9月
ゆうべ、帰って来た時、あの時の気持ちを思い出した。離婚したのが9月だったからだろう。離婚してすぐ、部屋の灯りがついていて 一瞬、みんながいるのかと期待してしまった あの金曜日。みんながいて、彼がご飯を作ってくれていてそれを「もしかしたら」と期待してしまった あの日。明かりは消し忘れられただけで 部屋には誰もいなかった。さみしくて泣いた。自分も幸せを探すべきだと思った。実際には、彼がご飯を作ってくれる事は なくなっていた。いつも買ってきたおかずで私が帰る前に「仕事」と偽り、出て行ってしまっていた。彼はいつも逃げていた。私も子供たちも いつも 遣る瀬無い気持ちでいた。だから、離婚を決めた時にはホッとした。毎日、彼が帰って来るのを楽しみにしていた子供たちには申し訳なかったが帰るつもりのない彼に素直に期待する子供たちを見て子供の期待に応えるつもりのない彼をずっと見て来て私のイライラは常に爆発寸前で 始終爆発していた。幸せだった時の印象は強いが悪い事はすぐに忘れてしまいがちだがトータルで見たら、幸せだった時間は ほんのちょっぴりだったんだと思う。彼が家族の方を向いていた時間。だから私は彼に見切りをつけたのだ。だから私は「彼に優しく接するなんて 有り得ない」ずっとそれが当たり前で何年も過ごして来てしまっていたんだ。