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カテゴリ:将棋(静岡)
小学生将棋名人戦:日本将棋連盟
静岡県将棋情報 昨日13日は静岡市清水区で小学生名人戦の静岡県予選があったので午後の決勝トーナメントを見にいってきました。午前中は4人1組または3人1組の予選リーグで2勝通過2敗失格。午後は予選通過者はA級の決勝トーナメント、予選敗退者はB級の敗者戦(敗者復活ではない)トーナメント、となりました。 昨日の大会の運営・進行は将棋連盟清水支部の方々。外岡さんはおいらが子供の頃から支部の中心で運営面などで尽力されています。 さて昨日も棋譜取りをしてきましたが、小学生大会の棋譜取りは実は非常に難しい。 なぜなら超がつくほど早指しで指しますので・・・(笑) 略字を使っても追いつかないことがあるので、そういう場合は盤面の方をできるだけ見ながら(棋譜を取るより駒の動きを覚えるため)指し手を所々書いておいて後で家に帰って並べ返して棋譜を完成させる手法をとっています。所々棋譜が書いてあれば推理などもしやすいですね。 これは準々決勝の▲K君と△A君の一局。後手の一手損角換わりで先手が▲3六歩から4八にいた銀を3七~2六~1五へ進出させ、後手の銀交換拒否の△2二銀にまた先手の銀は2六に戻って3筋歩交換から銀を4六に戻した、という展開です。 ここで先手は▲2四歩と突く手もあった所。以下△同歩▲同飛に平凡に△2三歩では▲2八飛でこれは先手だけ2歩手持ちにできるので先手が作戦勝ちしやすいのではないかと思われる。 そこで▲2四同飛に△2三銀と上がって銀冠にするか、あるいは△2五歩と打てるかどうか(変化図)。 ↓変化図↓ △2五歩の狙いは放置すれば△3三桂~△2三銀で飛を取りに行く狙いで、▲2五同飛なら△3六角から馬を作る狙い。 しかし△2五歩に▲同飛△3六角▲2六飛△4七角成の展開は先手は歩損するわけではないし、持ち角の利もあるので互角以上には指せるのではないかと思われる。 よって後手は▲2四同飛には△2五歩ではなく△2三銀を選ぶ可能性もあるが、まあこれはいい勝負でしょう(平凡に△2三歩とするより銀冠にする方が後手としては堅さや形の良さという主張点があるので)。 先手のK君は上記の筋を嫌ったのか実戦では▲5八金と自重策。これは落ち着いた一手で良い手の部類になるでしょう。 少し進んで△6五歩の局面。 ここでも▲2四歩は当然ある所。自分の予想は▲7九玉でした。 他には▲3七銀~▲3六銀~▲4六歩のような形を目指すのも一考の価値はありそうです。 実戦はここで▲5六歩。これは「角交換に5筋を突くな」の格言の通りやや危険。 ▲5六歩に△7五歩▲同歩△3九角なら後手がポイントを稼げたかもしれませんが、実戦は▲5六歩に対して△6二飛としたので先手も▲5七銀と引いて局面は落ち着きます。 ただ見ていて先手のK君はこの周辺の数手で迷いながら指していたので、あるいはK君にとっては不慣れな戦型・展開になってしまったのかもしれません。 ▲5七銀以下は△3三銀▲1七香△6四角▲3七歩と進行。 後手の△3三銀は壁銀を解消しつつ▲2四歩を防ぐ大きな一手です。 実戦はここで△3一玉でこれが落ち着いた一手。現状では後手の玉と飛が接近形ですし、玉が囲いの外に露出している格好なので悪形です。万一戦いになると不安が多いのでここで△3一玉としておけば△2二玉と入る余地もあって強い戦いもできます。 ただし△3一玉以外では△5四銀や飛を8筋に戻す△8二飛、一歩交換する△7五歩なども立派な手段だと思われます。 さらに進んで戦いが始まって中盤戦。現状は後手の攻めの桂と先手の守りの銀の交換となっていて、その点では後手が大きなポイント。しかし先手も▲7三角と打てて馬作りが確定しているので形勢としてはいい勝負でしょうか。 実戦はここで▲7二銀でしたがこれが惜しい逸機。 ここでは▲5二銀が優っていて、△7一飛では▲8二角成や▲6二角成で飛が取れます。 よって▲5二銀には△8二飛▲4三銀成△同金でしょうが、そこで▲6四角成と成っておくぐらいでも先手は互角以上あるでしょう(変化図)。 ↓変化図↓ 変化図では後手も角銀3枚と豊富な持ち駒があるので難しいですが、後手玉の囲いが弱体化していて▲2四歩の手段や▲6五桂跳ねなどあるので先手も互角以上にやれるはずです。 ▲5二銀の瞬間に△3五角の王手も気持ち悪いですが、手堅く▲5七桂合くらいでも後手の角が狭いので後手が大変そうです。 実戦は▲7二銀だったので以下△4一飛▲6三銀不成△4二飛▲6四角成と進行。 最後の▲6四角成では他にも色々とある所(▲9一角成▲8四角成▲6五桂▲5四歩▲2四歩など)ですが、先ほどの変化図と比べて後手の陣形がしっかりしているのでここでは少し後手が良くなっていそうです。 さらに進んで終盤戦。少し前までは後手がかなり優勢になっていましたが、先手の勝負手に対して少し面倒を見すぎたせいか受けに持ち駒を使ってしまって少し大変になってきた所。 まだ後手がいいでしょうが歩切れも痛いので先手にもチャンスが残されている局面。 ソフトは△8五角を推奨、自分は△2二玉が良いと思っていますが、ここは結構指し方が難しい。 実戦はここで△6六銀。これはたぶん持ち駒をうっかりしたミス。 ここで▲6六同金とすれば△3九角には▲2六飛で両取りは受かります(△6六角成は▲同飛)。後手はここで恐らく持ち駒にまだ銀があって△5七銀と打てると錯覚したのでしょう(もっとも△5七銀と打てても形勢は後手が少しいいくらいで楽観できない)。 先手にとっては逆転チャンスの場面でしたが、先手もミスに対してミスでお付き合いをしてしまい、△6六銀に対して▲2六飛と浮いたので△3五角の王手飛車。さらに王手飛車に▲4六飛ならまだアヤがありましたが、実戦は▲7八玉だったので後に飛をただで取られる展開になってはっきりしました。 恐らくK君は形勢を悲観しすぎて考えがまとまらないうちにチャンスに気づかずにフラフラと指してしまったのだと思われます。 ここはA君が最後は手堅く寄せきって勝利しました。 他では女の子が一人ベスト8に残っていましたが、相入玉の末点数が足りず敗退(時間の残りも不利だった)。ベスト4は男の子のみになりました。つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.01.14 21:05:18
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