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Blog de 院長日誌★医院をめぐる物語り

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2008.05.18
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カテゴリ:医院の「物語り」

こどもを上手に診ることができないようでは、一人前の「町医者」とは言えません。

「小児科」の看板を掲げていない当院ですが、ここ数年のあいだに、こどもの患者さんたちが急増。20年あまり勉強してきた内科のことなら、めったに困惑することもありませんが、小児科となると「どんな病気でも大歓迎!」ってわけにはいきません。

レストランで例えるならば、これまで常連さんたちだけに、こっそりとお出ししていた「裏メニュー」を、「当店のグランド・メニュー」として採用・昇格させるには、それなりの味や品質が保証されなければ、お客さん(こども&お母さん)にそっぽを向かれてしまいます。

そんなわけで、かねてより「内科開業医のための小児科特訓教室」に入門して基礎から勉強したいなぁと思っていたのですが、なかなかそういう教育セッションは開かれない。それなら、自分でやるしかありません。

内科医がこっそりと小児科の勉強をする会なので、「ない・しょ(内→小)の勉強会」というコード・ネームをつけて、半年以上にわたり密かに準備してきました。そして、PCNN第2回勉強会というかたちで、5月17日午後に当院で実現いたしました。

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 「ないしょの勉強会」の講師としてお招きしたOhsawa先生は、小児プライマリケア一筋に研鑽を積まれてきた小児科医で、現在は「くまさんこどもクリニック」という素敵な診療所の院長先生です。

★こどもの活動性に注意せよ。重症度は活動性の低下として表現される。
★小児科外来の8割を占めるのは感染症。それを勉強すれば診療は格別楽になる。
★季節によって変わる感染症の流行に敏感になろう。
★発熱では、年齢・持続期間・全身状態の組み合わせで重症度を判断すべし。
★嘔気・嘔吐は、まず原因追及、次に対症療法。腹痛は、まず原因追及、対症療法はあまりしない。下痢は、まず脱水の有無、次に原因追及。

上記のような、小児プライマリケアの現場で長年ご苦労された臨床医だからこそ語れる、「知恵(Clinical pearls)」の数々を惜しげもなく伝授してくださいました。正味3時間以上にわたるセッションでしたが、終わってみると実に短く感じられました。小児科領域における「反省的実践家(reflective practitioner)」であるOhsawa先生に出会えたことは、わたしたちPCNNメンバーにとって大きな喜びであります。

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今回の小児科勉強会には、N市民病院1年目研修医のみなさんもご参加いただきました。卒後15~20年以上の開業医と、今春ドクターになったばかりのフレッシュな研修医の先生が、「ともに学ぶ」、「開業医のオフィスなかで学ぶ」というのは、このエリアでは初めてのこと。「若い先生たちを巻きこむ」という、わたしの「もうひとつの夢」が実現した、幸せな午後の時間でした。

これからもPCNNでは、インディーズ系(?)勉強会ならではの、とんがった教育セッションをみなさまにお届けいたしますので、ご期待くださいませ。






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最終更新日  2008.05.18 23:09:17
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