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カテゴリ:ノスタルジックカメラで遊ぼう
ミノルタ「A」シリーズは35mmフォールプレーンの「ミノルタ35」や二眼レフの「ミノルタフレックス」シリーズに続く本格レンズシャッターカメラとして1956年に発売されました。 ミノルタメモをダイキャスト化したようなボディ両サイドが絞り込まれた丸っこい愛嬌あるスタイルから「ハムスター」とか「だるま」など後年様々なサブネームが付けられました。端正な日本のカメラというより外国のカメラのようなアクの強いデザインで安定した人気を持ってますね。 このAシリーズ、同年11月には採光式ブライトフレームを装備しレンズもf3.5からf2.8になった「A-2」へと進化します。そして翌57年の6月に決定版とも言うべきレンズ交換可能とした「スーパーA」が登場します。 そして59年にはスタイリングを一新したA3に生まれ変わりました。A3以降は全く普通のデザインになってしまい他メーカーのカメラとの区別がつかなくなりました。 普通はレンズ非交換の「A」交換式の「スーパーA」というのが良く知られています。ところがスーパーA発売の翌年にA2のバージョンアップ版が発売されていたんですね。それがモデル「A-2LT」で今回登場するカメラです。 最大の特徴はレンズ交換可能で専用の望遠レンズが用意されていた事。はい、前回のクイズはA-2LT用望遠レンズでした。 ブライトフレームも標準の中に望遠用フレームが常時出ています。もっとも四隅だけですので目立ちませんが逆に望遠で使うときはフレーミングが大変です。そうですねライカIIIgに近いですね。A-2LTはメスズーハーですからIIIgより使いやすいです。当然パララックスは連動補正されます。 このモデル、ミノルタのサイトでの呼び名は「A-2(望遠、標準レンズ付)」なんです。だからカメラも銘板を見ても「MinoltaA-2」としか表示されていません(A-2LTという名前は海外での名称ではないかしら)。区別するポイントはズバリ望遠レンズ用のガイドピンの有無です。 レンズ交換はスクリュー式です。標準レンズの絞りを開放値より更に反時計回りに回すとレンズが外れます。望遠レンズはレンズのガイドバーをボディのガイドピンに合わせてねじ込みます。 標準と望遠ではレンズの繰り出し量が異なります。交換レンズに距離計連動ヘリコイドを持たないRFカメラでは連動をどうするかが最大のネックですね。前群交換方式の蛇腹レチナは放棄しました。プロミネントは複雑怪奇な方法で克服しました。LTはちょうど両者の間の方式を取っています。 望遠レンズには距離計非連動のシングルヘリコイドがあります。そして使用方法はファインダーでピントを合わせた後、レンズを反時計回りに回してレンズを一杯に繰り出す。いわば半連動式。ダブルアクションになるとはいえレチナの読替式よりははるかに実用的ですし、プロミネントよりはるかに構造が単純で故障の心配は皆無です。 レンズを繰り出さない状態 無限側‥‥ピント来ていません 近接側‥‥やっぱり駄目です レンズを繰り出した状態 無限‥‥ばっちりです 近接‥‥これは画像を取り込む際にピントがうまく出なかったためで実際はばっちり来てますよ ところがここで最大の疑問が。私はガイドバーがレンズ繰り出しに制限を加えるいわゆる「補正」の役目を果たしていると思っていたのですが、いざ装着してみると別にあってもなくても関係ないように思えてならないのです。つまり補正の役目を果たしていない。 ところがこの疑問を解決すべく「minolta A-2LT」で検索をかけると出てくるのは「Dimag A2」ばっかし‥‥泣きたい。実用では上記の方法で問題なくピントがくるからノープロブレムなんだけど、だからこそ意味不明なんだわさ。 そしてもうひとつの謎が標準レンズに刻印されている「ABCD」の文字。全く意味不明(笑)。誰か教えてくれぇぇぇ。 実は最初に手に入れたのはTEREROKKORだけでした。しかも私はそのときLTの存在は知らなかったので、てっきりスーパーAの交換レンズだと思っていたのです。しかし良く見ると全く違う。「こりゃぁ特殊用途カメラの部品かなぁ」と放っておいたらカメラ屋で同じ物が並んでおり「A-2LT」用だと判明。ところが今度は「A-2LTって何だ?」という情けない始末(そう。A-2はレンズ非交換しかないと思っていたのね)。 更に時は流れてカメラ市でついにセットを発見するに至り、A-2にレンズ交換モデルが存在し「LT」と呼ばれている事を知ったのだ。長かったなぁ。ついでにプライスタグを見てひっくり返った。 その後は機会あるごとに店頭やオークションを眺めていたら、ある日A-2の名前でA-2LTが出ていたのを発見し無事保護いたしました。多分このカメラはボディから先に考えていたら手を出す事はなかったです。交換レンズを先に手に入れたのが運の尽きでした。 兵法で「将を射んとすれば、まず馬を射よ」という格言がありますが、私の場合は「馬を射たので将も射る羽目に陥った」というか。はは( ¨ )\☆情けない エルマーと同じサイズなのでかぶせフードが使えます。なかなか格好良いじゃないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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