【作品要約】
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
振られた原因はおそらくクリスマスプレゼントに
「太陽電池で半永久的に手招きをする招き猫」を
送ったことなんでしょうが本人は全く悪いと思っていません
「青い春っていいな」とつくづく思いました。
私は大学には行っていないので
この主人公のようなぐうたら大学生の気持ちはイマイチ判りませんが
目標が無い大学生活って毎日が葛藤なんでしょうねぇ。
尻を叩かれないと動かない私は自主性を重んじる大学よりも
専門学校の方が性に合ってました。
主人公が太陽の塔を
「つねに異様で、つねに恐ろしく、つねに偉大で、つねに何かがおかしい」
と表現します。まさにその通り。いつ見ても素晴らしい。
この本を読んでまた太陽の塔を見たくなりました。
後からクスッと笑えるある意味ファンタジーな恋愛小説です。