歌 と こころ と 心 の さんぽ

♪　二十歳なるギャラリーにして新たなり女主人のまして輝く

　常滑焼の工場の倉庫を改造して始めたギャラリーとカフェの店「常滑屋」。焼き物散歩道のスタート地点近くにあり、今年２０年目を迎えたという。
　焼き物散歩道は、「常滑やきもの散歩道」とは昭和初期ごろ最も栄えた窯業集落一帯を指し、今も点在する煙突・窯・工場など、時代と共に使われなくなった歴史的産業遺産を巡る観光スポット。
　開店当初は、数人の主婦で始めたのだが少しずつ減って、今のオーナー・伊藤悦子さん一人が残って奮闘。造り酒屋の「白老」で有名な澤田酒造と二人三脚で運営しているが、よくぞここまで続けて来られたと思う。
　今でこそ周りにいろんな店が出来て「常滑やきもの散歩道」を知らない人は居なくなったが、当初は何だか侘しげな風情だったことを覚えている。

オーナーの伊藤悦子さん

　確か、１８年前の１９９６年。ヒロシマ鎮魂のライブのために来日していたマル＆マラ・ウォルドロン親娘が全国ツアーし、その一環で常滑でもコンサートを開催した。その「マル＆マラ」コンサート実行委員会が結成され、コンサートの模様を記録撮影のために私も参加していた。当時私はＣＶＣというビデオ・クラブに所属していて、カメラマンを務めたのだ。ピアノの真横にカメラを据えての重要なポジションで、ピアノ演奏がどうだっかは全く記憶にない。
　それで、無事コンサートが終了し「打ち上げ」となった。その会場がオープンして２年目の「常滑屋」だったのだ。天井が低く足元は凸凹して不安定で、如何にもみすぼらしい会場だなぁと、何だか落ち着かない気分だったことを覚えている。マル・マラ親子にスタッフＴシャツの背中にサインを貰たが、汗まみれのシャツゆえ大切にするという発想も無くどこかに行ってしまった。

娘マラもビリー・ホリディの薫風を受けているジャズ歌手だ。

　そんな思い出のある「常滑屋」の内装は、喫茶・食事のスペースが改良されている以外、基本的には当時とあまり変わらない。ギャラリーの天井は低いままだし、足元も当時のままだ。しかし、歳月が作り出す味わいというものがあって、「常滑屋」独特の雰囲気を醸し出している。

　私も二度ほどここで個展をやらせてもらった。１回目の時は「社会人落語の会」のメンバーに来てもらい席亭として寄席を企画、２度目の時はソプラノ歌手とホルンのジョイントコンサートを企画した。狭い会場には人が溢れ、低い天井に落語と歌が響き渡った夜の光景が懐かしい。

　
２度目の個展　２００４年１１月

　
個展の時はいつも会期中に何らかのイベントを企画していた。

　オーナーの伊藤さんは、２０周年を機に若い人たちとも交流を深めながら、今は衰退している知多木綿を復活させるべく新たな意欲を燃やしている。

◆２００６年５月８日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、２００９年２月中旬より再スタートしました。
◆２０１１年１月２日からは、楽歌「ＴＮＫ３１」と改題してスタートすることにしました。◆２０１４年１０月２３日から「一日一首」と改題しました。

★ 「ジグソーパズル」　自作短歌百選（２００６年５月～２００９年２月）

☆短歌集「ミソヒトモジ症候群」円居短歌会第四歌集２０１２年１２月発行

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