ヒロシ夫妻の不動産投資日記

「お前、知ってる？」

「何が？」

高校生が地下鉄の電車の中で話している。

「ジャムおじさんとバタ子の関係だよ」

「何だよそれ、知る訳ねえじゃん」

ジャムおじさんとはアンパンマンに出てくるおじさんで、

バタ子という女性もアンパンマンの脇役である。

我が家ではようつべ（YOUTUBE）で、

毎日のようにアンパンマンを見ている。

もちろん息子が、である。

携帯にも数十にのぼるアンパンマンが録画されている。

が、この頃、話の意味の深さとネームングのひねりの無さに、

親の私たち夫婦もそろって笑いながら見ている。

通勤途中、目の前の高校生がアンパンマンの話題にふれている。

聞く耳を立てない訳がない。

「だからよ、バタ子は、ガタンガタンガタン

  なんだよ、解る？」

「マジ！ウソだろ」

聞こえない！！！

もう一度言ってくれと本当にお願いしようかと思ったが、

朝のしがないおっさんに言われたら、

確実に高校生は「ひく」と思いやめた。

が、今になって悔む気持ちでいっぱいだ。

やはりやらないで後悔するより、

やって後悔するほうがいいと再度確認した。

数日前、千葉に物件調査に行く。

三代目大家マサさんからいただいた物件だ。

物件の前で業者の方と待ち合わせる。

外見は悪くない。

利回りも素晴らしい。

積算も、まあまあである。

で、部屋の中に入った。

正直、汚い。

「靴のままどうぞ」と言ってくれると期待する。

無言であがる業者の方。

もろんスリッパなどというものは無い。

和風の部屋である。

単純に書くと畳である。

トイレを覗く。

ああああああああああ！

数千という小さな虫が飛んでいる。

やられた。

少し酔った。

別に虫に弱い訳ではないが、

数が多すぎる。

戸を開け、１秒で閉めた。

瞳孔が開いたまま嫁にアイコンタクト。

言葉は出ない。

目をそらさず、首を横に高速に振る。

嫁はなぜか笑顔。（強いよあんたは）

トイレを覗く。

ああああああああ！

嫁も１秒で戸を閉める。

嫁も瞳孔を開けて、私を見て首を横に振る。

薄暗い部屋で２人で無言で首を振っている。

トイレに酔う。

この現象を初めて経験する。

昭和築の建物の強さを見せつけられた１日であった。