恩田陸『ライオンハート』
『夜のピクニック』で勢いづいて、図書館で恩田陸作品を借りまくってます。今回ご紹介するのは『ライオンハート』。私は本を読む時、後書き・解説から先に読む(悪い?)くせがあるのですが、それによるとタイトルはケイト・ブッシュの2ndアルバムから思いついたそうです。なーんだ、SMAPの同名曲じゃなかったんだ。(笑)でもこの事実を知ったあとでも、♪ねむった横顔 ふるえるこの胸ライオンハ~♪の歌が脳裏をぐるぐる駆け巡ってしまって困っちゃいましたが。(^^ゞ♪Oh,England My Lionheart~♪の方だっつーに。更にストーリーはロバート・ネイサンの『ジェニーの肖像』へのオマージュを込めた、という事まで事前に知ってしまったので、読む前から先の展開が読めてしまいました。良かったんだか悪かったんだか。でも何も知らずに読んでいたらコレ『ジェニー~』のパクリじゃん、とか怒っていたような気もするので後書きを読んどいてよかったかも。(^^ゞ各章の冒頭に絵画が載っていてその絵のイメージに合った展開でストーリーが進んでいきます。これはちょっと面白い趣向。『ジェニー~』よろしく、時を越えて永遠に結ばれることのない男女の一瞬の出会いと激しい歓喜、そして別れ…。簡単に言ってしまえばすれ違いのメロドラマなんですけど、情緒的で結構じんとさせられます。ケイト・ブッシュの曲を知っていると更にいい感じかも。私はこの『ライオンハート』のアルバムが一番好きなのでかなりハマりました。(今でも1st、2ndが最高傑作だと信じてます)やっぱ恩田さんとは同年代なんだわあ。更に紋章学の知識とか、イギリス王室史をかじったことがあるとより楽しいです。この2つの理解には森護さんの本がオススメ。でも主人公の少女のルーツが歴史上、超有名な「あの」女王様だとは…うーん、ちょっとイメージが合わないなあ。まあ彼女が主人公だからこそ、ケイト・ブッシュの歌の文句♪Oh,England My Lionheart~が生きてくるという見方も出来ますが。(この辺、読んでない方には何やらわかりませんね。自己中な書き方でスミマセン。でもぜひ多くの方に読んでみて欲しいのよ)私的にはかなり好きな部類に入る本でした。