風は山河より
宮城谷昌光「風は山河より」を読みました。「小説新潮」に2002年4月号から2007年3月号まで連載された作品。単行本は全五巻です。第一巻と第二巻:2006年12月、第三巻:2007年1月、第四巻:2007年2月、第五巻:2007年3月。宮城谷昌光さんにしては珍しく日本の歴史小説です。愛知県生まれの宮城谷さんが高校生のときに興味をもち調べた菅沼定盈(すがぬま さだみつ、1542年−1604年)が主人公です。菅沼定盈は野田城の戦い(のだじょうのたたかい、1573年)で30,000名の兵を有する武田信玄(1521年−1573年)の軍と、500名程度の城兵で戦い、1ヶ月持ちこたえた城将です。その後、定盈は捕虜として武田軍に連行され信玄と面会します。菅沼定盈の祖父:菅沼定則(すがぬま さだのり、1493年 − 1547年)、父:菅沼定村(すがぬま さだむら、1521年 − 1556年)と野田菅沼氏3代にわたって語られました。松平清康(まつだいら きよやす、1511年 − 1535年)、松平広忠(まつだいら ひろただ、1526年 − 1549年)、徳川家康(とくがわ いえやす、1543年 − 1616年)と安城松平家も3代にわたって語られました。今からわずか450年前、静岡・愛知あたりで、人質交換、騙し討ち、皆殺し、串刺し、鋸挽き、などが広く行われていたことに驚かされます。平和な現代に感謝です。