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カフェ・ヒラカワ店主軽薄

2007.06.25
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カテゴリ:ヒラカワの日常
昨日は、年金の問題について
思うところを書こうと思って書き始めたら
ミート・ホープの偽島田洋七の話になってしまった。
ま、似たような羊頭狗肉話なので
どこかで話の筋がこんがらがってしまったのである。

年金については、
与党も野党も、蕎麦屋も床屋も、
質屋も銀行マンも、月給取りも給料泥棒も
あーでもない、コーディアルと勝手気儘なことを言っているが
本当のことは実は誰も言っていない。
いや、何が本当かなんて誰にも分からないし
分かったところでどうすることもできないのであるが、
年金問題で分かっていることは
誰もが、「払ったものは返してくれよ」と言っており、
誰も「俺が悪かった」とゴメンを言わないってことぐらいだろう。
要するに「何が何だかわからない」ということである。

俺はかつて
データベースの10万件のデータの整合性チェック泥沼にはまり込み
会社にひと月泊まりこんだ苦い経験があるので
すこしばかり、今回の事件の肝がどういうものか
実感できるのである。
今回のケースは何とまあ5,000万件のゴミ(データ処理の文脈の話ですよ。)
の処理である。
政治的な責任やシステムの問題も確かにあるが、
今となっては、これは純粋に技術的な問題なのである。
そして、俺の体験から生まれた実感から言わせていただければ、
これはもうあかんということである。
つまりね、
あれ、もうどうやっても駄目だぜということである。
いじればいじるほど、ゴミが増えることはあっても、無くなることはない。
たぶん、データベースエンジニアなら、
名寄せソフトを使おうが、人力に頼ろうが、
もう正規のものに復元することができないと判断するだろう。
これは、もはや、こんがらがってブツ切れになったスパゲッテイの残骸なのである。

ASAHI.COMによると、次のような事情が報道されている。
「国民年金制度が発足し、「国民皆年金」が実現した61年以降、社保庁は保険料を徴収する市町村に5年は台帳を保存するよう指示していた。地方分権一括法によって同庁が自ら集めるようになった02年度以降は、そのルールもなくなった。  それは市町村の納付記録がきちんと社保庁に伝わり、管理されているという前提だった。だが、ほころびが露呈し始め、同庁は昨年8月、改めて市町村に記録保存を求めた。領収書などがなく、社保庁で記録が見つからない人にとって、市町村に残っていた記録が命綱になることもある。」
さて、今回の問題が露見して以来、
野党が責任の追及を開始し、
安倍首相が一年以内にすべて解決するなどと言い、
法律関係者や社会保険のプロなどから構成される第三者委員会(実に三百人規模)が設置され、
システムをつくったNTTデータ社に確認し、
各自治体の原本照会をするといった具合に、
一見解決に向けて動き出そうとしているかのように見える。

しかし、すでに述べたように、五千万件のデータ不整合と、原本の散逸といった事態の解決は、データベース的にはほとんどミッション・インポシブルなのである。
それを、一年以内で解決なんて宣言してしまう総理は、お里が知れるっていうものである。
情報処理に詳しい下々は、青くなっているだろう。
誰か、ちゃんとアドバイスできないのかね。

で、問題を整理して見る。
現在、基礎年金番号や、住基台帳などを元にして、国民データをコンピュータで一元管理することを考えている政治家が多いようだが、これがどんなに危険なこと(システム的にですよ)か、今回の事例を教訓とすべきだろう。今回の件も、もし各自治体毎に管理していれば、リスクは限りなく分散されていたはずである。膨大なデータを、いくつかの異なるシステムで運用するというリスク分散は、コンピュータの世界の常識である。ひとつには、軍事的な理由から、もうひとつは運用の容易さという理由からである。勿論、この「原理」は生物のエコロジカル・ニッチという生存戦略にも適合している。これが忘れられるようになったのは、コンピュータの情報処理量が飛躍的に増大したこと、中央集権的な管理の方が効率がよいと考えられたからである。その驕りと、慢心をこれを機に改めるべきだろう。

では、目下の年金問題に関してはどうすればいいのか。
これに関しては、ほとんど絶望的なのだが、まったく出口がないわけではない。
今回の問題は、確かにデータはゴミの山のようになっているが、失われてしまったわけではない。(一部失われたものもあるようだが)
これをデータベース的に正規化する経験と、推理能力を持った有能なスーパー・データ・ベースアーキテクトに全国から名乗り出てもらうということである。
つまり、賞金稼ぎの天才ガンマンに頼るということである。このスーパーエンジニアは、数人いればよい。あとは、権限を与えられた彼らの下で処理を請け負う有能なエンジニア群が必要である。(三百人もの第三者委員会は、結局何もできない)
これが、もっとも有効な「手」のはずだが、誰もこれを言わないね。
 もうひとつは、どこかで解決をあきらめて、落としどころを決めるということだろう。つまり、誰かがゴメンと天下に宣言して、それに対して国民的な合意のもとで、全体の支給額を減らすか、どこかから財源を見つけ出してきて、不明者の自己申告を一定の枠の中でそのまま(証拠がなくとも)認めるということである。つまり、最低受給額だけは、無条件で確保する。それじゃ、いままで正直に納めてきたものとの間に、不公平が生じるじゃないかって?
「そりゃ、その通りだが、そこはひとつ大人の解決を」っていって頭を下げる。
まあ、これも年金残高が本当に生きていることが条件だけど。
こういうことがあっても、暴動にならないところが
この国の救いである。
(これも戦後レジームのお陰だぜ)
コクミンの慈悲を請うってのは無様だが、政治的にはこれしかないのである。
だいいち、不公平なんて、いまに始まった話じゃないし。






最終更新日  2007.06.25 18:26:19
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