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久恒啓一

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三浦しをん「舟を編む」(光文社)。
15年という歳月を費やして辞書編集に携わった志ある人々の愛と友情と人生の豊かな物語。
出版、辞書、という特殊な職人の世界の雰囲気と使命感の表現、そしてコミカルだが愛情を持って人間を描く描写、三浦しをんの腕前の良さを堪能した。
ついに「大渡海」が完成するが、辞書編纂に協力してくれた監修者の先生はガンにおかされ辞書を手にすることはできなかった。最後の場面、先生の死、出版パーティでの関係者とのやり取り、では涙が出て来た。
「俺たちは舟を編んだ。太古から未来へと綿々とつながるひとの魂を乗せ、豊穣なる言葉の大海をゆく舟を。」

【送料無料】舟を編む
ビジネスマン時代から人間として尊敬する上司の名前は舟崎だった。「ふなは、ちっぽけな舟の方だ」と言っていたのを読了後思い出した。出版社の一角にある小さな工場、そこでとんかちとやすりで手作業で舟をつくる。いや、確かに舟を編む、のか。その舟が大海原を走る。人間世界という大いなる海を棹さしていくのを助ける乗物が辞書である。

三浦しをんは、1976年生まれだから30代の半ば。2006年には直木賞を受賞。この人の小説も読んでみよう。
この小説は、映画になるのではないか。
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新宿の東急ハンズで買い物をした後、九段の文庫カフェでS出版社の文庫編集長と会う。
昨年から取り組んでいる単行本がほぼ出来上がっているところで、編集者が病気になってしまう。ということで上司がこの仕事を引き継いだが、単行本ではなく、文庫本で出したいという新提案をもらった。提案理由ももっともなので了解する。夏前には出すことになった。

本の出版には、様々のドラマがある。本づくりは危機の連続である。企画が突然ボツになる、編集者が他社に引き抜かれる、本業との時間のやりくりがつかなくなる、タイトルで紛糾する、、、、。その危機の態様はそれぞれ違う。編集者もそうだろうが、著者の立場からも出版は危機管理能力を試されるプロジェクトである。「舟を編む」と同じだ。
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学内日誌。
 九段サテライトで学長主宰の大学運営会議。
 エリアマーケッティング。数字。実態。進路。国際化。東南アジア。、、、。











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Last updated  2012/03/24 07:57:51 AM
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