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緊急出版・特別報道写真集「3・11大震災 巨大津波が襲った 発生から10日間 東北の記録」(河北新報社)。

東日本大震災発生から10日間、地元の東北ブロック紙・河北新報は、安穏な暮らしを根こそぎにした震災を懸命に伝えることで、立ち直りの力につなげようとの方針で、連日懸命の報道を行い、高い評価を得ている。

10日後の21日の朝刊では「皆さんと一緒に難局を克服し、未来に向けて進んで行くことを、あらためてお誓い申し上げます」とのメッセージが載っている。

4月8日発行であるが、買い求める人が多く本日ようやくこの写真集を手にすることができた。

「津波」「惨状「原発」「救助」「避難」「前へ」というブロックに分かれて、迫真の写真が並んでいる。知っている場所の惨状が写ってもいて、心を痛める。最後の「前へ」という写真では、笑顔も戻った被災者の顔が写っている。

今回の被災地である岩手、宮城、福島は、河北新報にとっての大事な土地であり、他の全国紙とは違った気迫と使命感を感じる報道写真を連日、送り続けた。地元の報道機関としての使命感に裏付けられた仕事ぶりがひしひしと伝わってくる内容だ。

取材も難しかったであろう。交通網の断絶や停電、情報通信の制限の中で、記者やカメラマンは泥にまみれ、水につかりながら現場をめざし、何を伝えるべきかを自問自答しながら、災害報道という神聖な仕事に没頭していたことがわかる。仙台にいた当時にお世話になった記者たちの顔を思い浮かべながらページを繰った。

最初のページの名取市の大津波。三陸町志津川に大津波が押し寄せる瞬間の連続写真。冠水した石巻市の市街地。唐桑町の漁港。気仙沼の中心地。甚大な被害を受けた七ヶ浜。仙台駅。仙台空港。利府グランディ21で遺族の迎えを待つ遺体安置所。大船渡。釜石。宮城県庁。茂庭台小学校。長蛇の列のダイエー仙台店。給水を受ける台原森林公園。行列の続く泉中央バスターミナル。、、、、、。

11年間住んでいた地域だけに、見覚えのある場所も多く、変わり果てた姿に衝撃を受ける。

明治維新の際に「白河以北一山百文」と蔑まれた東北の意地を見せようと「河北」と改題した1897年創刊の河北新報は、この110年以上をまさに東北とともに歩んできており、愛読者も多く、影響力は大きい。今回の震災報道では、地元紙の奮闘が目立ったといわれているが、その中でも地元ブロック紙・河北新報の報道は群を抜いていただろうと思わせる写真集である。

実状の報道、励ましのメッセージ、など報道のあり方を自問自答しながら苦闘した地元新聞社の心意気が伝わってくる写真集だ。









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Last updated  2013/12/12 05:13:11 PM
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