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カテゴリ:スラッシャ・ホラー映画
0196 ドリーム・ホーム
【スタッフ】 ・原案・プロデュース・監督 パン・ホーチョン ・脚 本 パン・ホーチョン、デレク・ツァン、ジミー・ワン ・エグゼクティブプロデューサー アンドリュー・オーイ ・プロデューサー コンロイ・チャン、スーピ・リャン ・ラインプロデューサー ジミー・ワン ・撮影監督 ユー・リクウアイ ・編 集 ヴェンダース・リ ・音 楽 ガブリエル・ロベルト ・音響効果 トゥー・ドゥチー ・美 術 マン・リンチュン ・アクション監督 チン・ガーロウ ・特殊メイク アンドリュー・リン、ウィッタヤー・ディーラタクン ・制 作 Making Film 【キャスト】 ・ジョシー・ホー ・イーソン・チャン ・デレク・ツアン ・ローレンス・チョウ ・ジュノ・マック 【仕 様】 ・型 番 DALI-9346 ・製作年度 2012年 ・製 作 国 香港 ・原 題 DREAM HOME ・収 録 本編 96分+特典23分 ・音 声 1.オリジナル「広東語」 ・字 幕 1.日本語字幕 ・サ イ ズ 16: 9 LB 本編:ビスタサイズ ・そ の 他 片面1層、MPEG-2、COLOR、NTSC 日本国内向、R-18、 DVD、セル専用 ・日本語字幕 吉川美奈子 ・劇場公開作品 ・配給・宣伝 ユナイテッドエンタテインメント ・ビデオグラム版スーパーバイザー 青鹿敏明、鈴木雄太、西山浩司 ・税込価格 \3,990(税抜 \3,800) ・発 売 元 「ドリーム・ホーム」フィルムパートナーズ ・販 売 元 オールイン エンタテインメント ・映像特典 【スペシャル対談】パン・ホーチョン監督×園子温監督 【ジャケット】 ・オモテ面:香港映画界の鬼才 パン・ホーチョン監督、日本初上陸! 嗚呼、阿鼻叫喚! 世界を震撼させた衝撃のヴァイオレンス・スリラー、 遂に日本解禁!! 彼女が本当に欲しかったもの、それは―― ・ウラ面 :今や伝説となった『八仙飯店之人肉饅頭』から18年――。 香港映画界が再び事実を基に世界を震撼させる、 衝撃のヴァイオレンス・スリラーが <ノーカット完全版>で、遂に登場!! 全編の約2/3を占める、 衝撃のヴァイオレンス・シーン! 超高級マンションで見つかった12人の惨殺死体! 異常者の猟奇的犯行か? 綿密に練られた完全犯罪か? 真の残酷物語の登場だ!!! 残酷なら韓国より香港が本家だ!! ――園子温(『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』監督) 扇情的なジャケット。オモテ面もウラ面も、力がこもっている。なかなかだ。これを手にしてレジに行くのは、勇気がいるな。(笑) ただ、煽り文句が、イマイチ。ライターにボキャブラリが足りなかったようだ。“衝撃のヴァイオレンス”って言葉が3回も出て来る。感嘆符も13回。(苦笑) 気負いが伝わって来るけど、もう少し勉強しましょうよ。(笑) 【感 想】 「惜しいっ!」 あー、何かザンネンな作品だった。(笑) 返還後の香港が舞台。主人公の女性銀行員は、病床に伏せる父親と弟を抱えて貧しい地域の集合住宅に住んでいる。友人たちとの付き合いもそこそこにお金を貯めている。彼氏はいないが、妻子のある男とグダグダの不倫関係を続けている。 彼女には海辺のマンションに住むという夢があった。しかし、オーシャン・ビューの物件は高価な上に、家主も売りしぶっている。手が届きそうで届かない。 そんな時、父親が末期の病だと分かる。ところが、加入時の虚偽申告で保険がおりない。使えもしない保険に多額の保険料を支払って来たことに、主人公は苛立つ……。 冒頭、香港の不動産事情などがテロップで流れる。タイトルバックは、幾何学模様のようなマンションの外観が繰り返し映し出される。アングルや構図に才気が見え隠れしているが、あまりに長い。(汗) 押井守監督かと思った。(笑) 肺の病気なのに煙草をやめない父親にキレる主人公。誰のために高い保険料を払って来たと思っているのか、どうやって手術費を捻出しようか悩んでいるのに、本人は咳き込みながら平気で煙草を口にする。その夜、発作を起こした父親に、彼女は酸素吸入器を与えなかった。見殺しにしたのだ。そして、すべてが狂い始める……。 物語を整理すると、主人公の心情が見えてくる。しかし、映像からはそれが伝わらない。希求する力が絶望感にねじ伏せられる悔しさのようなものが、一切感じられなかった。だから、後半の展開は、かなり唐突だった。監督さんにひとを描く力がなかったか、主人公を演じた女優さんに演技力がなかったか、そのどちらかだろう。或いは、両方かも知れない。 父親の保険金が入るや否や、彼女は嬉々としてマンション購入の話しを進める。頭金を払い、いよいよ契約の運びとなったが、土壇場で家主が約束を反故にする。もっといい条件の買い手が現れたからだと言う。再び奈落の底に突き落とされた彼女は、強硬手段に訴えることになる。惨劇が始まった……。 この後、過激な殺戮シーンが続く。昔ながらの特殊メイクとコンピュータ処理を両立させて、見応えのある出来映えだった。監督自身、予算が潤沢に使えたおかげとコメントしていたから、お金のなせるワザなのだろう。そのため、様々な殺しのテクニック(?)が披露されることになる。 しかし、逆に一介の女子銀行員にしては、過ぎたスキルだ。やや鼻白む結果となってしまった。これもザンネンなことである。 特典映像の中に園子温監督と本作品の中国人監督の対談が収録されている。 失語症のような園監督とは対照的に中国人監督は悠然と喋りまくる。カメラに背を向けて内懐を隠す仕草の園監督と椅子にもたれて鷹揚な態度の中国人監督。日本人として悔しい気持ちがあったのは確かだが、中国人監督の弁舌は如何にも詭弁のように感じられた。 何せ、冒頭“これは実話を基にしている”とテロップを流しながら、実話の部分は香港の不動産事情だけと平然と言ってのける。マンションを買うために住人を殺す事件があったわけではないのだ。「どこら辺が事実ですか?」と質問した園監督のあっけにとられた顔は忘れられない。 ジェイソンよろしく12人も殺してみせたのは、お見事。描写にも力がこもっている。『インブレッド』よりはるかにぶっ壊れた作品だと言える。 でも、主人公に感情移入出来なかったことは、作品として大きな欠陥があると言わざるを得ない。 繰り返しになるが、ザンネンな作品だった。 あまりオススメ出来ないかなぁ。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.10.17 06:48:42
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