第4回目の今日は、耳鼻科からは難聴について
精神科からは森田療法についての講演でした。
では耳鼻科の講演から・・・
一番初めのスライドにヘレンケラーが出てきました。
彼女の自伝によると、耳が聞こえないということは
言語をもたらし、思考のきっかけとなり
人間同士の知的なつきあいを可能にする声が
伝わらないということなんだそうです。
身体障害者福祉法(1950)の制定に
尽くした人でもあるそうです。
そのあともう一枚、歴史上人物のスライドが・・・
耳に関わる人といえば・・・ベートーベンです。
彼は25歳頃から耳鳴りに悩まされ、次第に聞こえも悪くなったそう。
45歳頃には殆ど聞こえなく、歯にくわえたタクトをピアノに当てて
音を聴いていたそうです。
次に音の聞こえる仕組みについてですが
頭蓋骨から直接蝸牛に正常に伝わらない感音難聴
外耳道→鼓膜→耳小骨→蝸牛へと正常に伝わらない伝音難聴の
2つがあるそうです。
伝音難聴を起こす病気としては
急性中耳炎・滲出性中耳炎・慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎
外傷性耳小骨離断・耳硬化症などがあるそうです。
急性中耳炎は風邪からおこる痛い中耳炎で膿が出れば
痛くなくなるそうです。アメリカでは抗生物質を一番使用する
病気なんだとか。治療法は薬物療法(抗生物質・鎮痛薬)の他
鼓膜切開があるそうです。
滲出性中耳炎は鼓膜の奥に水が貯まり、聞こえが落ちる
子供や老人に多くみうけられる中耳炎なんだそうです。
この中耳炎は小児難聴の中で一番多いが
7~8歳になると自然治癒する傾向もあるそうです。
慢性中耳炎は鼓膜に穴が3ヶ月以上あいている中耳炎で難聴や耳漏も
あるそうです。
真珠腫性中耳炎は合併症が怖い中耳炎で難聴や耳漏もあるそうです。
ちなみにこの↑病名は日本でしか通用しない病名なんだとか。
合併症には内耳炎・顔面神経麻痺・髄膜炎などがあるそうです。
外傷性耳小骨離断は耳そうじしてるときになりやすくオペが必要で
外傷性鼓膜裂孔は柔道や張り手でなることが多く静観していれば
治癒することが多いそうです。
耳硬化症は伝音難聴になり、白人に多いそうです。
ベートーベンはピアノの強い振動の音は聞こえていたそうなので
耳硬化症だったんじゃないかといわれているそうです。
もしもベートーベンが現在に生き手術を受けたなら
伝音難聴は手術で改善する可能性の高い病気なので
第9番は楽に弾けていたかもしれないということです。
感音難聴を起こす病気としては成人と乳幼児・小児とでは
種類がちがうそうです。
成人にどんな病気が多いかというと
突発性難聴やメニエール病や中耳炎後遺症や
薬物性障害(ストレブトマイシン・プラチナ製剤=抗がん剤など)や
加齢や内耳炎(髄膜炎)や脳神経腫瘍などがあるそうです。
加齢に伴う難聴は高い音から聞こえなくなり言葉の明瞭度が落ちるそうです。
薬剤性難聴は結核の治療時に服用するストレプトマイシンや
抗がん剤のシスプラチンで起こるそうです。
治療してるはずがベツの病気に罹ったなんてイヤですね。
以前、【チャングムの誓い】で薬は人によって良薬になったり
毒になったりするってシーンがありましたけど、この事ですね。
治療法としては
急性期はステロイドホルモン治療をして
慢性期は治療不可能なことが多く経過観察をしたり
QOLに支障をきたす時は補聴器をつけてもらったり
それでもダメな時は人工内耳の手術をするそうです。
ではもう一方、乳幼児や小児にどんな病気が多いかというと
遺伝子異常や内耳奇形や低体重出生児(1500g以下)や
子宮内胎児感染(風疹・サイトメガロ・トキソプラズマ・梅毒など)や
内耳炎(おたふく・はしか・髄膜炎)や外傷などがあるそうです。
遺伝性難聴は頻度の高い遺伝病で
1000人にひとりが言語獲得前に高度難聴になるが
その半数が遺伝性なんだとか。
この頃、新生児期に聴覚検査をしているが
出生直後の赤ちゃんは眠ってることが多く検査しやすく
両親への説明にも十分な時間が取れるからなんだそうです。
言語の獲得を考えると2~3歳が一番重要で
就学前になると10までの数がわかったり
文章を構成したりすることができるそうです。
この前の学会主催の講演会で子供の両眼視機能の獲得についても
早期発見・早期治療が大切だと話されてましたもんね。
↑6/4のブログ参照
では最後に補聴器や人工内耳について。
補聴器を使用するに当たって薬事法の改正により
医療機器なので耳鼻科での診察が必要なんだそうです。
アナログ処理するのとデジタル処理するのがあり
デジタルの方が高価だが優れているとは限らないそうです。
また医療機器なので試用してみてもいいそうです。
また人工内耳と言語訓練で普通小学校に通えるそうです。
もしもヘレンケラーが今の時代に生きていたら
人工内耳で快適な生活ができ“奇跡の人”ならぬ
“普通の人”になってたかもしれないそうです。
後半の精神科の森田療法ですが関心があったのですが
前半に集中しすぎて・・・集中できませんでした、すみません!
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Last updated
2006.08.28 11:39:11
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