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子育て支援のセッションをやってきた中で、
忘れられない親子、忘れられない話がたくさんあります。 セッションでは、子どもの目標と親の目標を書くのですが、 ある母親は、親の目標のところに 「子どもの人格を否定するようなことを言わない」と書いていました。 子どもの人格を否定するようなこと・・・・・すごい言葉だなと思い、 自分の言っていることで母親自身が傷ついているのだと感じました。 それで、どういうことかをたずねてみました。 そうすると、彼女の小2の息子さんは学校でいじめられているとのこと。 そのことで彼女はとても心を痛めていましたが、 苦しむあまり、息子さんを見るとイライラしてしまって 「そんなだから、あなたはいじめられるのよ」 というようなことを言ってしまうのだそうです。 セッションでは、いつでも事実に基づいて冷静に原因を見つめ、 適切な対処方法を探します。 それで、そういってしまった場面を「行動日記」に書いてくることを提案しました。 一番最近、そのような言葉をぶつけてしまった場面はこうでした。 母親は、「もう時間だからお風呂に入りなさい」と15分前に予告(したつもり)して 時間になったとき、台所からリビングでテレビを見ている息子さんに、大きな声で 「早くお風呂に入りなさ~い」 と言っています。でも、息子さんは「うーん」とうなるだけで無視。 「早く入りなさいって言ってるでしょう!聞こえてるの?」 「うーん、わかってる」 「まだなの?早く入りなさい。聞こえてるの?テレビばっかり見て」 「うーん」 この辺りから、だんだんイライラし始めます。 声も、ますます大きくなり、感情的になり、エスカレートしてきました。 「早く入りなさいって言ってるのに、何よその生返事は。人のこと無視して」 「うるさいなぁ。もう。くそばばぁ!だまっててよ」 それで母親は切れて、 「人の言うことも聞かないで!そんなんだからあなたはいじめられるのよ!!」 と、一番言いたくない息子さんを傷つける言葉を言ってしまったのです。 その言葉で一番傷ついたのは、お母さん自身でした。 「私はだめな母親だ。子どもを否定してばっかり。自尊心を高くしてやりたいと思っているのにぜんぜんダメ。」 と落ち込んでいます。 「私は、あなたが子どもを否定するダメな母親だと思わないけど。 お子さんへの愛情が伝わってきますよ。 ねぇ、この指示の出し方。どう思う? 遠くから・・・ 大きな声で・・・ 指示を繰り返しているよ。お子さん、指示を受け取れたかな?」 セッションには、さまざまな子育てスキルを学びますが その中の一つに「はっきり穏やかな指示」というのがあります。 1.子どもに近づいて 2.名前を呼んで、注意をひく 3.どうするのかを言う 4.一回に一つだけ 5.具体的に 6.指示を出したら、5秒待つ(心の中で、お・だ・や・か・に と唱える) 7.その通りにしたら、心からほめる これをやってみるようにアドバイスしました。 一週間後のこのお母さんの表情は明るくて、会うと照れ臭そうに笑いました。 「いやぁ~、息子がこんなにもよく言うことを聞く子だとは思っていませんでした。 びっくりしました。すなおで。いい子で。 今まで、私の指示がわかっていなかっただけだったんだ・・・。 丁寧に、面倒くさがらずに、ちゃんと伝えると、大丈夫なんですね。 こんなできる子だなんて知らなかった・・・」 「お子さんのこと、かわいいと思ったんでしょう?(笑)」 「はい・・・久しぶりに(笑)」 Akiko お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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