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カフェ・ヒラカワ店主軽薄

カフェ・ヒラカワ店主軽薄

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2007.04.23
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カテゴリ:ヒラカワの日常
以前はこんなことは無かったのだが
今回はひどい時差ぼけである。
朝の四時に目が覚めて、やることがない。
バスタブにお湯をためて、
半身を湯につかりながら、持参してきた
志水辰夫を読む。
もう一冊は、藤沢周平の『用心棒日月抄』。

海外に出ると、藤沢周平が読みたくなる。
かつて、沢木耕太郎の『深夜特急』だったと思うが、
バッグパッカーの手から手へと
リレーされてぼろぼろになった文庫本は
山本周五郎だった。
なんか、わかる。
感性の確かな手ごたえを、携えていたいと思うのだろう。
あるいは、コミュニケーションに神経を使っていると、
負荷なしに胸に染みこんでくる言葉がありがたいと思える。

ようやく、明るくなりめたので
イースト・マウンテンビューの家並みの間を
早足で散歩する。
夜来の雨が上がって、清清しいカリフォルニアの空気が戻ってきている。
なんども、道を横断するリスと出遭う。
いつもと同じ、北カリフォルニアの
中流の住む町並みだが、
今回はいままでとは少し異なった感興を覚えるのである。
昨日、アメリカは終わっていると書いた。
911以後のアメリカは、
数少ない美質であった、おおらかさ、あけっぴろげなところが
なくなって、妙に内向きになっている。
シャッターを閉ざした店。
ひっそりと静まり返った住宅街は、静謐というよりも
町中が息をひそめているといった印象である。
イラクは歴史的な敗北ということになるだろう。
国内の景気もいまひとつらしい。
テレビでは、何度もヴァージニア工科大学の事件が映し出されている。
この国は、後退戦が本当に苦手である。

「何か変だよな」
「いや、シリコンバレーは終わっているでしょ」
「え、そうなの」
「いや、よくはわからないけど。もうそういうところから遠ざかっているし」
「じゃ、なんでまた、アメリカにもどったのよ」
「もう、他に行くところがないしさ」

昨夜の奥山との会話である。
鮮明な兆候が見えるわけではないのだが、
確実に何かが変わっている。
戦地では、兵士の逃亡や任務拒否が増え続けているという。
この、嫌戦気分が、ゆっくりとこのベイエリアまで被いはじめたということ
なのかも知れない。

日が昇ってきて、
街が活動を開始するかと、思いきや
なかなか人びとは起き出さない。
そうか、今日は日曜日であった。
仕事をするか、それとも二度寝にするか。





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最終更新日  2007.04.23 14:45:11
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