僻地の住人などが医療機関に通うための交通費は支給しないということになった。　脳梗塞で手足が麻痺し、電柱や塀に掴まらないと歩けないという人が、月２回、タクシーでヘルパーに病院へつれて行って貰うというのもダメ。　そもそもは、北海道で交通費が不正受給されたジケンの再発防止の策として決まったということだ。　新聞は、「 治療控える恐れ」と大学准教授の弁を載せていた。「北海道の事件は、職員が常識的な対応をしなかった為に起こったことで、支給基準の問題ではない。最低限度しか支給されていない保護費から余分に支払わせるのは、治療を控えさせることになりかねない。適切に治療すれば働けるようになる人もいるのに、厚生省のいう「自立助長に反するのではないか」と。　読者投稿覧に、「高齢者は早く死ねよがしな規則です」という意見があった。「死ねよがし」ではない。明らかに「いい加減に死になさい」と言っているのだ。政府は、老人が増えて困っているのだ。サルやイノシシやシカみたいに。働かざるもの食うべからずと言いたいのだ。保護などもってのほか……。後期高齢者の上は超過高齢者、更に上は末期高齢者か。　政府はここ15年ほどの間に、病院から老人ベッドを無くした。方々の老人施設を潰した。　赤ちゃんをやたらと産ませないように、産科医を減らした。日本語がろくに喋れない、字を知らない青少年を育てている。　これは将来、政治家の言うこと為すことに意見を持たない国民ばかりにするつもりなのだろう。「父母に孝に兄弟に優に朋友相信じ」などは、マジナイにしてもいけないのである。

  2008.04.13

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• あがりさがり

  　役所の健康保険課からショータン宛の封書が二通来た。　一通は、保険料を年金から差し引くという通知。もう一通は、健康保険料払い込み用紙。４、５、６月分の３枚と、全額払い込み用紙一枚。「なんやねん。これは」　ショータンは早速役所へ電話した。「振込み用紙は家内のんでっか。保険証書も来てないのに、お金だけ先に払い込むんでっか。なんで、分けるんです？　７５歳以上と７４歳までと別に計算した？　これ、払うのん忘れたらどうなりまんのん!? 　家内は健康保険使えんようになる……？　今から認知症が増えて行く高齢者に、そんなややこしいこと言うて、わざと保険証取り上げようというわけでんな。え？　政府が決めたとおりにやってる、て？　こんな手間かけて、印刷代かて今までの３倍ぐらい掛かってまっしゃろ。政府が決めたいうても、あんたらもっと要領良うに出来まへんのか。ほいで、家内の保険証はいつ来まんねん。７月？　それまでわたしの期限切れのを使う？　判りまんのか、それで。----医療関係者には判るようになってるて？　へええ。使う方は判りまへんで。何遍もおんなし弁解しなはんな。あんた、お名前は？　ふーん。そっちへ行って、もう一回説明聞きますわ」　電話を切って、私に言った。「保険課の窓口、訊きに来るヤツで混んでるねんて。行って、また初めから説明さしたらんならん。今の女、黄色い声できゃっきゃ言うねん。だいぶアタマに来てるみたいやな」「また説明してもらうのん？」「トシヨリいじめしよるから、イヤがらせしたらな…」「私の分払いに行って、領収印のある半ピレのほかに、私宛に『領収しました』と書いて貰わんならんね」「なんで？」「役所のすることは、信用でけへんから」　ショータンでも国民年金６ヶ月分ぐらいと、私が働いていた時に給料から天引きされていた厚生年金５ヶ月分は「不明」で年金に加算されていない。　保険料の計算の仕方が変わったのなら、私の保険料も私の年金から差し引いておけばいいのに、役所の人たちは手間を増やすのが好きなんだ。配達書類が増えたら、郵送代もなん百倍にもなるだろう。不苦田さんは、郵政会社から入る税金を計算するの忘れているのか。　ガソリンが安くなって「みんな混乱している」とテレビのニュースは何日もわいわい言っていたけど、大阪はダレも騒いでいなかった。　４月1日は10円ぐらい下がった123円から128円で、あとはぼちぼちに安くなり、今日は117円から127円といったところだ。　メリケン粉もバターも牛乳も、殊更に値上がりはしていない。 　　写真は、大阪城の中に展示してある「関が原合戦の豆人形」

  2008.04.12

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• やればアメ

  　　朝、白い毛糸の服の洗濯を始めた。セーター二枚と帽子二つ。　掃除は簡単に済まして、浸け洗いの間編み物を……「タワシ、無い？」とショータンが言う。またなにかやるのか？「なにするのん!?」「ベランダの、柵の下の汚れを落とすねん」「納屋の前の、植木鉢の後ろにあるわ」「取って来て」（やっぱり）「洗剤は、どれ？」「洗濯機の窓のとこに置いてる……マイペット」「廊下と階段のクロスも洗うんやけど……」「クロスは、タワシでこすったらあかんよ」「なんで？」「廊下がべとべとになる」　編み物を置いて立つ。ショータンは、バケツにお湯を入れて待っている。マイペットをちょっと入れてやった。「こんなん、泡無いやん」「これは泡の無い洗剤や。二度拭きせんでええようにしたあんねん」「もっと入れてや」「台所用洗剤と違うから」　言いながら、マイペットを追加。でも泡は立たない。「このカビキラーでシュッシュッと泡掛けて、暫く置いといてから洗ろたらええけど」「タワシ」　丁度、炊事場のタワシを新しくしようと思っていたから、流し台にあったのを手渡す。　ショータンは、バケツと雑巾とタワシを持って２階へ行った。漂白剤を染ませた雑巾と濡らした雑巾とカビキラーとを持って、私もついてあがった。　ショータンは、ベランダの柵の下の壁をタワシでこすっている。私はカビキラーを反対側の端まで吹き付けた。「暫くおいといたら、簡単に落ちる」　シャカシャカシャカ------今吹き付けたカビキラーを、タワシでこすり落としている。あかんわ。自分の思う通りにしかしない。　放といて、廊下のクロスを拭くことにした。玄関と廊下と階段は、畳目模様の白だから汚れが目立つのだ。漂白剤を付けた雑巾で擦り、別の雑巾でもう一度拭く。手の届かない所は、マジックハンドで雑巾を掴んで拭いた。「あの高ーいとこ、脚立に乗って拭かなあかんわ」　ベランダはすぐに終わって、ショータンは自分の部屋へ入ってゴソゴソしている。覗いて、「あっ」と言った。　昨日私が整理してやった本箱の中の本を全部出して、一人で本箱の向きを変えていた。倒れて来て下敷きになるところを想像して、よっぽど恐かったのだろう。「やったらやれる」　　お陰で、白い毛糸の洗濯は、帽子一つだけ洗い忘れた。　夜、大雨になった。

  2008.04.09

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• こうしたらこうなる

  ４月６日　絨毯取替え作業２日目。　２階の仏間は、ガラス製の飾りケースと大きな鏡台だけだから、リビングよりはるかに楽だ。私一人で出来る。　まず、ケースの中のものを全部のけようとしたら、「そのままでええ」とyatuは言う。「そろっと持ち上げたら廊下へ出せる」「ガチャガチャになるわ」　yatuの意見は無視して、私流で洗濯篭の中へこまごました飾りものを入れる。「だいじょうぶやて」　ショータンはケースの角に手をかけた。「あ。重たい」「当たり前デス」　この部屋へ置くとき、全部ばらしてガラス一枚ずつ持って上がり、部屋で組み立てたのだ。両側と背面と天板と底、中に棚板が二枚、すべて分厚い硝子で出来ている。一枚２キロとして、２×７の１４キロだ。「上の人形も退けんならん」　人形ケースの上蓋の縁に手を掛けて、ショータンはひょいと持ち上げた。あっと言う間もなく、ケースはばらばら。「古いから壊れた。ほかさなあかんで」「人形ケースは下から持つもんやン。接着剤使わんと、組み立てたあるだけやのに」　急いでもう一つの人形を、下から持ち上げて廊下へ移動させた。二つともばらされたら、組み立てるのにまた時間がかかる。　陳列ケースは棚板を抜いただけで２人でヨイショと廊下へ出した。　鏡台も、大きな鏡をつけたまま持ち上げようとする。「そんなん持たれへんよ」　と鏡の部分を取り外してベランダへ出した。台の方は２人で……　敷いてあった古い絨毯を三つに畳み、足で踏んでもう三つに折り、紐をからげた。「階下へ行って、誰も来ぇへんか見てるから、ベランダから投げて」「え？」　なにを考えているのか、yatuは目を剥く。「下へ放ったらええねんやン」　裏の家とその向かいの家だけで、この時間みんな留守だから、上から投げ落としても大丈夫なのだ。でも下へ行って、ショータンが投げ落としたのをフェンスのブロックに立てかけておいた。　絨毯を広げる。くすんだピンクで、「ムカシ、女郎屋の廊下にこんなん敷いてた」とショータンは文句言ってたけど、敷いたらしっくりしている。「ハーン。割とええやん」「うん」「おれの部屋のはワルイけどな」　もっといいのを買おうかと思案していたのに、「早よお金払え」と急かして買ったのは自分だ。買った後でグズグズ言うな！　鏡台と陳列ケースを元通りに置いた。「あとは、私が一人でする」「なんで？」　手伝って要らんのだから。「ガラスも磨かんならんし。あんたはベッドのアタマ、外さんならんやろ」　自分の部屋へ行ったショータンは、「ベランダへ干しといて」と布団を持って来た。一人で全部は絶対に出来ないんだ。　陳列ケースをガラス・クリーナーで拭いている間にショータンは下へ降りて、さっき投げた古絨毯を軽トラに積んでいた。ケースを磨いたあと、バラバラになった人形ケースを組み立てる。よく考えてしたら、こんなことにはならないのに…。組み立て終わって陳列ケースの上へ乗せ、ガラス・クリーナーは？　と探したら、大きな白い布が置いてある。あれ？　なんのキレ？　うわっ。タイヘンや。クリーナーが噴出してる！　慌てて雑巾に塗りたくったけど、蓋を置いていたところに丸い白い型がついた。またyatuはモンク言うぞー。　ショータンの部屋の絨毯替えは、昼からになった。　まず、本箱の中の本や書類を全部退ける。「そのままでええ。そんなめんどくさいこと……」　中のものが詰まったままでは動かせないということが、判らないんだ。本をベランダへ出す。机の上のもの、下のもの、みんな片付ける。　新絨毯を敷いて、今まで机の方を向けてあった本箱をベッドの方へ向けて置いた。下の棚を動かせばテレビが入る。全部セットしたらすっきり爽やかな部屋になった。「この絨毯、よかったな」　おれの部屋のはワルイと言っていたのに、にこにこしている。「ええ色やった」　くすんだグリーン。私の部屋のもグリーン。ちょっと上等の絨毯だから、まだ取り替えない。多分、まだまだ取り替えない。　夕食の時、ショータンは言った。「地震が揺ったら、本箱がおれの上へ倒れてくる。やっぱり横向けとかな……」　もう、しんどいしんどい---------　

  2008.04.08

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• 絨毯敷き換えはアタマで

  　４月５日　なにをするのも、ショータンはいない方がいい。　椅子に腰も下ろさず、お茶も飲まず、絨毯取替えにかかった。　まず、テーブルの上のものを全部応接間へ運ぶ。和洋折衷だから、大判コタツの上のものも片付ける。テレビの上も……。コタツの天板をのけて、応接間へ立てらかす。布団を退けて、コタツは廊下へ。座椅子も食卓の椅子もパソコンの椅子も廊下へ移動。ショータンの寝転び椅子は大きくて重い。　さて、食卓は移動させられないから、片側の脚だけを敷物の外へ出し、片側を腰と肩で持ち上げて脚の下から少しずつ敷物を抜き取る。テレビの台は車が付いているから、譲らせて踏んでいるところを引っ張る。パソコン台の脚の車の靴を脱がせて敷物だけ取る。自由になった古い絨毯を端からゆるゆるに巻いて、洗面所の方へ出す。　車から家へ運び込むだけでも二人がかりだった重たい新絨毯を立てたり斜めにしたりして、リビングへ入れる。車はガソリンで動くのです。部屋の模様替えは、アタマでするのです。　テレビの下になる端から部屋に広げる。前のは青みがかったグレーだったが、新しいのはクリーム色だ。好んでクリーム色にしたわけではなく、値引き幅が大きかったから買ったのだ。広げただけで部屋が明るくなる。物の下から抜き取るより、下へ敷き込むほうが難しい。テレビもパソコンも元の位置に治め、コタツ布団を敷き、食卓の下へ絨毯を伸ばしている時、ショータンが２階から降りて来て、「へぇええ」と言った。「手伝うたろか」「もう結構です」「なんで、これをここへ敷いたん？」「これが一番重たいから。２階まで持って行かれへんやろ」「この、一日何遍も通るとこ、汚れ易そうやなあ」　汚れるのは何色でも一緒。汚れが目立つ、だろう。「ついでやから、２階もする？」「達者やなあ。あした、あした」　ショータンは、２階の和室のと自分の部屋の分は、玄関の上がりこ口へ置いたままにしておくつもりだ。で、私が２階へ持って上がった。　夜、左足の膝が痛くなった。ギックリ腰にならなくて良かった。それにしても今日は、沢山の動かない脚を動かしたなあ。　だから、10時に寝た。　

  2008.04.07

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• 疲れる理由

  　桃、桜、木蓮、辛夷（コブシ）、連翹（れんぎょう）、みんな満開で毎日花見。　疲れて夜は早くに寝る。昨夜は10時にパソコンをやめたけど、ベッドで読みかけの本を開いた。読みかけが３冊ある。太宰治の「お伽草紙」、エラリー。クインの1958年の作品「Ｚの悲劇」、スコット・スミスの「シンプル・プラン」1994年。スコット・スミスは28歳で、発売当日に完売したという話題作。でも、みんなそれぞれ面白い。　「シンプル・プラン」は、雪の中に墜落している飛行機に行き遭った３人の男が、死んでいるパイロットと大金の入ったカバンを見つける話。大金を3人で山分けしようと持って帰り、奥さんに諭された主人公がこっそり返しに行くところで、本当は読み急ぐのだが、たまたま上にあった「Ｚの悲劇」を読んだ。２ページ読んで目がくっついた。10分後にスタンドを消した。　テレビの前で読んでいるのは、今年の1月発売されたアラスター・グレイの「憐れなるものたち」。ウィットブレッド賞とカーディアン賞を受賞したという奇妙な作品で、テレビがつまらない時に読むから一番はかが行く。　本の帯にはこう書いてある。「発見された奇妙な古書。そこには実在した天才外科医と女フランケンシュタインの波乱万丈の生涯が記されていた」と。　忙しいから、本のことはまた後日に。　今日は絨毯を買った。　昨日、専門店へ行ったら、たまたま休みだった。別の店を２軒回って値段を比較し、今日は昨日休んでいた専門店へ朝一番に行った。「店じまい。売り尽くし」という札が出ていた。「これとこれとこれ、３本買うからなんぼにしてくれる？」　とショータンが交渉した。「お値段はもういっぱいいっぱいにしてますので……」　百円もまけられないと女子従業員----女店員という方がしっくりする。いつ、ダレが言い出して女店員が女子従業員になったんだろう？　細くて、咳をしている。厚みを見せる為に、巻いて立ててある重い絨毯を半回転させようとするのだが、白い付け爪を貼った指がこれまた異様に細い。絨毯を持つ指先に力が入ったら、爪がポロリと取れるだろうに。太宰治が見たらきっと気にして、胸の病に悩む女をヒロインにした掌編をひとつ書くだろう。「３本買うてもまけてくれへんのん？」「はい。かなりお安くしていますので。あちらの方に置いてる商品でしたら、お引きさせていただきますが」「あんな上等は要らんねん。客が来てる時に勉強せんかったら、いつまで経っても売りつくされへんで」「いつまでに、という期限はないんです」「遊んでんのんかいな。そんならやめとくわ」　買わなかった。それからもう２店行って、大阪のミドリでんかといずみやと大型生活館ナフコへ行った。ウールではいずみやが安かった。ウールと合成繊維の区別がつかないショータンは、「やっぱりあの専門店が一番安い」と言った。　商談決裂して一遍やめて帰ったら、私ならもう行かないけど、ショータンはその点平気だ。百円もまけないと言った専門店へまた戻った。　朝とは違う中年の女店員がいた。「これとこれとこれ３本買うからなんぼにしてくれる？」「これとこれは、もうずいぶんお安くしてますから……」　朝とおんなじやりとり。「全部でなんぼやのん？」「こっちの分で千円引かして頂いて、なんまんなんぜん７百円です」「その、７百円というハンパ、引いといて」「え？　千円お引きしています」「７百円のハンパがヤらしいやん」（やらしいことはない）。「いいえ。ムリです」「ほな、５百円に」　貧乏ったらしいよ。「な。なんまんなんぜん500円。カリン。早よお金払い」（私が払うんだから、値切らなくてもいいのに）　お金を払ってから、巻いてあるのを広げさせて、キズやシミが無いか点検。私だったら、向こうが言ったままの値段で、巻いたまま買って帰る。　大阪生まれ大阪育ちの母も、値切るのが好きだ。雑貨屋でも履物屋でも八百屋でも、とにかく値切る。東京の人は１万円のものを買っても「２万円よ」と自慢し、大阪の人は、「８千円で買うた」と自慢する。　帰って、早速リビングのを取り替えようとしたら、「明日明日。今日は疲れた」とショータンは、自分の部屋へ逃げてしまった。値切るのが疲れるのか、車の運転が疲れるのか……。私は車の助手席に座っているだけで疲れるけど。一人でやるよ、こんなことぐらい。　-------続------　

  2008.04.04

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• 懲りない

  　28日、大阪城へ桜を見に行った。　そのことを昨夜の深夜2時に書いた。動画を貼り付けようとした途端、「ピッ」と言って全部消えてしまった。ワードに書いてコピーすればよかったのに、つい面倒でじか書きにする。なんべんやられたか……アホやなあ、私。　で、短く短くしてもう一度書いた。　「送信」。　ジャジャーン。「メンテナンス中です。ご迷惑おかけ致します」　またしても消えていた。「あつものに懲りてナマスを吹く」「二度あることは三度ある」　そんな諺は知ってるけど、あつものに懲りても膾を吹かないし、二度あろうが八度あろうが忘れてしまう。　こういうの、気楽とんぼというらしい。　　別サイトの掲示板に、エッチコメントが来ている。削除しようと思うのに、ログイン出来ない。どこへメモしていたか、探している。＼(゜ロ＼)　ない!(＿´Д｀) アイーン　　「(´へ｀;ウーム　　どこへ書いたんや？　

  2008.03.30

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• 理由糾明

  　電車のホームから突き落とされて人が死んだ。　推理ドラマなら、被害者の身元から調べて、交友関係、利害関係、怨恨、と犯人を捜す。何ヶ月も、どうかすれば何年も掛かる。　ニュースは単純。「おれがやった。捕まえて！」　犯人は、殺人が罪悪だとは微塵も思っていない。　こんなニンゲンがその辺にいっぱいいる。　親が悪い。教育が悪い。政治が悪い。　捕まった犯人を、「成績は優秀だった。進学出来なかったから刑務所へ入ろうと思った。殺すのは誰でもよかった」とテレビ各局は報じている。恨みでもない、計画的殺人でもないことがまるでいいことみたいに。　学校へ行きたかったら、奨学金貰って、アルバイトもすればいいではないか。　まるっきりのバカだ。「学業優秀」なんてウソついてはいけない。自給自足でしか生きられない島で５０年ぐらいの、島流しの刑がいい。蛇がわんさか棲んでいる無人島がある。　小学校の頃から苛められっ子だったそうだ。　苛めたやつを片っ端から殺すとか、片輪にするとか、なんで出来ないんだ？　バカ息子を作りあげた親には、被害者の家族に８千万円ぐらい弁償させる。　進学させる金も無いのに無理だって？　８千万円ぐらいと言ってみただけだ。死ぬまで働いて、収入の半分を被害者の家族に差し出すということ。　バカ息子が狂った原因として、いじめっ子連中にも毎月３万円ぐらい２０年は弁償させよう。いじめっ子が殺られなかったのは全く残念だ。　それにしても、「申し訳ない」と言っている親父の顔が映らないのは何故だ？　加害者親子の名前が報道されないのは何故なんだ？　　被害者のおかあさんが報道陣の質問に答えていた。「なんの関係もない方（かた）なのに、息子を殺したんです」　尊敬している------　

  2008.03.27

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• もしもしは言わないで

  　　地下鉄T駅の改札入ってすぐに、ホームへ行くエレベーターがある。　ボタンを押して待っていた。　おばあさんが来て、私の横に立った。　ベビーカーを押した３５、６歳のママが来た。　私の肩越しに手を伸ばして、一番上のボタンを押した。　おばあさん二人がポケーッと、箱が昇ってくるのを待っていると思ったのだろうか？　いや、この間、エレベーターの前に立って、誰かがボタン押してくれるまでなにもしないで突っ立っていたおばあさんがいたけど、そういう人が増えているのだろうか？　箱が昇って来て乗った。奥に私。二番目のおばあさんは右側のボタンの前。ママは左側のボタンの前。　ママが”ホーム”のボタンを押した。”閉”のボタンも押した。（おばあさんって、どうしようもないな）と思っているに違いない。バギーの子供はママそっくりの顔だった。　ホームへ降りると、電車がいた。一駅乗って、降りる。ママも降りた。　左へ３メートルほど行けば、乗り換えホームへのエレベーターがある。ママは右側へ、さっさと行く。あっちの方は、スロープも無いはず。階段を、子供を乗せたバギーを抱えて上るのか？　重いだろうに。　エレベーターの前で、引返して来たママに追い付かれた。（なーんや。やっぱり階段は上れへんねん）　「もしもし。おばあさんは、エレベーターのボタンを押さないもんなんですか？」　と訊いてみようかと思った私の顔を見て質問を察知したのか、ママはエレベーターに乗るのをやめ、左側へさっさと行ってしまった。　神経、かなり病んでいるなぁ。　　

  2008.03.25

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• たかい

  　お彼岸の入りに、お墓参りをした。往復5時間。車の中で2時間は寝て、どこへも寄ずに帰って来た。　１９日は四天王寺へ参った。往復、約4時間。スーパーへ寄って買い物をして帰った。　21日は叔父のお墓へ。片道20分だから、観心寺へまわって帰ろうとショータンに言った。丁度梅の花が真っ盛りの観心寺の前を素通りして、ショータンは金剛山のケーブルカー乗り場まで行った。「なんで？」「観心寺は、拝観料300円するから」「ケーブルに乗るのん？」「ここまで来たら、乗らんと仕様ない」　そんなことはないだろう。日光東照宮へ行ったとき、駐車場が空いてないだけで入らずに帰ったんだ。２月に熱海の梅園へ行った時だって、3分咲きと聞いてすぐにターンした。ケーブルカーは、大人往復1300円。標高１０００メートル。パンフレットに、いろんな高山植物が咲くと書いてある。しかし、今は無い。切符売りのおばさんに、「今頃は、なんにも咲いてないんでしょう？」と訊いたら、「福寿草がありますよ」と言った。「たーくさん咲いてます」ショータンはキップを買った。「３０分に出ます。ここでお待ちください」　青い火が燃える大きなストーヴの前の椅子を勧めてくれた。壁の張り紙を眺めていた小さな子供連れの夫婦が、「また今度にしよう。お花がいっぱい咲いてるときに」と出て行った。「可哀想に。ここまで来て帰らんでも…」　ショータン、気の毒そうに見送った。そんなことはないだろう。若いんだから、幾度でも来られる。私はもう、日光へ行くことはない。ケーブルカーには、青年と、中年と高年のおじさんが一人ずつと私たち。今頃一人でこんな処へ来るなんて、男はよっぽどヒマなようだ。女性一人のお墓参りはよく見掛けるけど。　シャクナゲの小道------シャクナゲは木だけ。福寿草は、道端の花壇にずーっと長ァく長ァく植えてあった。　天文台があった。無料だから入った。樹液が木の幹を昇る音がゴーゴーと響き、いろんな鳥の声がしていた。この山に住む鳥や蝶たちの写真が、回廊の壁に並べて貼ってあった。桜は５月。高山植物は５月から１０月。シャクナゲとツツジは６月。蝶は７月から１０月。１２月から２月までは樹氷とスキー。小道を歩いても鳥の声はせず、静かだった。　食事と日帰り風呂の宿泊施設の横の喫茶・食堂へ入って、ホット・ケーキ一つとコーヒーを二つ注文した。おじいさんが一人で、コーヒーからご飯までやるらしい。コーヒーはともかく、ホット。ケーキは温め時間が足りなくて冷たかった。１００円のホットケーキが４００円。１枚ずつ食べた。二つ注文しなくて良かった。後ろのテーブルにいた中年夫婦と小学生二人は、それぞれリュックを背負って出て行った。登山口からテクテク登って来たようだ。２１日。小学校休みか？　「登校拒否かなんかで家に篭ってて、治療のための登山かなあ」「春休みやろ」アッハ。　展望台。国見城跡。葛木神社。岩屋文殊。千早城跡。ミュージアム。どこへも行かずに下りることにした。それでも写真は、３０枚ぐらい撮った。「今日はなんで、ここへ来たん？」「観心寺へ行こういうたのに、ここへ来てんやン」「家出るとき、観心寺なんて言うてなかった」「叔父さんのお墓参りして……」「ああそうか。高いオハカや」「標高１０００メートル」　　夕焼けの空を雲のコイが泳いでいました。

  2008.03.24

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• いらんいらん

  「今日は、あれ仕舞うぞ」　ほかの用事を予定していたのに、急にショータンが言う。「どれ？」「あれ。ストーブ」　３日前から廊下の物入れの前に置いてあった、洗面所の遠赤外線ストーブ。ダイニング・キッチンの石油ストーブは、まだ石油がたっぷり入っている。「こっちのを仕舞う時、一緒に片付けるわ」「こっちのんは、山へ持って行くんやろ」　箱があるからこっちに仕舞うつもりなのに、季節の不用品はなんでも山の仕事場へ持って行きたがる。ストーブが要る頃に、ショータンが車に乗れなくなっていたら困るのだ。衣類ならタクシーで運べるけど、ストーブなんか赤帽でも頼むしかない。高くつくじゃないの。　ヤレヤレヤッコラショと腰を上げた。物入も、手前に置いてある物を全部出して１番奥に仕舞うのだから簡単ではない。エッチラオッチラ。　掃除機だの脚立だの、箱類、袋類、お風呂の蓋、夏用上敷き、梅干用の空瓶。いろいろ取り出した。ショータンは、ハロゲン・ストーブやスチーム・ストーブやらを持って来て、拭き始めた。「ほら。石油ストーブの箱あるから、もう３日ほど後の方がええと思うけど……」「こっちは狭いから、山や山や」　循環器病院やら眼科医やら内科医やらへ定期検診に行き、いろいろクスリを貰って来て毎日飲んでいるのに、６ヶ月先も今と同じように元気でいると信じている。「１番は、どれや？」「ハロゲン」　本体の割りに大きな箱だから、奥の下。出すときに持ち易いように、紐を掛ける。まっすぐに持って入って、直角に横に倒して置く。こつが要る。ショータンが仕舞った。「まだごちゃごちゃ置いてるから、すっと仕舞われへん」　ぶつつく。今私が出したんだから、仕舞える筈だ。「つぎは？」「これやけど、まだ紐掛けてない」「早よ、せーや」「どの紐やったかなあ。これはこっちか……これは、長い…」「なにしててん？　おれが拭いてる間、なにしててん!?」「中の物、出しててん」「なんでもしもとかんと、放かしたらええねん」　捨てるものは無い。私の買ったものばかりだから、なんでも要る。あっ。紙袋に入れた古い枕……ソバ殻を洗って、新しい枕にしようと置いてたんだ。買ってもそう高いものではないのに、３年ほどここに置いたままだ。「次、貸せよ、早よッ」「もう後は、うちがする」「なんで？」「うるさいから、して要らん」「おれが全部きれいに拭いたのに」　それがうるさいねん。　ブーッとふくれて、ショータンはあっちへ行った。　順に片付けて、流しへ手を洗いに行ってギャッと驚いた。いつも真っ白にして使っているテーブル布巾が、マックロで丸めて二つ、調理台に乗せてあった。ストーブを拭くのに布巾で？？？　モー、シテイラン！　　

  2008.03.20

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• 黒白

  　電車で、女子大生に「お尻さわったでしょう」と言われて痴漢として捕まった人があった。すぐ近くにいた男も、「このヒトが触ったのを見た」と証言した。「私はポケットに手を入れていたのに、触ったりなんかしてませんよ」　と言ったけど、警察でさんざん尋問された。　被害者と称する者はいつも善良な市民で、犯人とされる者はとんでもない悪い奴であるときまっている。被害者と称する者が「この人です」と言ったら、このヒトはどんな弁明も聞いて貰えないのである。　あの女子大生が、何故虚偽の訴えをしたと判ったのか、そこのところ、ニュースでははっきり判らない。女子大生の訴えのどこかにおかしい点があって、ケイサツが調べ直したのか、女子大生が良心に咎めて「お金が欲しいから狂言を企みました」と白状したのか……　　この間、「それでもボクはやってない」というドラマがあった。やっぱり痴漢と間違えられた青年の話だが、最後に誤認逮捕であったと認められた。これでドラマは終わりだと思ったらまだ続いて、「起訴します」という声が入った。この冤罪青年が言ったのか検察側が言ったのか、見損ねた。　無審査でお金を貸す銀行を作り、なん千億万円もの国民のお金をどーっと無駄に遣ってしまって、「もっと足してやらないと銀行が潰れるじゃないか」とバカなことを言う知事がいる。この知事を告訴するヒトはいない。　被害者がある限り加害者があるのに、加害者は自分が加害者であることに気がついていない。　「９千円盗られた」と言って、善良な一人の老人を訴えた男がある。　この訴えになんの疑問も持たず、老人に自白を強要しているケイサツがある。　一見平和で恐ろしい国だ。

  2008.03.16

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• おあし

  最近、つり銭の出るセルフ・ガソリンスタンドがある。　　老人アスも、３度ばかりそのスタンドを利用した。　ある日、「ケイサツです」と称する男たちが６人、アス老人を訪ねて来た。「管轄内で起こった窃盗事件の調査」だという。　先日、キムラという３３歳の男が給油した際、釣り銭を取り口に忘れたまま帰った。数キロ走って、釣銭を持って来なかったことに気付き、すぐにガソリンスタンドへ引き返した。　と、そのボックスに別の車がいて、給油している男がいた。「ここに、お金置いてたん知りませんか？」　と訊ねたけど、「さあ。知りませんで」と言われてすごすご帰ったが、どう考えてもその男がネコババしたに違いない、とケイサツに訴えた。１万円札で千円分ガソリンを入れた釣銭だから、千円札９枚の窃盗事件として受け付けたケイサツは、ビデオ・カメラに写っているフィルムを調べた。　キムラの車が給油を終えて出て行って暫くしてから次の男が来た。フィルムには、次の男が立っているところ、給油しているところが写っていた。ケイサツは車のナンバーから、その男アス老人の住所を突き止めた。「ケイサツ」と聞いたら逃亡するかも知れないと、刑事６人でアス老人の家へ行った。「え？　ガソリンスタンドの？　釣銭？　知りまへんなあ」 老人は逃げもせず、怪訝な顔をした。 翌日、改めて刑事が迎えに来て、任意同行でケイサツへ行ったアス老人は、そのスタンドで給油したことと「お金知らないか」と訊ねられたことは覚えているが、お金は見なかったと言った。　ビデオからプリントした写真を見せて、この車が出たあとあんたが来るまで誰も来ていない、出来心ということもある。あっさりスンマセンと言ってお金を返したらそれでしまいだから……と刑事達は入れ替わり立ち代り、６時間もかかって老人に自白させようとした。「知らんもんは知りまへんな。大体、自分の財産の管理が出来んヤツはアホでっせ。１万円札で千円しかガソリん買えんて、よっぽどの貧乏でっしゃろ。貧すりゃ貪するいうて、妙なこと思いつくヤツいますからな。そんなヤツの言うこと真に受けて、ケイサツはヒマでんねんなあ」「ヒマなことはない。あっさりスンマセンと言うてくれたらそんで片付くんです」「どう片付くんでっか。その人、訴えを取り下げると言うんでっか」「いや。こうして書類になったものは、ちゃんとケリを付けないとダメなんです。書類送検のあと、身柄拘束、裁判ということになります」「よろしいで。裁判やりまひょ。拘置所いうとこ、ハナシのタネに１遍入ってみてもよろしいで」　刑事達の思惑に反して、老人は「知らん。知らん」を繰り返した。刑事達は、アス老人の妻に説得してもらおうと相談し、夫人を迎えに行った。　アス夫人はなにも知らないようだった。　刑事は車の中で、ジケンのあらましをかいつまんで話した。「９千円の紛失ジケンですか」「いや。窃盗事件です」「katuケイサツって、ヒマなんですねえ」「いや。ヒマなことはないですよ。忙しいのに、簡単に済むと思ってたことが簡単に済まんので困ってるんです」「その人、１万円で千円しか買わなかったんですか。よっぽど困ってはる人なんですねえ」　夫人は、アス老人と同じことを言った。「いや。友達の車を借りて、使った分を入れて返すべしだったらしいです」「使った分といわず、満タンにして返したらよろしいのにね。そんな根性やから、お金失うんですわ」　「出来心ということもあるんやから、あっさり認めてくれはったら、書類だけで片付くんですけどね。ご主人も強情ですねえ」「間違うたことは、しない人です」「知らん、知らんばっかり言うてはるけど、写真見たらご主人しかないんですよ。おくさんから説得してもうたら……」「それは、無理ですわ」「あははは。ムリですか」　アス夫人は老人とは別の調べ室に通された。モトオと名乗る刑事が、カメラからのプリント写真を見せて説明した。「キムラの車が出て行くところ。これはご主人の車。ご主人が手を上げているところ。この手の位置が不自然でしょう」「さあ……」「お釣りの出る口は上の方なんです」「お金を仕舞ってるようには見えませんね」「でも、ガソリン買う時は最初にお金を入れるのに、この手は違いますやろ。この機械は、お釣りが残ってたら一旦抜いて、それからしか入れられんのです。お釣り忘れて行ったら、事務所の方にブザーが鳴るそうです」「その人が出て行って、主人が来るまで、何分あったんですか？」「７分です」　その２分間になにがあったか、と此のあいだ船の衝突事件でモンダイになっていた。飛行機墜落事件の時は４分だった。７分といえば、事務所にいる店員がビデオを消して出てきて、お釣りを抜いて戻ってまたビデオを点けることが出来る。「ご主人、認めんかったら身柄拘束して、手錠はめてケンケイの方へ送られて、また調べられて、裁判ということになります」　車の中で説明した刑事と同じことを、モトオ刑事も言った。　「もう３時間ほど、調べてもうたら、答えが変わるか知れませんよ」「いや。ご主人血圧が高そうですから、ひっくり返りはっても困りますので…」「あっちこっち病気抱えてますからねえ。毎日、１２種類のクスリ飲んでますわ」「そうですか。顔色見ながら、質問してますんやけどね。血圧高そうですんで、気ィ使います」「なんやったら、今晩ここへ泊めてもうても……」「明日も遠い病院へ行かれるそうですね」「そうですか。病院もあっちこっち行ってますわ」「で、今日のところはお引取り願います」　モトオ刑事は夫人に、身柄引き受け書にサインさせ、別室からアス老人をつれて来た。「あ。お前、なにしに来たん？」「迎えに来はったから…」「へええ。なにしてんのん？」「身柄引き受け書にサインしてますねん」「へええ」　　家まで二十キロほどある。夫人を迎えに来た刑事が送ってくれるという。夫人は無印の車の左のドアを開けて乗り、老人は右側のドアから乗った。田舎の町はもう真っ暗だった。家の前で、何気なくドアを開けようとしたアス老人は「あっ。開けへん」と驚いた。「こっちは逃亡防止になってます」「逃亡防止ですか。あはははは」夫人が面白そうに笑った。　これはほんとの話です。　さて、この後はどうなるやら--------　ご意見があればお聞かせください。

  2008.03.15

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• 謎の楽隊

  　急に暖かくなったから、出て行った。　カエルみたいだ。　　大阪の母の家へ。電車で行くと商店街を通り抜けるのだが、バスで行くと、薬局、食堂、金物屋と、寿司屋しか無い。お昼前だったので、巻き寿司を２本持ち帰り用に包んで貰った。スーパーで３８０円ぐらいのが４２０円だった。　ヘルパーさんが来ていて、母は買い物を頼んでいるところだった。新聞のチラシを広げて、「特価のサバとバナナと、ほうれん草。サバは３枚におろして４つに切ってもうてください。生姜一つ」　この前行った時もサバの煮たのがあって、「１人で毎日サバ食べてたらイヤになるなあ」と言っていた。「半分塩して冷凍庫に入れといて、なんにちも後で焼いて食べたらええねん」「そうしようか」　ヘルパーさんが買って来てくれたのを見たてびっくりした。うちで買う半分ほどの小さい切り身。薄いから腹の方はそり返っている。半分冷凍するほどのこともない。アジみたいなサバだったようだ。「みな煮付けにしといて。食べる時に焼きます」　鯖に生姜を入れて煮付けて、掃除機をかけて、ヘルパーさんが帰った後で見たら、汁しゃぶしゃぶの中に反り返った切り身が浮いていた。生姜は輪切りで４枚。甘い。　生姜を千切りにして、醤油を足して、汁が少なくなるまで煮直した。「生姜、輪切りにしてはるわ」「そんなもんや。あの人は手際良い方や。昨日、お菜とお揚げを炊いてくれた人、お菜のオツユかと思た。汁の中にお菜が泳いでた」　サバが浮いて菜っ葉がオヨグ。「お汁、ほかしたらええねん」「卵とじにした」「自分で炊いたら？」「折角来てくれてはるのに、調理は要りません、とは言われへん」　好きなもんを好きなように作って食べられるから家はええ、と言っていたのに。ヘルパーに気を使うのなら、上げ膳据え膳のケア・ホームの方がいいだろうに。　トイレの便座の後部に、４つ畳みにしたタオルが絆創膏で止めてあった。それで初めて気が付いた。便座の温度が調節出来ないようになっている。夏は勝手に弱くなっていたのだろうか？「タオル当ててるやろ。『モシモシカメヨ』が鳴ったら熱い熱いになるねん」　モシモシカメヨのこと、１２月にも言っていた。「このごろは、いろんな歌が聞こえる。『デタデタツキガ』やら『お山のたいしょー』やら、『どんぐりころころ』やら。ドンドンドンドンなんやら叩いて、やかましいやかましい。夜中でも朝の早ようからでも、昼間も……」　みんな１拍子で歌える童謡だ。「向かいの人、そんなん聞こえません言うてはったやン」「うん。向かいの人は聞こえへんねん。自治会の当番さんも聞こえへんて。私だけに聞こえるらしい」「おかしいなあ」「おかしいなあ。あの楽隊」　首を傾げている。おかしい。　

  2008.03.11

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• 時間がない

  　ショータンは、気に入った服ばかり着ている。　10年も前に私が編んだカーディガンがよれよれになったから、暮に解いて編みなおし始めた。１月、振り込め詐欺にパソコン壊されて、２月はデータ整理やなにやらであまり編み物する時間がなかった。３月になってまた編み続けた。最初は太い針でザクザク編んでいたけど、今度は針が細くて毛糸が少し足りない。残りの毛糸か似たようなのがあった筈と、押入れの箱ひっくり返しかき回し探した。　写真ばっかり入った大きなダンボ－ル箱が出て来た。捨てようかと出して調べたけど、捨てるのは少ししか無い。毛糸もない。部屋中ドロボーが入ったようにして、拒絶反応起こさない程度の色のを袖口と裾と襟にあしらい、やっと昨日完成した。　編みたくなる毛糸がいっぱいある。　編んだ毛糸の服もいっぱいある。　編み直した方がいい服もいっぱいある。　しんどっ。　

  2008.03.09

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• 直らない

  ラクテン、また勝手にレイアウトを変えている。　真ん中こんなに広くして、格好悪いなあ。　３度も修正したけど直らない。タイトルも入れたのに消えてしまった。　２月の末にマクドナルドへ行った。スクラッチ・クジのカードを１枚くれた。「ここを削ると、書いてある品物をプレゼントします」「二人で１枚って、なんで？」「セットを注文したヒトだけくれたんと違う？」　　周りを見回しても、みんながみんな貰っているようにはない。　「まあ。ええか」早速１０円玉で削った。「270円のエビバーガー」が当たった。　交換期限は３月末日。　　今日、大阪へ行った。お昼、ラーメンかお寿司と思ったけど、カードを思い出してマクドへ行った。珍しく、幼稚園児を連れたヤンママ達や中学生で満員だった。テーブルが空いてないのに、椅子二つとテーブル１個を占領して居眠っているおじさんがいた。　窓際のテーブルをゲットして待っていると、ショータンがお盆を運んで来た。「カード使こても高いぞ。エビバーガーとコーラ中サイズ。ベーコンバーガーとホットコーヒーだけで、880円もしたと言う。レシートを見ると、「エビバーガー250円」と書いてある。「270円のをプレゼントやったのに、250円付いてるわ」　レシートを持ってカウンターへ行ったショータンは、すぐに戻って来た。「280円のバーガーが、30円引きやってんと」「えー？　そんなことないわ。270円のエビバーガー、プレゼントやった。何べんも見たのに。またウソ？」「まあええやん。」　この満員は、騙されたヒトばっかりか？　ずっと前にも、マクダノはインチキと書いたことがある。　横のてーぶるで、女子大生らしい二人がタバコをモクモク吸っていた。ガラスの間仕切りに、「全店禁煙席」と書いた札が貼ってある。若い女の子がタバコを吸っている図は見好いものではない。タバコの臭いがこっちまで漂って来る。ちょうど、店内整理のおばさんが来たので、「あの子らタバコ吸うてるの、ちょっと注意してください」と言った。おばさんはそのテーブルのそばまで行って、こちらへ来た。「あの席は喫煙席ですので、仕方ないんです」と私に頭を下げた。「喫煙席ですか？　へええ」　おばさんがあっちへ行ってから、張り紙を見直した。「全店禁煙席」　間違いなく書いてあった。ドラマで、悪者が挟み撃ちになったとき、弱そうに見える方へ向かって来るのと同じだ。いや。女子大生が噛み付くというのではなく。女子大生の方が、この先長いご贔屓客になると判断したのだろう。　マクダノがバカなのか、従業員がみんな愚かなのか……？「もう１回言うて来たる。全店禁煙席と書いてるもん」　立ち上がった。ショータンは「やめとき」と手を振った。「従業員は、解っててよう注意せんねんから。そんなこと、どうでもええし」　カウンターへ行くと、お客が沢山並んでいた。さっきのおばさん従業員は見えなかった。　二つも誤魔化されて、すっきりしない。どうでもええか？　ブログに書いてやろうっと。あっちこっちに。livedoor、 goo、 yahoo、 teacup、 fc2、----------　　　

  2008.03.05

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• 殺しの定義

  　昨夜の洋画は「復讐もの」だった。　捕り物ドンパチで息子を殺されたマフィアのボスが怒って、主人公の妻と幼い子供を殺し、主人公も葬る。が、ヒトに助けられた主人公は、妻子を殺したマフィアをまた殺しに行く。主人公がケイカンかなにか、いまいちはっきりしない。　とにかく全編ドンパチ。　心優しい主人公。　マフィアのボスは、最愛の妻が浮気をしていると誤解して、相手の男を殺し、妻を列車に轢き殺させてしまう。　生き残っていたもう一人の息子が「ママは？」と訊くと、「列車で遠くへ行った」なんて無表情に答える。愛のある男。　親殺し、子殺しの日本で、誰がこの映画をテレビで流そうと企画したのか、不思議。　さっき、国会討論会のことを書いたのに、入れる画像を間違ったら、全部消えてしまった。もう１度はちょっと書けないから、映画の話にした。　題名は、「パニッシャー」2004年。米。　甘い監督はジョナサン・ヘンズリー。ヒーローはトム・ジェーン。マフィアはジョン・トラボルタ。　これで、映画を観るのはちょっとイヤになった。　　

  2008.03.01

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