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ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

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2024年05月25日
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とあるブロガーさんが紹介していた『​まほろばの王たち​』。

 ←こちらは電子書籍ですが、私が読んだのは紙。

そのブロガーさんの記事によると、一言「小角さまが出てきて」とあった訳ですよ。
しかも、あらすじを引用している部分には「​物部の末裔である広足は、葛城に住まう験者・役小角に仕え、」と記してあるし。
役行者が物語の主要人物として出てくるものならそりゃ、読まねばならないでしょと急いで手にした訳ですよ。

まぁそれにしても、物語になるだけで、なぜかすんなりと歴史上の人物の関係図が脳みそに入っていくこと。
学術書に近いもので読んだ時には役行者の周辺の、とりわけ朝廷に関わる人々の関係性やら当時の年齢がなかなか脳みそに定着しなかったんですけど、物語ってこの辺りに不思議な力があるよなーとしみじみ。

役行者が活躍している頃って、丁度藤原鎌足と中大兄皇子が君臨している時で、まだ持統天皇は幼き子どもだったとか、中大兄皇子と大海人皇子の兄弟は年齢差があったとか。
これが分かって、改めて歴史上の流れを見直してみるとかなりすっきりしてきました。

本書はある種歴史小説ということになりますので、作者がどのようにこの時代を解釈して物語として構成してくるかというところが私個人としてはいちばんの関心だったわけですが、誰もがそう思っているでしょうが、作者もまた中大兄皇子は上手いこと藤原鎌足に使われたという解釈のようです。
そして、この物語ではまだ子どもとして描かれている大海人皇子と持統天皇は物語の最中で役行者よりの関係となります。

成人となった大海人皇子ははやばや歴史上では出家して吉野に入り、そして壬申の乱の時は吉野から出立することになりますが、この物語の解釈からするとやはり役行者とその後も親交があり、味方になってもらったんだなーと想像します。

また持統天皇に関しては、私は役行者と対立しており、吉野宮の37回の行幸は役行者を見張るためかと思っていたのですが、物語の解釈からだと、やはり近しい存在で、役行者の力を借りるためだったのかなと再度妄想中(笑)。

それよりもいちばんどう解釈していいのか分からないのが、主人公の広足。
「広足」だとピンとこなかったのですが、「物部韓国連広足」と本名が出てきて、もうびっくり。
「日本霊異記」によると、役行者の弟子であり、後に伊豆に送った張本人。

この物語では役行者の弟子となり、山の妖や鬼などを元のいる場所に返すということを役行者と行っていて、物語のエンディングまで弟子であり、二人の関係性は全く良好に描かれています。

いやーーー、これがどのような経緯を経て、誤った告発を将来的にしてしまうのか、作者の解釈を知りたいところでした。

とまぁ、役行者とそれを取り巻く人物の話で終わってしまいそうですが、まぁ上記の関係性の上で物語が進行する歴史ファンタジーです。
大峯や吉野、飛鳥宮が舞台になっていますので、日本古代史がお好きな方にはうってつけの1冊かと♪


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最終更新日  2024年05月25日 07時00分11秒
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