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カテゴリ:うなぎ
私はせっかちではないが、待たされるのは嫌いだ。だから行列のできるラーメン屋に行きたいとは思わない。しかし、そんな待つのが嫌いな私にも例外はある。それはうな重だ。仮にうな重が5分で出てきたとしたら、うれしいと言うより不安になってしまう。うな重は、私が認める唯一のスローフードであり、最低でも15分は時間をかけて欲しいと思っている。
これまでうな重を注文してから出てくるまでの最長待ち時間は20分だったのだが、その記録を破るお店が登場した。それが今回紹介する「うな正」だ。場所は東村山駅東口を出て府中街道を八坂方面に進み、郵便局のある交差点で左折。100メートルほど進んだ左側にある。 味のある店構えで、私が行った時は、店先にはキレイに水が打たれていた。店内はこぢんまりとしていて、私は贅沢にも4人がけのテーブルに案内された。メニューには「ひつまぶし」という気になるモノもあったが、うな重が食べたくて入ったので、私は当初の予定通り、「特上うな重」(1950円)を注文した。 さてこのお店、ここからが長かった。15分過ぎても、20分過ぎてもまだ出て来ない。いくら唯一認めるスローフードとは言え、あんまり待たされるとイラついてくる。 「遅くなってすみません」と店員さんが「特上うな重」を運んで来たのは、注文してから25分経ってからのことだった。 (こんなに待たせたんだから、よほど美味しくないと納得しないぞ)なんて大人気ないことを思いながら、うな重のフタを開ける。湯気とともに甘いタレの匂いと焼いた香ばしさが、花粉症でグズグスしている私の鼻腔を突く。途端に(ああ、これ、これ。美味しそうな匂いだ)と先ほどまでの怒りはどこへやら。頬がニンマリと緩んでしまった。 肝吸いをひと口すすってから、まずはそのまま箸を入れて食べてみる。うなぎはまるで豆腐のようにスッと箸で裂け、口に入れるとふんわり柔らかい。タレも甘過ぎず、上品な感じ。山椒をかけるとさらに美味しくなり、私は夢中になって食べた。一緒に添えられているお新香がまた旨いんだ。ちょっと口の中がくどくなったかなぁと思った時に口に放り込むと、すぐに口の中をさわやかな状態にリセットしてくれる。 結局、5分とかからず食べ終えてしまったが、私としては大満足。この味なら25分待つ甲斐があるというモノだ。 【DATA】 住所:東村山市本町2-21-1 電話:042-391-2375 営業時間:午前11時半~午後2時半 午後4時半~9時 定休日:水曜 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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