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文科省が認定している「日本遺産」と本書『日本遺産巡礼東日本30選 』の「日本遺産」がイコールの物なのか分かりかねるのですが、楽しく読みました。
なぜ分からないのかと申しますと、本書の「はじめに」でこのように書かれています。 世界遺産に登録された施設には確かにため息が出るような絶品が多いが、海外からお墨付きをもらって初めて訪れるというのは、日本人としては少し寂しい。 この文章を読む限りは文科省のそれとは別物であろうと考えています。 でも、名称が同じ「日本遺産」。 ちょっと悩ましいというのが正直なところ。 が、先にも書いたように別物と私の場合は思って感想を書いていきます。 文科省とは異なるから本書に掲載されているものがそれよりも劣るのかと言えば、それは比較するものではないとページをめくりながら思いました。 本書を編集した上記のお二人は建築を専門に学び、それを編集者という場所で活かされており、本書では「建築」で素晴らしいものを掲載しています。 写真を掲載しつつも、重要な部分はイラストで丁寧に描かれ、かつ説明文も建物の構造から背景、歴史まで丁寧に記されていて、ぐいっとひきつけられました。 このような説明を受けると実際にこの目で見てみたくなるではありませんか! さて、今回の30の建築物を見て知ったことは近年で言えば、設計士の「辰野金吾」のデザインした建物が思った以上に多いということ。 「東京駅」くらいしか知らなかったんですけど、私。 日本銀行本店本館も彼なのだそうですが、更にこの建物に関して他にも知った事実としては旧1000円札、旧5000円札の絵柄にこの建物が使われていたということ。 日銀だから使われたのか、建物が美しかったから使われたのか、分かりませんが(恐らく両方)ただただへぇーーーと感心するばかりでした。 ちなみに、辰野金吾は旧岩崎久彌邸を設計したジョサイア・コンドルの弟子だったとか。 この旧岩崎邸にしろ日本銀行本館ももちろん、本書で紹介されています。 また、国宝でありながら存在を知らなった建築としては長野県上田市にある安楽寺八角三十塔。 屋根の一つ一つが八角形なわけですが、現存するのはここだけなのだそうです。 かつては西大寺や法勝寺にもあったようです。 鎌倉時代後期の建物ですが、当時はこの八角形がデザイン的に流行っていたのでしょうか。 現存するのが唯一と言われれば、もちろんお参りに行ってみたいと思います。 本書の30選の中にはすでに私が訪れている建物もありますが、まだまだ国宝、重文と指定を受けながらも私自身が目にしたことのないどころか知識としても知らなかったものが存在する……ということを知っただけでも本書を手にして良かったと思うのですが、やはり「行きたい」という衝動的欲求が収まらなくなって困ります。 本書は「東日本選」ですので、手元には「西日本選」もあるわけで、これを読んだら、より行きたいところが増えてどうしよう……。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年05月20日 07時00分08秒
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