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日比谷バーというバー・チェーンがあります。「BAR」あるいは
「バー」という固いイメージを打ち砕き、もっとカジュアルに お酒を楽しんでもらいたい、というオーナーの気概が伝わってくる 楽しいお店で、銀座にはウィスキーが専門の店舗の2ヶ所あります。 その日比谷バーが、モルト専門バーで提携しているサントリーと 開発したオリジナルボトルが「夢」と名づけられたウィスキー。 中身は、ボウモアとレダイグだそうです。 裏面のラベルには、「夢の味 潮の香る暗い部屋で 原酒達の見る夢は 天使と共に天に昇る夢 それともマリッジを想う甘い夢 静かに静かに時を刻み 眠りにつく・・・」と書かれています。 ウィスキー作りをテーマにしたドラマが、毎朝放送されている今は きっと竹鶴政孝やスコットランドやスモーキーフレーバーといった ものが、ウィスキーを通して想像する一般的な夢であろうと思い ますが、私自身が感じたものは、もう少しリアルなものでした。 というのは、このオリジナルブレンドウィスキーは、今はなきアイラ 島のポートエレンのウィスキーを思わせるものだったからです。 このウィスキーを構成する原酒のうち、ボウモアを思わせるのは スモーキーなバーボン樽熟成の、どちらかといえば「甘め」の原酒。 一方レダイグを思わせるのは、ピーティーでウッディなホッグズ ヘッド(?)熟成の、どちらかといえば「辛め」の原酒。 この二つが合わさって、ピーティーでスモーキーで溶剤臭い、あの 永遠に失われてしまった、いかにもアイラ島を表現しているポート エレンとうり二つだったからです。 当の本家は1983年に閉鎖され、何棟か残るウェアハウスもそろ そろ底をつくだろうといわれている昨今に、このようにカジュアル に幻のウィスキーを感じさせてくれるのは、偶然かブレンドによる マジックかのどちらかですが、もし後者を意図して作られたのだと したら奇跡としか言いようがありません。 残念ながらラベルには熟成年数の表記はなく、アルコール度も40 度に加水されていますので、原酒の熟成度合いは不明ですが、飲ん だ感じでは8年~の原酒をいくつか混ぜているものと思われます。 バーテンダーさんに、もしこれも市販したらきっと売れると思う から、もっと作って売り出してください。僕が一本買いますよ、 とお伝えしたら、「上の者に伝えておく」との言質をいただきま した。 こうなったら、上の者とはサントリー社長の新浪剛史氏であることを 祈るばかりです(笑) 感謝! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年03月01日 16時49分14秒
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