英語を話せるようにさせたい、と思う前に・・・

2017.10.16

カテゴリ：カナダ生活

夏休み中に日本の高校生のホームスティのお手伝いをする
機会がありました。

10日程度の短い期間のホームスティ兼英語研修で、
学校ぐるみのの海外研修プログラムで、40人程度の高校生が、
私の町にやってきました。

それぞれ、カナダ人の家庭にホームスティしたわけですが、
カナダ人と言っても、カナダは多民民族国家で。
多様性を大いに認めたている国ですから、
英語が上手く話せない中国系家庭、早口なインド系家庭、
アクセントの強い韓国系家庭、
もちろん、日本系家庭などいろいろあるわけです。

みんなカナダ人だし、それがカナダ。

そして、この英語研修の締めの「さよならパーティ」に
参加した時のこと。

あるカナダ人のホストファミリーに、今回ホストした
感想を聞いたところ、諦め顔で、一言。

「話さない！」

でした。

この手の話は、よく聞く話で、他のホストも同じことを言っていました。

とりわけ、印象的だったのは、日本人ホストの話。

最初のうちは英語で話しかけてたけど、意味が理解できなかったり、
「Yes」か「No」しか返ってこない、ので、
試しに日本語を使ってみたら、やっぱり「はい」と「いいえ」プラス、
多少の返事が返ってくる程度で、相手から話しかけてくることは、
なかった、ってことなんですね。

最低限の会話以外、
日本語でも沈黙だった、ってことなんです。

つまり、「話さない」っていうのは、英語力の問題以前に、
会話力、コニュニケーション能力の問題なんですね。

カナダは、とってもフレンドリーな文化で、
見知らぬ人とも、気軽に会話を楽しみます。
みんながみんな完璧な英語を話すわけでもなければ、
間違った英語にも寛容だし、理解しようとしてくれる姿勢も
とても強い国なのです。

ですから、下手な英語でも話せるようになると生活の楽しさも倍増する反面、
話そうとしない、表情や反応がないと、いくらフレンドリーな
カナダ人でも、相手に対してなんの興味を湧きません。

これはホストファミリーもいっしょで、
日本人学生の受入が歓迎されるのは、
ほったらかしでも、ご飯が悪くても、部屋が良くなくても、
大人しくて、文句を言わない、しかも部屋は綺麗に使ってくれる、
手も気を使わなくても良くて、楽、っていう
開き直った意味もあるのです。

日本人学生は、自発的にホストと交流するのが苦手で、
ホストファミリーといっしょに映った写真はあっても、
実はホストファミリーとほとんど交流らしきこともなく、
帰っていくケースも多いのです。

たとえ英語のテストの成績は良くても、
英語の会話のクラスでは、綺麗な英語を話せても、
メールやテキストでは、即座に返事が返せて、話が盛り上がるとしても、
その場にいる人とちょっとした会話を弾ませることができない、
表情や反応がない態度は、相手が、日本人にしても
カナダ人にしても、相手を不安にさせるのは、いっしょです。

そんなホストファミリーを不安にさせて、
開き直らせる、日本人学生は少なくないのです。

これでは、英語をいくら勉強しても
どれだけいろんな国にいっても
話すための英語にはなりません。

ホームスティをさせてあげられる親御さんたちは、
多額の研修費用を出していると思うし、
海外研修・ホームスティの体験は、お子さんたちにとっても
とても貴重な体験になるはずです。

ですが、その海外研修・ホームスティ体験を十分生かせるかどうかは、
プログラムでもスティ先でもなく、
やはりそれぞれのお子さんたちに掛かっています。

日本語で何を話せばいいかわからない、ということは、
英語でも何を話していいのか、わからず、話せないのです。

こうしたコミュニケーション能力・会話力は、
どこで一番育みやすいか、と言えば、
やはり家庭だと思うのです。

ですから、お子さんに英語でいろいろ話せるように
なってほしいと思うのであれば、
英語の勉強、英語の塾、海外留学、と思う前に、
お子さんと家族でちゃんと会話をしているかを
まず、気にした方がいいように思うのです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

日本語力と英語力／齋藤孝／斎藤兆史【1000円以上送料無料】
価格：777円（税込、送料別) (2017/10/16時点)

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう

Last updated 2017.10.18 01:30:34
コメント(0) | コメントを書く

[カナダ生活] カテゴリの最新記事

晴れ時々明日香 in Canada

英語を話せるようにさせたい、と思う前に・・・

晴れ時々明日香　in　Canada