土佐一人新聞

　先日、ピアノを貰いに行った家庭が汚い家で、ピアノなど弾ける家庭でないと放言したが、実は趣味によってその人の教養というか、人物というか人格がある程度わかる趣味がある。
　自分が合唱好きなので、言いにくいが、合唱趣味の人は平均的に教養も高く、日本の平均以上の人物が多いように感じる。勿論例外はある。
　そして何かの楽器を楽しむ家庭も、結構平均以上の家庭が多いように見受ける。そりゃそうだろう、その日のご飯に汲汲するようでは、音楽などたしなめるものでは無い。
　逆にパチンコ好きの人は、平均以下の人物が多いと感じている。勿論これも例外は一杯ある。足して割った平均の数字である。
　私は昔パチンコ屋を開業した事があった。ボーリング場を開業したのに、そのブームが去り、何とかテコ入れをと思って、駐車場の一部でパチンコを始めたものであった。
　やはり来る常連客の質がボーリング客とは全く違うのが分かった。かなり落ちるのである。付き合うのなら、ボーリングのお客ならまだ良いが、パチンコの常連客とは付き合いたくない人ばかりであった。
　案の定、それから１年ぐらいで、ボーリングもパチンコも閉店せざるを得なかった。ボーリングは大きな失敗で、親父が創業した会社を私が原因で潰す可能性を抱え、倒産を覚悟しながら、韓国に渡り、本業の手袋工場の運営に当たったものであった。
　真綿で首を絞められるような数年だったが、嬉しいことに、２つのボーリング場の土地が段々と値上がりし、結果的には韓国での利益と土地の値上がりで、最終的には、ボウリング場は大きな損ではなかった。
　神風が吹いたと言うか、国道沿いで買った広い土地の値上がりで、生き残れたのであった。
　そして韓国で面白い経験をした。つまり人は一人一人では分からないが、大勢が集まると、不思議なもので、グループ毎に或る種の雰囲気が醸し出されるのである。
　韓国に居る時、日本から御客が来ると、必ず飛行場に迎えに行く。税関検査を終えた乗客が次々と出口から出て来るのだが、出て来ると、それぞれの乗客達は迎えの人と話をするから、韓国人か日本人か言葉で分かるのだが、言葉を聞く前に、その人の雰囲気で、どっちの国民か特定できる人もいるし、ミスをする場合もあった。要するに個人個人では、特定が難しいぐらい両国民は同じ顔をしている。
　だけど、数名が集まったグループだと、言葉を聞かなくても、確実に韓国人グループか日本人グループか特定出来た。
　人間と言うものは面白いものである。例えば、金持ちグループと貧乏人グループがあるとすると、多分服装で、確実にどっちが金持ちグループか分かるだろうと思う。
　職業も同じだろうと推測する。労働者のグループと、経営者のグループでは、誰が見ても判別できるのではなかろうか。
　私はタマタマ合唱とパチンコの客しか知らないが、或る趣味のグループの人が集まると、何か社会的特異な雰囲気が匂う場合が結構あるのではなかろうか。
　そんなグループを知って入れば、参考のために教えて欲しい。