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テーマ:DVD映画鑑賞(14213)
カテゴリ:映画
今日こそは、DVDを観たいと選んだのが、
黒澤明監督の『どん底』。 テンポのいい、スッキリ感のある娯楽作品を期待していたのですが、 全然違いました。 この映画で特に光って面白かったのは、左卜全が演じる御遍路の嘉平。 おとぼけでユーモラスながら、 とても含蓄のある知的な会話をするのです。 その根底には人間に対する温かな眼差しがあります。 「もうすぐ死んで、楽になれるから、安心しなさい。」 なんて病気で今にも死にそうな人に言うところは、超現実的。 「がんばって生きるんだ」なんて励まさないところや、 亡くなったことを過剰に引きずらないところも、 極貧すぎて、引きずって悲しみに浸っている心の遊びすらない、 そんなところが、ウソがないんですねぇ。 そんな映画を観た後で、 知人から愚痴交じりの電話がかかってきました。 いつもなら、彼女に同調して、いっしょに怒っていたと思いますが、 今回はこの映画『どん底』の嘉平の影響を受けたせいか、 彼女の話を聞いても、そんなに腹も立ちません。 結果、怒っていた彼女をポジティブな気分にさせて 電話は終わりました。 人のことを悪く言うのは、後味の良いものではないし、 ちょっと彼女にはリップサービスしすぎたかなって気もするけど、 気分よくなってもらえた方が、私としても 気分がいいのよね。 これは、『どん底』効果かな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.16 01:41:06
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