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姉歯元建築士が逮捕され、この問題も新たなステージへ入った。
改めてマンション偽装問題でいろいろな意見を見ていると、僕個人の見解ってつくづく 世間様と隔たりがあることを痛感する。 ![]() 特に「偽装物件については、銀行が金銭的負担を負うべきだ」という主旨の意見には大き な違和感を感じる。 このような意見を小学生とか中学生ではなく、ちゃんとした社会人(それもコラムニスト っぽい人)が平気で述べているのにはちょっと驚いた。 ![]() 論拠はこうだ。 「銀行は購入者へ信用供与を行いお金を貸した訳だから、その信用供与に誤りがあった なら当然のごとく責を負うべきで、ローン契約は無効。その損失の原因を作った住宅 販売会社に対して、銀行自身が損害賠償の裁判を起こすべきだ。」 ・・・銀行の責任とは、債権を投げ出して正義のために販売業者と戦うことだそうだ。 銀行と販売業者は直接的に契約関係や金銭の授受がないのに裁判を起こせと言う。 そもそも、物件は単なる担保でしかないのに、担保価値が毀損していたからといって借金 そのものをチャラにしてあげる理由がどこにあるというのだろう? あまりに荒唐無稽な発想に一瞬「この人、頭は大丈夫か?」と思ってしまった。 こういった方々のありがたいご意見はほぼ例外なく責任を「道義的責任」と勘違いして おり、資本主義社会でいうところの「責任」のあり方を理解していない。 法治国家にいながら、発想がことごとく『水戸黄門的』なのだ。 水戸黄門のような『超法規的な社会正義』が現れて、道義的観点から物事を裁き、万時 丸く治めてカッカッカと高笑いして去っていくというイメージでもあるのだろう。 こんな時、悪役は大抵が悪代官か高利貸しだ。 信じられないことに、この意見には“全くその通り”と賛同が多数寄せられている。 なかには「銀行は最高益を出しているのだから、過去の税金投入の見返りに国民に恩返 しをするべきだ」などと真剣に語る人間がいて背筋が寒くなってしまった。 言うまでもなく、金融秩序の安定化を目的とした銀行への公的支援とマンション偽装問 題とは何の関係もない。一般企業が何の関係も無いことにお金を使うと株主代表訴訟を 起こされる事を知らないらしい。 さらに言えば、銀行への公的支援は立法を経て行われた行為であり、細かい事を言えば 公的資金は投入したものの税金なんて1円も使っちゃいない。 言ってることがメチャクチャなことを本人達はきっと自覚してないんだろうな。 ![]() 僕は、こんな人たちでも平和に生きれる社会にしてくれた過去の政治家の方々にとても 感謝している。日本の資本主義社会は素晴らしい。 本来、資本主義社会とは法令に従ったうえでリスクとリターンを取って生きていく社会 だと理解している。 リスクを取り過ぎたり、不運や不注意があって損失を被っても、(例えそれに悪意があっ たとしても)甘受しなければならない。 日本はそんな資本主義社会の本質をうまくごまかして社会の中に溶かし込み、現実の生 活の中では見えにくくしている。 そういう教育もしてないから、あたかもそうじゃないような錯覚を起こす人間もいる。 姉歯物件を購入して損害を被った方々には心から気の毒だとは思う反面、周囲の的外れな ご意見を聞いてると、日本もいい加減「水戸黄門的資本主義」から脱却するべきじゃない かと思うんだけど・・・ね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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私としては、どっちもどっちだと思います。
銀行にしても紙ベースでの判断で、担保価値を見誤ったわけだし・・・。 ただ、購入された方々も何事も相場っていうものがあるわけだから、そんな広い背乳面積がこの価格って本気で信じたのかな? コストを下げるにしても限度があるわけだから。 冷たい言い方ですが、もう少し冷静になって考えるべきだったんじゃないでしょうか? (2006.04.30 18:32:25)
くにぼんさん、こんばんは。ゆーのす黒です。お忙しそうですね。
姉歯事件の件、僕はとっても被害者の方には気の毒だと思ってます。 でも、やはり高い買い物なのだから、慎重に、少なくとも何かあった時にツブれない 会社を選ぶことも大事だと再確認しました。 知り合いに戸建を買った人がいますが、10年保証と謳いつつ4年目で倒産してしま ったと嘆いてました。僕らヘーベルで良かった・・・かな? 銀行については、確かに担保価値を見誤ったのですが、銀行自身の役割は住宅評価機 関ではなく単なる金貸し屋なので、自らの過ちの責任は焦げ付き時の回収不能リスク という形で負っているというのが経済行為としては正しい見方なのかなぁ、と。 ま、住宅産業って結構危ないってことですよね。 夢より現実・・・ (2006.04.30 22:42:58) |