家のお母ちゃん
家のお母ちゃん。
もうすぐ61歳になる。
うちのお母ちゃん。
しょっちゅう何かを食べているから、最近太ってきた。
うちのお母ちゃん。
人が来ると豪華なご飯を食べられないほど作る。
満腹で殺されてしまうのではないかと思うほど沢山作る。
私たちは飽食の時代に生まれ、どんなに貧しくても食べ物に困ったことはない。
母親は戦後12年に生まれた。
食べ物がなくて、雀をとっては焼いて食べていたとか。
近所の柿ノ木の柿を盗んで縛られた
事もあるそうだ。
魚や肉はなかなか食べられなくて、クリスマスの時に出る、鳥の煮物がご馳走だったとか。
あの何もない幼少期を過ごしてきたのだから、お腹一杯食べさせてやりたいと思う親心も、何となく解る気がする。
でも私は漬物とご飯だけで充分だ。
最近、空腹を覚えず何となく寂しい。
母からしたら贅沢な悩みなのかもしれない。
飢えで死ぬ人もいる国からしたら贅沢なのかもしれない。
頂きます。
ありがとうと言ってお腹一杯食べている。