テーマ:華麗・大川橋蔵の時代劇(453)
カテゴリ:大川橋蔵 映画 (主演)
どうしても果たさなければならぬ仕事がある
領内の一揆は手には負えないほどに拡がっていると、城に帰って来た祐吾は、父直之進の仇正人を討つという復讐の念を固く誓い、直之進の眠る墓前に行くと、毎日花を添えている雪野の姿がありました。必ず正人を探しだし斬るという祐吾に、雪野はどんなことがあっても正人が好きだと答えます。そこへ正人を城下で見た者があるという知らせが祐吾に届き立ち去った後、泣き崩れる雪野が背後を振り返ると、正人が立っています。雪野の「正人様」の声に、正人は駆け寄り、二人はしっかりと抱き合います。 やっぱり帰って来てたと喜ぶ雪野に 正人「俺は間違って直之進を刺した。許してくれるか」 そんな正人に、雪野は 雪野「私を連れてどうぞ何処かへ、知らない人ばかりいるとこへ逃げてください」 正人「俺もそうしたい・・・そうしたい」 雪野「父はあなたに殺されました。でも私はそれを忘れます。兄はあなたを父の仇 とねらっております。でも私は兄を捨てます。あなたと共に暮らせるのなら ・・・」 正人「雪野」 雪野「あなたから頂いたやさしいお言葉の数々、私はそれを一日とて忘れることは できません。忘れることはできません」 正人「雪野、その心は俺とて変わりはない。・・・だが、・・・許せ・・・」 そういって、雪野と握り合っていた手をほどいて立ち上がります。 雪野は正人の真の心を見たのです。 雪野「それでは正人様、正人様は私のために帰って来てくだすったのでは・・・」 正人「そう聞かれたら・・・俺は、そうではないと答えねばならん」 では、何のために・・・と言いたそうな雪野に、 正人「父上の子として、どうしても果たさなければならぬ仕事があるのだ」 雪野「そのためには、この私はお邪魔なのでしょうか」 正人「答えねばならぬのか」 じっと正人の方から視線を外さずいる雪野、しかし正人は振り向かず、その様子から精一杯耐えていると、 正人は「・・・許せ・・・」と一言いって立ち去るのです。 正人の言葉から絶望した雪野は、夕暮れの海に吸い込まれるように入っていきます。 続きます。 🎞️『炎の城』前回までの投稿掲載分は、ページ内リンクできるようにしてみました。下記のそれぞれをクリックしてご購読することができます。 炎の城・・・(1) 炎の城・・・(2) 炎の城・・・(3) 炎の城・・・(4) 炎の城・・・(5) 炎の城・・・(6) 炎の城・・・(7) 炎の城・・・(8) 炎の城・・・(9) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年07月29日 09時24分43秒
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