身近なものの再発見
今から十数年前のチリワインブーム、覚えているでしょうか。デイリーワインの選択肢が少なかった当時、チリワインに対して「安くて旨い」が合言葉のように使われていました。中でも、先駆的役割を果たしたコンチャ・イ・トロ社の代表銘柄が「カッシェル・デル・ディアブロ」。当店でも早くから扱いを始めて、ずっと当たり前のようにあるため、「その味を確認したのはいつのことやら」的存在でした。この銘柄の白「シャルドネ」を久々に飲んでみると、香りはトロピカル系でアプリコットやバター、ナッツなど、いかにもだが突出した部分がなく、バランスよく収まっているのです。味わいも香りそのままに、個々の要素は強いのですが、そのスケールに差がないため妙なクドさを感じず、アレアレと思う間になくなっていきました。やっぱり旨い! というより、以前より一段と旨くなっている、という印象です。チリワイン・・・もう卒業した、なんて言わずに、再発見をしてみてください。 時々登場する間野