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2004年10月03日の日記『肥大したジャーナリズム背後にいる電通の威力』から読んでもらえればと思います(未読の人)。特に目新しい内容ではありませんが、これに続く内容となります。 株式会社電通が広告業界の「ガリバー」になったのは、電通第4代社長の吉田秀雄の功績が大きいと言われている。吉田は1947年に電通の社長に就任し、戦犯として追放され不遇をかこっていた政財界人、満鉄職員、軍人などを採用していく。こうやって吉田が「スカウト」した大物たちは次々と日本支配層の一線に復帰し、電通は、政界・官界・財界・マスコミ界に大きなコネクションを築いていった。 ※ 電通の株主上位は、時事通信社と共同通信社である。時事と共同はかつて「同盟通信社」という同じ会社だった。01年の電通の株式上場時には、両社は株売却益の1部で自社ビルを建てている。 日本最大の広告代理店として電通の「1強支配」が強まるなか、業界2位の博報堂は、03年に大広と読売新聞社と経営統合し、博報堂DYとなり、先日の日記でも取り上げたように、2月16日に東証第1部に上場した(その日記、博報堂DYHDが東証1部に上場)。 業界3位のADKは、旭通信社と第一企画が合併して誕生した会社である。 4位が東急エージェンシー。 各企業が使う「広告宣伝費」というのは、莫大な金額なのである。 最も多く「広告宣伝費」を使うのが、来月の3月25日から半年のあいだ開催される「愛知万博」を電通と一緒に主導しているとされるトヨタ自動車である(別名“トヨタ博”と言える。博覧会協会の会長はトヨタ自動車と経団連の名誉会長である豊田章一郎)。次いで松下電器産業、本田技研工業となっている(2003年度)。 03年度の広告宣伝費上位をいくつか並べます。 1.トヨタ自動車(949億円) 2.松下電器産業(667億円) 3.本田技研工業(592億円) 4.花王(588億円) 5.KDDI(550億円) 6.日産自動車(430億円) 7.サントリー(333億円) 8.アサヒビール(312億円) 9.ベネッセコーポレーション(307億円) 10.高島屋(302億円) 11.スズキ(301億円) 12.キリンビール(300億円) 13.イトーヨーカ堂(298億円) 14.シャープ(293億円) 15.キャノン(292億円) 16.イオン(289億円) 17.富士重工業(271億円) 18.マツダ(235億円) 19.三越(229億円) 20.セブンイレブンジャパン(228億円) ※ 三菱自動車が02年度は約400億円で7位だったが、03年度には100位にも入っていないとのこと。 広告代理店は、これら企業から企画費、制作費、報酬などを受け取る。そしてメディアに広告料金を払う一方で、取引手数料として報酬を受ける。(電通社員の平均年収は、40歳で1300万円強) 03年、ホンダ、日本マクドナルドという企業が、博報堂・ADKなどの複数社の扱いから、事実上、電通の一手扱いになった。ホンダを電通にとられた博報堂では「ホンダチーム」が解体された。また、04年には、セブンイレブン・ジャパンが、東急エージェンシーから電通に移った。 さて、電通の“天皇”が成田豊という人物。1993年から社長・会長を歴任し、電通の株式上場、新社屋建設などを成し遂げ、02年まで電通の代表取締役会長を務めたのち、現在は電通グループの会長と電通の最高顧問を務めている。成田はTBSの役員でもある。 成田 豊 ※ 電通の顧問には、成田をトップに、中曽根元首相が政界を引退後、密かに就任している。電通が手がけた沖縄サミットで警備の責を担った元警察庁警備局長の金重氏も01年に顧問に就任。01年の東証上場に際しては、日銀理事・日本輸出入銀行副総裁を歴任した南原氏を社外顧問に迎え入れた。ロサンゼルスオリンピックの組織委員会委員長を務め、現在は米オリンピック委員会の専務理事であるピーター・ユベロスという人物もいる。 ※ 「コネ入社」で有名な電通社員には、経済界・政界・マスコミ・文化人・皇族など各界の幹部・著名人・重鎮の子息がズラリと並ぶようだ。 86年4月にテレビ東京が踏み切ったのをきっかけに、各放送局が自粛していた消費者金融の広告・放送が解禁された。最後まで自粛していたTBSも2001年から流している。新聞でも、最後まで抵抗していた朝日新聞が結局は解禁した(このときの電通側の人物が成田豊)。 消費者金融の最大手である「武富士」の年間広告費は、02年度が151億円もある。この大半を電通が取り扱っている。電通の“天皇”成田と、武富士の創業者である“天皇”武井保雄は、一緒にゴルフをする仲である。 ここ数年は、テレビを観ていてコマーシャルになると、消費者金融のコマーシャルが溢れているが、その背景には電通がいるという「当たり前」のことを読み取って欲しい。 武富士は、武井会長が盗聴で 有罪確定となる前から、1部のマスコミに「盗聴疑惑」で叩かれたが、電通は「武富士報道潰し」に動いていた。03年初めころ武井に頼まれた成田は、4月に電通から数人を武富士に送ったという。しかし、03年12月2日に武井が逮捕されたことによって、武富士のCM放送中止が相次ぎ、在京の民放各局は同日2日、広告代理店などの要請で、同社CMの放送を当面取りやめる方針を相次いで決め、同日以降のCMを差し替えた。武富士側も、世間を騒がせたとして、しばらくの間、新聞広告やテレビCMを自粛すると発表した。 最近になってどうやらこの武富士のCM自粛も解禁され、この4月から再び放送されることがすでに社内では決定しているらしい。で、これを許したのが、奥田が会長を務める日本経団連という構図みたいだ。武富士が使う莫大な広告費を扱うのが電通なのだから、ここに電通の影が私には見える。 さて、04年8月20日、東京の築地本願寺で田原総一郎の妻の通夜が営まれていた。ここには小泉首相をはじめとする政財界の有名人、「サンデープロジェクト」の出演者などがかけつけていた。もちろん“電通の天皇”成田豊の姿もあった。しかし成田の場合は、この葬儀を仕切る「葬儀委員長」として築地本願寺にいたのであった。つまりこれは、田原総一郎と成田豊は親密な関係であるということなんだろう。 田原は次のように言っている。 「成田さんには僕が頼んだ。なぜかというと、顔が広いから。まさか政治家に頼むわけにはいかないし、いろいろな人が来た時に、彼ならみんな知っているだろうし、あいさつができる人がいいと思って頼んだ。ただし電通で来たのは成田さんだけ。具体的に仕切ったのはテレビ朝日のスタッフだった」 テレ朝といえば「ニュースステーション」が思い浮かぶが、この番組のスポンサー獲得も、全面的に電通が行なっているようだ。 あらゆる番組で、電通がスポンサーを獲得・手当てし、視聴率の分析を行ない、スポットCMを売り、基本構想をつくるという図である。 各局の広告収入における、電通の占有率を見ると、TBS、テレビ朝日、日本テレビ、テレビ東京、フジテレビという順番になっている。各キー局単体の売上高に占める割合は、TBS・日本テレビ・テレビ朝日は40%を上回り、フジテレビでも33.4%になるという。この収益構造からして、民放テレビは実質的に電通の支配下にある、と。博報堂ですら、電通の半分から3分の1にすぎないらしい。 03年、日本テレビのプロデューサーが、“視聴率買収事件”をひき起こした。これは視聴率調査会社のビデオリサーチの調査対象世帯に対し、指定した番組を視聴するよう依頼し、視聴率を工作したという「事件」である。現在のテレビ放送は、この視聴率至上主義という信用しがたい数字によって大きく左右されている。視聴率が高ければCMが高く売れることから、業績に大きく係わることになる決定的な数字のようである。 このような重要な数字を独占して調査しているのがビデオリサーチなのだが、「独占」と書いたように、ここにはライバル会社が存在しない。そして最も重要なのが、ビデオリサーチは電通の関連会社であり、電通が同社の株を34%所有する大株主ということだろう。電通の子会社ビデオリサーチは、「全国新聞総合調査」までやっているらしい(社長が電通顧問を務めた竹内毅)。 私には、「視聴率」という数字が信用できるものとは思えない。 ※ 参考 マスコミ最大のタブー 2005年2月17日刊行 別冊ブックレット8 『電通の正体』 著者 『週刊金曜日』取材班 定価735円(税込) 体裁 A5判 96頁 送料1冊90円(5冊以上送料無料) 雑誌コード22936-2/17 世界売上トップの広告代理店 広告に依存するマスコミ最大のタブー 政財界・メディアを陰で支配する巨大企業 電通 その知られざる正体を白日のもとに晒し 本誌連載中から 「タブーのない『週刊金曜日』でなければここまで書けない」 と大きな反響を呼んだ連載、ついに刊行! ブックレット化にあたり、大幅に書き下ろし・加筆の上、 大下英治・佐高信対談を加えました。 【目次より】 ◆序章 ◆広告業界制覇のカラクリ ◇『噂の真相』、『2ちゃんねる』を訴えた電通社員 ◆テレビを支配するメディアの地主 ◆新聞にも圧力 ◇終わりのない社内薬物汚染 ◆永田町との深い関係 ◆葬式から五輪・万博まで ◆ブランド人材を買い漁る ◆テレビと広告に転機はくるのか ◆対談 大下英治×佐高信 『小説 電通』の作者が語る舞台裏 http://www.kinyobi.co.jp/MiscPages/syuppan 「「電通の正体」に出演(?)」 http://wind.ap.teacup.com/taroimo/32.html 宣伝費でマスメディアを支配する影武者・電通の視えないタブー http://mchd7w4hh.hp.infoseek.co.jp/html/dentsu_taboo.txt.htm 4月からの武富士TVCM解禁を許した日本経団連 http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/ 日本経団連奥田会長の責任 http://www.asyura2.com/0311/nihon10/msg/979.html 電通の歴史 http://www.dentsu.co.jp/profile/data/history.html TBSと電通 http://dentotsu.jp.land.to/archives/A-dentsu.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
佐高信氏はたぬきが学生時代から読んでいる評論家です。この方の”実直さ”と”しなやかさ”が好きです。
(2005年03月04日 22時52分34秒)
たぬきさん、返信が遅れました。 私も佐高信は嫌いではないです。 好んで彼の著書を読むことはしませんが、雑誌などで読む限り、「しなやかさ」は感じられる人ですよね。 (2005年03月06日 20時55分57秒)
武富士:テレビCMを1年半ぶり再開へ-競争激化のなか首位奪還狙う(ブルームバーグ)
2005年4月11日(月)08時41分 4月11日(ブルームバーグ):消費者金融大手の武富士は、電話盗聴事件を受けて自粛していたテレビ・コマーシャル(CM)を16日から再開の方向で検討している。従来の武富士ダンサーズによるダンスCMでなく、顧客に計画的利用を促す啓発CMになるようだ。テレビCMの放送は約1年半ぶりで、消費者金融大手で奪い合い状態の顧客獲得競争に、本格的に再参入する。 今回、武富士がテレビCMを再開するのは、16日と17日にテレビ東京系列の放送で、同社がスポンサーとなっている米国女子プロゴルフツアーの番組。武富士・広報部の山本将之氏は「再開に向けて最終調整中」であると、ブルームバーグ・ニュースに明らかにした。 武富士は03年12月に発覚した武井保雄・前会長による盗聴事件で、マスメディアでのすべての営業広告を自粛した。その後、04年6月には新聞広告を再開したものの、テレビCMはテレビ局の考査が厳しく遅れていた。 顧客の認知にテレビCMが不可欠 テレビ東京の大木努・広報IR部長は、盗聴事件とCM再開ついて「社内的に関係者の処分などの手続きを踏んでおり、再発防止も促しているということが認められるので、問題はないだろう」という。 消費者金融大手では顧客数が減少に転じ、既存顧客の奪い合いとなっている。そのため、顧客にすぐ社名を思い浮かべてもらい、実際の利用につなげるには、定期的にテレビ広告を出すことが不可欠になっている。 (2005年04月11日 10時20分29秒)
CM自粛など響き首位を明け渡す
武富士の営業貸付残高(単体)は、盗聴事件や営業広告の自粛で、03年12月時点の1兆6300億円から、04年3月には1兆5800億円に減少し、業界第1位の座をアコムに明け渡した。その後、国内の景気が回復するなか、04年6月には1兆6000億円程度に回復。さらに、新聞広告を再開したが、盗聴事件前の水準には達していない。 住信アセットマネジメントの三澤淳一運用第2部長は「特に消費者金融業界にとってCMの効果は大きい。アイフルのチワワ広告にしても、プロミスの井上和香広告にしても、店舗に行きづらいという業界のイメージをだいぶ払拭した」と指摘する。また、「武富士にとっても、他の要素がまだ足を引っ張っているとしても、露出度がまた高まるということは、何らかの形でプラスに働くのではないか」という。 武富士の広告宣伝費は、02年度143億円、03年度111億円と100億円台で推移してきたが、04年度はテレビ広告を自粛しており、第3四半期までで44億円と大幅に減少した。05年度はテレビCMの再開で、広告宣伝費は再び拡大することが予想される。 迫られるビジネスモデルの転換 武富士の今後の営業面について、住信アセットマネジメントの三澤部長は「ネガティブなイメージは、徐々に解除されるだろし、もともと営業力も強いので、回復はするだろう」と予想する。しかし、武富士が不祥事の対応に時間をとられている間に、アコムとプロミスが大手銀行グループと手を組むなど、業界再編が進んだ。 「単純な消費者ローン市場は飽和状態で、各社の事業の進め方や、業界の構造は変化してきている」(三澤部長)なかで、武富士が業界1位に返り咲くには、ビジネスモデルの転換を迫られている。 http://blog.livedoor.jp/ayaka222a/archives/18605014.html (2005年04月11日 10時21分30秒)
武富士:自粛のテレビCM、16日から再開 消費者金融大手、武富士は13日、創業者の武井保雄前会長の盗聴事件で自粛していたテレビCMを16日に再開すると発表した。16、17日に同社がスポンサーとなっている全米女子プロゴルフツアー「武富士クラシック」がテレビ東京系列で中継されるのに合わせ、「無理のない返済計画」など利用者啓発がテーマの新CMを放映する。【竹川正記】 毎日新聞 2005年4月13日 19時31分 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050414k0000m040040000c.html (2005年04月13日 20時27分45秒)
今回の選挙の動き見えました。「マスコミ」特に民営化反対評論家の締め出し「トヨタ」の動き「サンプロ」はクロネコのお得意様、まさにアメリカイズムされた電通が裏に居た。踊らされたのは無知な有権者日本人。日本は文化を捨て亡国の一途を辿るのでは。
(2005年10月15日 08時45分52秒)
フジテレビとTBS、電通株を追加取得 (ロイター) 2005年12月1日(木)16時31分 [東京 1日 ロイター] フジテレビ<4676.T>とTBS<9401.T>は1日、電通<4324.T>の株式を追加取得したとそれぞれ発表した。提携関係の強化がねらい。両社とも取得株数は3万株で、フジテレビはすでに所有している8000株と合わせ出資比率が1.37%に上昇。TBSも追加出資で比率が1.44%に引き上がる。 電通<4324.T>株は1日、大株主の共同通信社が6万株を売却していた。 http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext.html?id=01reutersJAPAN195676 (2005年12月01日 17時17分04秒)
大変興味深く拝読しました。「電通の正体」に関しては、ぜひ続編を期待したいです。特に、最近の電通で話題になっているのは、JOC(日本オリンピック委員会)の「シンボルアスリート」の仕組みです。選手が受け取るべき肖像権の対価を、電通とJOCが搾取しているのでは?と言われて問題になっています。この件では、トリノ五輪のフィギュアスケートの代表選考においても同社の関与が取りざたされていますので、「週刊金曜日」で深く追及されることを期待したいですね。
(2006年01月23日 04時19分32秒)
電通が東宝株式0.58%取得、映画共同制作などで業務提携 (ロイター) 2006年3月9日(木)17時44分 [東京 9日 ロイター] 電通は9日、東宝の株式約110万株(発行株の0.58%)を約24億円で取得したと発表した。 両社はこれまで、劇場用映画の製作や宣伝などで協力し合ってきたが、資本提携によりその関係をいっそう強化する。 http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext.html?id=09reutersJAPAN205888 (2006年03月09日 19時50分34秒)
右派は韓流ブームを電通が操っていた。と、ほざいていますが、いまだに…。電通はあらゆる分野を取り仕切っていたのですね。しかも戦犯まで招きいれ、もと満鉄幹部まで招集して、やはり悪の右派組織、裏を操っていたのはこの組織であったのか?
感心です。この分析! それではまた、コメントします。 (2006年05月02日 00時11分21秒) |
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