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老いてこそ勉強

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November 1, 2019
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11月1日(金)


如己堂

如己堂の室内。ガラス窓に正午の光が反射しているが。
棚にあるデスマスクに衝撃を受ける。

デスマスク同じ白さに残りいてマリアの像は見守りてたつ


英検を受けた10月6日、会場のすぐ近くにある、永井博士の如己堂に
勇気を出して入っていった。もちろん外からガラス戸越しに写した。
狭い2畳ほどの部屋。それに狭い廊下が1間長さほど。

「如己堂は、2畳一間きりの家。北側の壁に香台、本だなを取り付け、
その下に幅2尺長さ6尺の寝台をおいて、ここに私は身を横たえている。
西側は一面の白壁、何の飾りもない。東と南はガラス戸で、草に埋もれる
原子野を隔てて浦上天主堂にに向かう。

途中省略

如己堂・・・己の如く人を愛す、という意味を名にとったこの家は、家も妻も
財産も職業も健康も失って、ただ考える脳、見る目,書く手だけを持つ廃人の
私を、わが身のように愛してくださる友人が寄って建てくださった。そして
今に至るまで、その数々の友の如己愛は絶えずこの家に注がれ、それによって
廃人の私は生命を確かにつないできた。寝たきりの私と幼い2人の子とが、
ひっそり暮らすにはふさわしい小屋である。(博士の「平和塔」より。





如己堂の小さな庭に秋のバラが一輪咲いていた。

緑婦人紅の唇一瞬に消えて未だに核廃絶ならず

原爆投下、そのとき・・・
永井博士の「ロザリオの鎖」より。

私は研究室で長年とりくんでいた放射線の障害を受けて、白血病にかかってしまった。
余命あと幾年もないと診断された日、私は信頼している妻に全てを打ち明けて、
善後策を考えようといった。その時妻はぎくりともせず聞いていた。
私の予期した通り妻がしっかりしているのでうれしかった。そんな運命はかねて
妻も覚悟をしていたのである。
8月8日の朝は、妻はいつものように、にこにこ笑いながら私の出勤を見送った。
少し歩いてから、私はお弁当を忘れたのに気が付いて家へ引き返した。そして
思いがけなくも、玄関に泣き伏している妻を見たのであった。


それが別れだった。その夜は防空当番で教室に留まった。あくる日9日。
原子爆弾は私たちの上で破裂した。私は傷ついた。ちらっと妻の顔が浮かんだ。
私たちは患者の救護に忙しかった。5時間ののち、私は出血のために畑に
倒れた。その時妻の死を直覚した。というのは、妻がついにわたしの前に
現れなかったからである。たとえ深傷を負うていても、生命のある限りは
這ってでも必ず私の安否を尋ねてくる女性であった。

3日目。学生の死傷者の処置も一応ついたので、夕方、私は家へ帰った。
ただ一面の焼灰だった。私はすぐに見つけた。台所のあとに黒い塊を。
・・・それは焼けつくした中に残った骨盤と腰椎であった。そばに
十字架のついたロザリオの鎖が残っていた。
焼けバケツに妻を拾っていれた。まだぬくかった。私はそれを胸に抱いて
墓へ行った。あたりの人はみな死に絶えて、夕陽の照らす灰の上に同じような
黒い骨が点々と見えていた。私の骨を近いうちに妻が抱いていく予定であった
のに…運命はわからぬものだ。私の腕の中で、妻がかさかさと燐酸石灰の音
をたてていた。わたしはそれを「ごめんね、ごめんね」といっているのだと聞いた。










私の今の英語勉強。

長崎原爆ミュージアム の紹介を最初はA4に一杯の文章であったが
先生が覚えやすいように短く短くと何回も書き直してこれだけにして下さったのを
私たちは皆さんのお顔を見ながら説明できるように、頑張っている。
私もやっと半月ほどかかって言えるようになったが、使わないとすぐに記憶から
飛んでいくので毎日何度か言うようにしている。
それはもうだただの暗唱というより、
原爆の死傷者、あるいはいま世界で起きている争いの犠牲者へ
捧げる祈りのようなものである。そして核兵器がこの世からなくなりますように。



一瞬に命を、あるいは何日か生きて苦しんで命を亡くされた方々の無念の思いを
おひとりだけにでも伝えられたらいいなあと思う。

この文章の中で人を一瞬に焼いた原爆の熱線は何千度あったそうだ。







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最終更新日  November 1, 2019 12:00:14 AM
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