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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2019年02月11日
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カテゴリ:ジャズ

長らく入手困難だったミラヴァッシの代表作「AVNTI!」(前進)
殆どあきらめていたが、先日amazonからお勧めのメールが来て、その中にこのディスクが入っていることに気が付いて、速攻で注文した。
再プレスしたのだろうか。
アマゾンのレビューがすべてが絶賛調で、期待していたのだが、実際聞いてみたら、それほどのことはなかった。
軍歌や反戦歌が集められているが、あくまでもミラバッシが考えるイメージで、原曲や既存の演奏とはまるで違うユニークな世界だ。
原曲のことを何も知らないで聴けば、ただの癒しの音楽と思われるかもしれない。
一曲目の「El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido」(不屈の民)こそライブ盤の「DAL VIVO!」(2002)に収録されていて馴染みの曲だったが、ほかの曲の存在感が薄い。
クラシックでも難曲として知られるジェフスキーの「不屈の民変奏曲」という作品がある。
この曲では、主題はあくまでも反戦歌らしい勇ましさが感じられる。
なので、ミラバッシの反戦歌とは思えないような悲しみを湛えた解釈は、同じ曲とは思えないほどだ。
全体的にはアドリブは控えめで、曲によっては物足りないこともある。
北見柊氏のライナーノートによると、このディスクは「革命歌、反戦歌、或は民衆の歌の私的なコレクションだ」とのこと。
演奏自体はミラバッシの初期の作品なので、現在と比べるといかにも線が細く、今にも壊れそうな脆さが、このディスクのインティメットな雰囲気を醸成している。
現在の録音に比べるとダイナミックレンジが狭いのも、功を奏している。
恐らく現在の技術で録ったならば、同じ演奏でも印象がだいぶ変わっただろう。
それに、青年時代のストイックな精神が現在のビラバッシに再現できるとも思えない。
自作の「Revolution」が他の曲に聞かれるようなあからさまな感情が感じられず、透明感がある。
最後のロシア民謡の「ポーリュシカ・ポーレ」はアドリブ主体で聴きごたえがある。
Carlos Pueblaの「Hasta Siempre」では弦をかき鳴らす音から始まる。
何事が起ったかと思うほどインパクトがあるが、音楽としては短く何度も聴きたくなる音楽ではない。
レオ・フェレがルイ・アラゴンの詩に付けた「Je Chante Pour Passer Le temps」(私は時間を過ごすために歌う)はアドリブが饒舌でジャズの醍醐味が感じられる。
ジリオラ・チンクエッティの「Sciur Padrun」(Sciur Padrun Da Li Beli Braghi Bianchi)
Bnda Bassottiの「El Paso Del Ebro」(エブロの浅瀬)はスペイン内戦のエブロ川の先頭を描いた歌だが、ここでの演奏は極度に洗練されていて、原曲の持つ雰囲気はすっかりなくなっている。
恐らく、原曲を当たってから聞くと、ミラバッシ独自のイメージの広がりが実感できると思う。
こんな曲がと思うような武骨で荒々しい曲が高度に洗練されている例がこのディスクにはいくつもある。
ただ、例えばアイルランド民謡の「ジョニー、あなただとわからなかった」の変にソフィストケートされた編曲など違和感がある。
ブックレットは良く出来ている。
曲の詳細な解説と、題材となった歴史上の出来事を撮った写真がふんだんに使われていて、曲の成り立ちと背景を理解するのにとても役立つ。
ということで、世評とは違う感想だったが、ミラバッシのオリジナリティが最高度に発揮された優れた作品であることは間違いない。

Giovanni Miravassi:AVANTI!(澤野工房 SKE333015)

01.Eduardo Carrasco:El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido
02.Anna Marly:Le Chant Des Partisans
03.Francois Ladrezeau:Ah! Ca Ira
04.Antoine Renard:Le Temps Des Cerises
05.Carlos Puebla:Hasta Siempre
06.Leo Ferre:Je Chante Pour Passer Le Temps
07.Traditional:Sciur Padrun
08.Traditional:El Paso Del Ebro
09.Johnny Clegg:A Si M'Bonanga
10.Rene Tybh:La Butte Rouge
11.Pietro Gori:Addio Lugano Bella
12.Traditional:Johnny I Hardly Knew Ye
13.Traditional:Bella Ciao
14.John Lennon:Imagine
15.Giovanni Mirabassi:My Revolution
16.Knipper/Goussev:Plaine, Oh Ma Plaine

Giovanni Mirabassi(p)

Recorded 14-15 May and 3 November,Studio La Buissonne,Pernes les Fontains





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Last updated  2021年02月18日 00時29分39秒
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