★ローコスト住宅の落とし穴★
★住宅グルメへの道★にようこそ! 今回は シェフ雑感編で『ローコスト住宅の落とし穴』です。ローコスト住宅の何が落とし穴かっていう事をこれから書きます。1.《セルシオもカローラも同じ値段?》 お客様はローコスト住宅でも価格が安くても性能が良いものであるべきだと希望していますよね。当たり前ですよね。誰でもそうですよ。ところがこれを自動車を買うときを思い浮かべて比較してみましょう。住宅を購入するときとの違いがはっきりします。カローラの値段でセルシオが買えるとは誰も思いませんよね。もし買う事ができたなら、それは欠陥商品と思うのが普通ですよね。これは車の価値観がはっきりしているからです。価値のあるものはそれが価格に反映されているということですね。ところがことが住宅になると、お客様はカローラ住宅の値段でセルシオ住宅が手に入るという妄想があるわけなのです。その背景を考えて見ましょう。お客様は自動車についてほど住宅に対しての確固とした価値観の指標を何にしたらいいかわからないのです。これは学校教育が悪いのじゃあーという人もたくさん居て私も納得するのですが、それは別にして。現在住宅の価値観の指標が主に何によるのかといえば、ひとつは【外観の雰囲気】、ひとつは【あの会社なら良さそうだ】ひとつは【あの営業マンは嘘をつかないだろう】という数字では現せられ無いものがけっこう多いらしいです。数字で現せられるものといえば【坪単価】という面積あたりの単価くらいなのですね。この20年くらいはさまざまな工法が乱立し、【差別化工法】とかいってさまざまなキーワードが宣伝もされました。いわく高耐久、エアサイクル、高気密高断熱、外断熱、自然素材、健康住宅、全電化住宅などなど、あまりにもいろいろなものを目の前にして、お客様は一体何が良いか結局全然伝わらず、結局【坪単価】しか目に見えるものとして理解できないことになってる状況だと想像するのです。(これは供給側に責任ありだな!)すると供給側は、理解してもらえるキーワードが【坪単価】のほうが説得が簡単だと思うようになるわけです。示すものが数字ですから。数字の周りにあるものを説明しなくても26は26,27は27で26は27より少ないと言う具合に数字は説明もしやすいしお客様も理解しやすいですしね。そして供給側は坪単価が安くなるようなものを提供するわけです。当たり前ですね。そういうものを欲しいとお客さんが言っていると思っているから、それを提供するわけです。供給側はお客様がカローラ住宅が欲しいと思い込むわけです。そうすると、供給側はどうするかというと、今までと同じ造り方ではカローラ住宅にならないので、工夫をするわけです。当然ですね。今までと同じような家造りをする=原価が変わらない、価格だけローコストにする=会社は利益が得られない、存続きない という流れ供給側は、誰もこれを望まないですよね。というわけで、さまざまな努力が必要になるわけです。それがどういった努力になるかというと、結局自社努力を立派にされて、品質を替えずにコストダウンできるところもあれば、そうでなくてセルシオの部品をカローラの部品で代用せざるを得ない会社もあるということなのですね。問題はこのとき「これはカローラの部品ですよ」とはわざわざ言わないわけなのでお客さんによっては、そのままセルシオと思い込むことです。2.《ある設計士の書いた書籍より》 『ローコスト住宅が危ない』という一級建築士が書いた本を読みました。文面を一部ピックアップします。「設計士の本音とするとローコスト住宅はやりたくない仕事のひとつ」「ローコスト住宅は難しい。施工会社も、職人さんも同様だ」「ローコスト住宅では長持ちする骨組みと豪華な設備機器は両立しません」「自分だけは特別に安くしてもらって得をしたいという事は、ありえない」「造り手のコストダウンの主題は手間減らし」「住まいを精度良く長持ちするように造ろうとすると部材と手間はどうしても増える」3.《ローコスト住宅供給をすすめる人たち》ローコスト住宅供給フランチャイズというか、ローコスト住宅を造りましょう、そのノウハウをお知らせします!という内容のDMとかFAXとかが私どものような工務店には最低1週間に1,2枚は着ます。うたい文句は受注量アップとともに、粗利率**%確保!という書き方が多いのです。要するに結構儲かりまっせ!と書いてあるのですね。ローコストのものを造って、今まで以上に利益があるってのはよく分かりませんね。ローコストというのは実は供給側にとっての話で、お客様にはロープライスになっていない証拠かなと…補足‐でも一番かわいそうなのはひょっとしてローコスト住宅で商いを続けようとする供給側でしょうかね。 これから、家守りとして造った家の面倒を見続けることを拒否した形態になると思いますので、一度その地域で商いをしたら別の場所へといく会社と同じ道に近くなるのではと…《ある意味通信講座》と思い込んでいる★住宅グルメへの道★でした。 三女です。それではまた!