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カテゴリ:将棋
駒落ち上手をやっているとたまにだが下手穴熊に出くわす。「ああ、この人はそうまでして勝ちたいんだなぁ」と感じます。人によっては駒落ちで下手が穴熊をすると上手側の人が「もう指してやらん!」と言う人までいるのもまた面白いところです。
まあ指導目的の駒落ちの場合、下手が穴熊までするのがいいかどうかはよくわからないんですが、個人的な考えでは、基本的に二枚落ち以下(四枚、六枚)の駒落ちは下手は穴熊に囲う必要はないだろうと思います。というのも上手の攻撃力がそれほどあるわけではないので、玉の堅さよりは陣形のバランスを考えたほうがいいような気がするわけです。大体二枚~六枚では上手の狙いの1つに「玉の上部脱出(入玉)」があるので、金銀が極端に偏る穴熊は少々危険。 ![]() これは少々極端な例だが、ここまで囲ってしまうと手合い通り(6~7級差で二枚落ち、8~9級差で四枚落ち、10級差以上で六枚落ち)だとすでに下手難局という事になってしまう可能性高いです。上手は金銀全部使って下手の攻めを受けたあとで下手の大駒をいじめながら入玉、というシナリオができてしまいますからね。 もしこれで上手がどんな風に指しても穴熊側がきっちりと勝ってしまうようなら手合い違いでしょう。ハンデを小さくしないと仕方ないような気がします。 ただ大駒1枚ある駒落ち(飛落ち、角落ち)や香落ちでは穴熊は考えられるでしょう。さすがに4枚でがっちり、はやりすぎでしょうが、3枚できっちり囲っておくのは有力ではないかなと。何しろ上手は大駒を持っていますし、大駒交換も考えられるので、上手側の攻めもそれなりに厳しくなりますからね。 さて二枚落ち以下で穴熊をしてはいけないか?というとそうでもないと思います。普段から穴熊指しているので穴熊をやりたい、という人もそれなりにいるはずですからね。自分は穴熊党ではないので、穴熊党の人とは考え方が違うかもしれません。よって個人的な考えを書いておきますが、穴熊党の人は違う事を言うかもしれないので、その辺は自分に合った指し方を見つけてもらうよりないでしょう。 ![]() まずこの穴熊。▲5七銀は4七でも4六でも3七でも3六でもいいですし、棒銀でもいいでしょう。平手でもよく出てきますが、矢倉囲いから穴熊にするとこんな形になります。二枚落ち以下だと上手は金銀を使って上から圧力をかけてくるので、金の配置は7八、6七がいいと思います。▲7八金は7九のほうが離れ駒にならなくていいんですが、横から攻められる(例えば飛車とかで)心配があまりないですし、7九だと上から攻められた時に下段すぎて不本意な受けをさせられる可能性があります。 また▲6七金も場合によったら横に動いて5筋、4筋方面を強化する事ができるのがポイント。 ![]() さらにこんな穴熊もあるでしょう。上手の玉の位置や金銀の配置を見ながら▲4九金の動きを決める指し方です。玉が薄いですが、二枚落ち以下なら上手の攻めもそれほどきつくはないので大丈夫でしょう。 こんなんでどうでしょうか。あくまでも二枚落ち以下の話ですが、がちがちにしようとすると金銀の多くが7・8・9筋(右なら1・2・3筋)に固まってしまうので、それ以外の部分が薄くなります。上手側の狙い(入玉)を考えると堅さよりは陣形のバランスを重視した穴熊がいいような気がします。 ちなみにここでは穴熊は左に囲ってますが、右に囲った場合ももちろん同じです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.01.26 17:37:12
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