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日本大好き、好きです早稲田日記

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2005年12月13日
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カテゴリ:世相・サブカル
 劇団四季というと「ライオンキング」「キャッツ」などの、老若男女楽しめるミュージカルが有名だが、終戦六十年の今年は、これまで過去上演した「李香蘭」「異国の丘」「南十字星」の三部作を順次再演している。

 この12月18日からは、いよいよ最終の「南十字星」の公演が始まる。

 「李香蘭」は、戦時中、映画俳優として満洲を中心に活躍し、五族協和、王道楽土といった日本の国策を宣伝する役割を担ったために、終戦後に中国側から反逆者として裁かれる李香蘭、実は日本人の山口淑子をモデルとしている。(残念ながら、見そこねてしまった。)

 「異国の丘」は同名の国民歌謡にあるように、日本の降伏の後、侵攻してきたソ連軍によって強制的に拉致されたいわゆる「シベリア抑留」の日本人のうち、支那事変のさなかに日中和平に奔走し、夢ついえて囚われの身となり、やがてソ連の対日工作を拒み毒殺された近衛文麿の子息、近衛文隆を、不撓不屈のプリンスとして描く。

 最後の「南十字星」は大東亜共栄圏の大義を信じて、インドネシアでの軍政に従事し、日本の敗戦後、インドネシア独立の為に日本軍の武器を住民に渡した罪で戦犯として処刑された青年将校の物語である。

 この三作品、単純な反戦平和作品には終わらないところがみそである。

 戦争の理不尽さや、国家の冷酷さ、人間の信念のはかなさやもろさを叫ぶのはたやすい。

 現にこれらの作品の中には、自己の保身や、相手を貶めようとする醜い人間も大勢出てくる。

 これらの作品が従来の反戦映画などと異なるのは、そうした醜い人間というものは、日本に限らず、どこの国にでもいるのだという、至極まっとうなことを、まっとうに描いていることだ。

 そして、戦争という運命にあらがいながらも、国家と自らの関係を位置づけようと苦悩し、自らの信念に忠実に、積極的に生きよう(死のう)ともがく人々の言葉や祈りを、現代の我々に呼びかけている。

 こうした歴史認識は、演出家の浅利慶太自身が語っている。

 氏は、「先生はこれらの作品を通じて戦争反対を訴えていらっしゃるのですか」と質した俳優に触れ、


「私は戦争ならなんでも反対というような、単純な反戦論者ではない。人間の歴史の中には、戦わなければならない戦争もある。外国が我々の国土を軍事占領し、民族を隷属させようとしたらどうだろう。当然、武器を取って立ち上がり、家族を、民族を、祖国を護るために戦う。侵略者を撃退し、二度とそうした事態を招かないようにしなければならない。そのためには命も捨てる。これは私自身が日本人であるための最低の覚悟だと思っている。ナチズムやテロリズムのように、無辜の市民を襲う暴力に対しても戦うだろう」
(公演パンフより)


 と語っていることからも分かる。

 その上で、政治の中枢にあって国策を定め、情勢判断をなす政治家に対しては、召集令状を受け取り、戦地へ赴く兵たちの痛みを忘れるなと語るのだ。

 私にとって最も心に響いたのは、「異国の丘」において、手紙を書き残すことを許されない捕虜たちが、帰国のかなわない戦友の遺言を皆で暗誦する場面である。

 そしてフィナーレには、この遺書の内容をモチーフにしたナンバー「明日への祈り」のコーラスで幕を閉じる


「明日への祈り」
涙さえ 凍りつく
最果ての 白い野に
つながれた わが友よ
明日を信じよう

音もなく 降り積る
シベリアの 雪の原
魂は 彷徨いつ
異国の丘に

苦しみの果てに はかなく消えた
名もなき命 祈り続けた
愛する人の 明日の幸せを

国破れて 山河あり
父母を敬い 兄弟結ばれ
妻を愛し 友を信じ
幼きを護れ 愛しき者たちよ

時はうつろい 生命果てても
いつかはとどけ わが心の声

いつの日か甦る 故郷の青い空
妻よ 子よ 父母よ
燃ゆる思いを

いつの日か甦る 故郷の青い空
妻よ 子よ 父母よ
燃ゆる思いを

 
「あなたはいかに生きて、いかに人生を終えますか」「真剣に生き、真剣に人を愛していますか」昔気質の日本人からの問いかけである。


〔関連文献〕
「収容所から来た遺書」辺見じゅん 文春文庫
「夢顔さんによろしく 最後の貴公子近衛文隆の生涯」西木正明 文春文庫


夢顔さんによろしく(上)


夢顔さんによろしく(下)


収容所(ラーゲリ)から来た遺書
収容所(ラーゲリ)から来た遺書






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最終更新日  2006年01月11日 21時59分35秒
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