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カテゴリ:将棋(静岡)
静岡県将棋情報
ロゼ富士山こども将棋大会開催結果 第71期将棋名人戦がロゼシアターで開催決定 2月23日(富士山の日)に富士市ロゼシアターでロゼ富士山こども将棋大会がありました。この大会は4月に行われる名人戦の第2局が富士市で開催される事が決まり、その記念大会です。大会は低学年の部(大会開催時小学3年生以下)と高学年の部(大会開催時小学4年~6年)とクラスが分かれていて、両クラスともに優勝者(2名)は名人戦第2局前夜祭に招待で、両クラスとも成績上位者には賞品があったようです(優勝者は将棋駒!)。 大会の審判役は日本将棋連盟吉原支部の皆さん。また特別ゲストは富士市出身のプロ棋士の中尾敏之五段で、希望者や決勝進出した4名との指導対局もありました。 大会参加者は事前申し込み制で両クラスともに40人(先着順)。 当日は若干名の欠員がありました。 ルールなどについては高学年の部の方で説明があった事を書きます。たぶん低学年の部と同じだとは思いますけどね。 予選リーグはA~Hまでの8リーグで、1リーグに5名ないし4名(抜け番あり)。 リーグ成績1位のみ予選通過で決勝トーナメントへ。同星の場合はポイント(局ごとにポイントがある) 運営・進行の都合上対局は全リーグの各回戦一斉開始。1局20分程度で終わりたい、という事で開始10分経過後に1手30秒以内の設定の対局時計使用。 決勝トーナメントは各クラスとも和室へ移動しての対局(名人戦で使用される部屋だそうです)。 決勝トーナメントは低学年は低学年で一斉対局、高学年は高学年で一斉対局(低学年と高学年同時進行ではない)。 決勝トーナメントの持ち時間は5分、切れたら一手30秒以内。 決勝戦は持ち時間10分、切れたら一手30秒以内。 大体こんな感じでした。また対局に影響がないようにこの大会では父兄・付き添い・観戦者は対局中の子供に近づけません(近づけるのは審判役の方々など一部)。 よっておいらの棋譜取りもなかなか苦労が多かったわけですが・・・(笑) さて前に少し書きましたが、日本将棋連盟静岡県支部連合会会長の青島さんから低学年の部の記録係をやってほしい、と頼まれましたのでおいらが記録係をやりました(おいら、生意気だね!笑)。 立会人は全国アマ名人にもなった事がある中村さん。 棋譜取りをしたのは終局後に中村さんと青島さんによる低学年決勝棋譜の大盤解説会があったからです。 高学年の決勝の方は中尾先生が立会人でした。 えーと余談ですが、対局開始前に「お願いだからゆっくり指してね♪」と心の中でお祈りしておりましたが(おじさんも楽をしたいのです!)、このお祈りは見事に通じずそりゃもう凄い速いペースでした(笑) 低学年決勝はS君とN君の対戦となりました。 S君は大会の上位常連でよく名前を見かける強豪です。もうじき高学年世代に突入ですが、そちらでの活躍も楽しみです。 N君はまだ1年生という事で大会参加回数は少ないでしょうが、それでも名前は時々見ます。自分の予想が間違いでなければお兄さんも高学年の部で上位だったと思います。 ▲S君△N君で後手の4手目△3三角から角道を止めない向かい飛車から穴熊へ。先手は居飛車で急戦調の陣形としたのが第1図。 1図は先手の右半分の陣形が急戦を狙った駒組みで攻めの形を早々と整えたので▲4五歩から動く手段はありそうでした。 1図以下▲7七角△8二銀▲8八玉△7一金▲9八香△5一金▲9九玉△6一金左▲8八銀(2図) 先手は▲7七角から穴熊を目指しました。▲9八香では▲7八銀も有力です。 この日の将棋大会もそうでしたが、最近はアマチュアでも穴熊を指す子供(大人もですが)が増えました。自分が小・中・高校の頃はプロの世界では居飛車穴熊のように穴熊の将棋が流行ってましたが、アマチュアの方ではまだ穴熊は少数派だったように思いますけどね。 さて先手は穴熊を目指すわけですが、既に先手の右半分の陣形は囲いより先に攻撃の形を作っているので急戦的な構えです。 しかし左半分では穴熊にしてじっくり囲う持久戦的な構えです。 これまでにも書いた事がありますが陣形の右と左で方針が違う、というのは今現時点が互角でも将来は何かしら負担になったりする可能性があります。 実際2図の局面は後手の穴熊は大体完成していると言えますが、先手はもう1,2手は金を玉に近づけたいはずです。 3図は少し進んで戦いが始まり先手が▲2四歩△同歩▲同飛と走った所。 2筋が難なく突破できそうなので先手が良さそうに見えます。しかし後手がこの方面を軽くして明け渡したのには当然理由・狙いがあります。 3図以下△5五歩▲2一飛成△5六歩▲5三歩△同飛▲4二角△5四飛▲3三角成△5七歩成▲4三馬△5二飛(4図) △5五歩が後手の狙いの反撃です。後手からすると「2筋は自玉から遠いのでどうぞ突破してください。その代わり私(後手)は先手玉に近い5筋を突破しますよ」という感じの攻めです。また同じ穴熊でも後手の穴熊の方がしっかりしているのもあります。 対する▲2一飛成では▲5五同歩と一回取るのも有力。 また▲4一角として△5三飛(△5一飛は▲6三角成。△6二飛は縦の働きがなくなる)▲5五歩△同銀▲5四歩△同飛▲6三角成(参考1図)という指し方もあった所。 参考1図の展開は一例ですが、この展開なら先手としても悪くないでしょう。 実戦は△5六歩の取り込みが先手にとってはなかなか厄介です。 ▲5三歩から▲4二角の攻めに対して△5四飛でしたが、ここでは最初から△5二飛なら後手がはっきり良し。 実戦のように△5四飛だと▲3三角成~▲4三馬が飛取りになります。最初から△5二飛なら▲3三角成△5七歩成▲4三馬△5八と(参考2図)と後手の攻めが速いです。 なお実戦の△5二飛では△5一飛と先手の竜との交換を迫る引き方の方が良かったようです。 ちなみにソフトは▲4三馬に対して飛を逃げずに△4七とを推奨しています(怖い!)。 実戦は△5二飛だったので▲同馬△同金▲5七金と先手は後手の攻撃の主力の飛を取って(馬と交換)しかも「と金」を消す事ができたので先手がリードする展開となりました。 5図は▲2二飛に△6二金寄と逃げた所。この金逃げでは△5一歩と堅く底歩で受けておく手もあった所です。 5図以下▲5二歩△5七歩▲6八金右△4七馬▲5一歩成△5八歩成▲5二と△同金▲同飛成△6八と▲同金(6図) 先手は5図で▲5二歩と垂らしました。確実な攻めですし、歩による攻めというのは厳しいのですがここでは少し遅い攻めになってしまいました。 ここでは▲6二同飛成△同金▲5四桂△7二金▲6二金(参考3図)、あるいは▲7一竜△同銀▲5四桂(▲6二飛成~▲7二金もある)△6一金▲6二金(参考4図)、と大駒を1枚切って金を打って食いつく攻めがありました。 参考3図も参考4図も先手玉が安全ですし、後手玉を薄くしながら攻めているので先手が勝ちやすい展開でしょう。 実戦は▲5二歩だったので△5七歩が痛打。▲同金なら△1三角と打たれて先手は2枚飛車の攻めができなくなりそうです。しかも▲5二歩が邪魔しているので▲6二飛成と切る手もありません。 そこで△5七歩には▲6八金右ですが、△4七馬と銀を取られたのは痛い。 また▲5二と△同金に一回▲5八金は有力。△同馬(△6九銀と打つ方が後手にとっては良い)なら▲5二飛成が馬取りになります。 実戦は▲6八同金の形が玉から離れて少し先手つらい格好です。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.02.27 20:15:18
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