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ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

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2023年03月25日
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3連続の巨石三昧のお散歩の合間に読んでいたのが『​石の宗教 ​』。



「石」とありますから、私の好物の1つでもある「磐座」や「巨石」について書かれてあるのだろうということは安易に予想がつき、それ自身を私はもう少し深く追求してみたいという思いもありページをめくっていった訳ですが、思いのほか修験道についても書かれていて、よりむさぼり読んでしまいました。

幾つか、自分の中でフラグが立ったセンテンスがあります。
それを幾つかここに挙げておきます。

まずは、序章において「修験道と庶民信仰の石」という項目。
修験道にも多くの謎の石があるということを紹介しているのですが、その筆頭が「亀石」。
著者によると、「亀石」という名の岩が各々の行場にあるそうなのですが、修験道ではその「亀石」を踏んではいけないというのです。
そして、それに関する歌もあるといいます。
えぇーーー、先日のお散歩記録で綴った「金生山」ってまさにそれじゃん!
がっつり「亀石」の画像を貼り付けています。
確かにあります、「亀石」。
私よりも1.5倍位の大きさでとうてい踏みつけるという行いはできないのですが、よじ登りたい衝動はありました。
いやーーー、しなくて良かったわ。



そう言えば、明日香村にも「亀石」ってありますよね。

  ←これが明日香村の亀石。

不思議な言い伝えです。
さすがになぜ踏みつけてはいけないのかということについての考察する情報はありませんでしたので、情報提供という投げっぱなしの状態で、次に移ります。

道端にある道祖神が自然崇拝から来る、陰陽石がルーツであることが書かれてありました。
それは京都でいうところの地域の角には確実にあるお地蔵様にも通じるということでした。

ここに書かれていることは自然崇拝を基本とした石の扱い、どのように宗教と関わってくるかということなのですが、私がこの1年で日本の宗教というものに関してまとまってきたことがずばー――と本章に記されていてすっきりとしました。

それをそのまま引用します。​
山の神とか水の神、田の神、火の神、日の神、月の神、海の神などというのは、自然崇拝の原始宗教としての庶民信仰で、神道ではこれが大山祇神、罔象女神、大田神、軻遇突智神、大日孁神、月読神、綿津見神などと、『古事記』『日本書紀』に出る特定の神社の神に限定されてくる。そしてその神社は式内社、式外社を問わず、国家や共同体の政治的な祭祀をうけるようになり、何時でも、何処でも、誰でもまつる神ではなくなる。庶民信仰の対象となる神は、神といっても神名もなく、神殿もなく、神主もなく、祝詞もないので、神道の神とは異なることがわかるであろう。(p190)
​そうなんです。
日本の宗教を一般の人がイメージする場合、「神道も仏教も一緒になった」と想像するのですが、「神道」については自然崇拝と天照大御神などをはじめとする「記・紀」に出てくる神様がごっちゃになってしまっているんですね。
実はここが間違っていて「神道」はあくまでも「記・紀」に出てくる人たちなのです。
今では混同しないように自然崇拝のことを「古神道」と記しているところもありますけど。

このことは、私がすぐに例にする「教科書」の書き方に問題があり、一般的には仏教伝来のところで、「これまで日本は神道だったのに、聖徳太子が仏教を広めた」のような形で書かれているので誤解を生むんですね。
しかも「神道」とは何かという事にも触れていませんし。
更には「神道」VS「仏教」という宗教戦争があったことにも触れられていません。
なので、磐座をはじめとする自然崇拝と天照大御神が一緒くたになって現在に至るという状況です。
この古代日本史を扱う時には切り分けて説明した方がいいのではないかと思います。

まぁこれらを1つの枠にいれて、今や日本の宗教は何でもありだよねーーーという形の礎となったのが「修験道」という訳です。
あくまでも「礎」なだけで、「修験道」という一つの形にはその後なっていくのですが。

自然崇拝の1つ山岳信仰には岩がつきものですので、やはり石関係の本を読んでも修験道に、上手くいけば役行者にまで話は及ぶのだなということに改めて気付かされた本でありました。


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最終更新日  2023年03月25日 07時00分07秒
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